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訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

大東亜共栄圏-帝国日本のアジア支配構想 | 安達 宏昭 (著) | 2025年書評86

戦時中日本が考え出したコンセプトである大東亜共栄圏。帝国主義に伴う欧米列強の支配からアジア地域の解放を銘打った画策は、その背景に経済的自立を求めた結果でもありました。 総力戦とは何か。第一次世界大戦より前の戦争は、主に軍隊と軍隊とによる軍事…

Appleはawe droppingにて”カーボンニュートラル”宣言をしなかった | 2025年雑記#1

Appleの新作発表会”Awe dropping”にてiPhone 17シリーズの発表などアナウンスしました。最近は変化が少なくなっているとの話もありますが毎度のことながら完成度の高い「買っても間違いない」製品を発表してくれます。 Appleは製品もさることながら、環境配…

日本海軍 失敗の本質 | 戸高 一成 (著) | 2025年書評85

この夏は多く戦争関連の本を読んでみたのですがまた戦争関連、雪風の映画でも取り上げられた海軍に関する本です。戸高さんはやまとミュージアムの館長であり、多くの歴史書特に海軍にまつわるものを書かれています。 www.youtube.com www.youtube.com 歴史音…

昭和16年夏の敗戦 | 猪瀬 直樹 (著) | 2025年書評84

NHKスペシャルで話題になっている本でもありますが、猪瀬直樹さんの昭和16年夏の敗戦を読みました。日本が敗戦したのは昭和20年なのですが、タイトルにある昭和16年というのは総力戦研究所と呼ばれる30代の最もバランスが取れさらには仕事の経験も豊富にある…

雪風 YUKIKAZE@TOHOシネマズ 新宿 | 山田敏久 (監督) | 2025年映像・映画評#11

個人的な戦争モノブームもあり雪風 YUKIKAZEを観てきました。 戦争モノの映画を観ていると祖父母世代の事を良く思い出します。昔ながらの行事を大切にし、今では見なくなった厳しく接すること、ものを大切に長く使うことなど、小さい頃はあまり気が乗らなか…

日本の経済政策-「失われた30年」をいかに克服するか | 小林 慶一郎 (著) | 2025年書評83

失われた30年と言われ久しい日本経済ですが、ここ最近は日経平均株価も過去最高値をつけるなど失われた日本経済が終焉しそうな雰囲気が漂ってきました。日本経済を日経平均株価が表しているとは言い難いとは思いますが、バブルだった異常値であるとはいえ30…

ゲンロン | 2025 Youtube review #19

先日も取り上げたゲンロンなのですが、最近雑談でひたすらに長々とライブ配信するという流れで東浩紀さんの話が面白かった。 ohtanao.hatenablog.com 訂正可能性の哲学 作者:東浩紀 株式会社ゲンロン Amazon www.youtube.com 特に好きだった話には三宅香帆さ…

なぜ倒産 運命の分かれ道 | 帝国データバンク情報統括部 (著) | 2025年書評82

以前倒産企業の財務情報についての本を読んだのですが今回は帝国データバンクがレポートを作成している倒産企業の情報をまとめた本、なぜ倒産を読みました。 ohtanao.hatenablog.com 倒産のケースを見てみると、いかにコロナが企業の財務に傷をつけたのか、…

実践 対話型組織開発 生成的変革のプロセス | ジャーヴィス・ブッシュ (著), 永石信 (監修, 翻訳) | 2025年書評81

対話型組織開発の提唱者でもあるジャーヴィスブッシュさんの日本語訳本を読みました。 彼自身Youtubeでは10年以上前から、英語の著書では2019年ごろには出版されていたものなので少し遅巻きながら日本語翻訳本の話が舞い込んできたのでしょうか。 www.youtub…

月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資 | なのなの (著) | 2025年書評80

なのなのさんの著書で配当のススメ的な本を読みました。高配当投資に関してはまだなかなか興味が持てないのですが、資産額が増え定年に近くなってきたら少しずつ高配当銘柄も増やしていきたい思いもあるので勉強を兼ねて読んでみました。 www.youtube.com 大…

「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史 | 辻田真佐憲 (著) | 2025年書評79

あの戦争…につづき辻田さんの著書戦前の正体を読みました。江戸時代の終了から明治維新をかけて戦争に突き進む帝国主義のマッチョな世界。維新や新選組は現代でも政党名に使われるなどどこか明治維新を美化した風潮があるように感じます。良くも悪くも変化に…

この夏の星を見る@日比谷シャンテ | 山元環 (監督) | 2025年映像・映画評#10

コロナ禍の世界観って気がつけば忘れかけているものです。 街なかで救急車の音が鳴り響き、夜に近所にかけつけた救急車へ防護服を着た大人たちが患者を乗せていく姿も見かけました。これだけ人を押し詰めたような街づくりの東京では「三密」なんて言葉も流行…

満洲ばあちゃん | 2025 Youtube review #18

8月ということで戦争の話を観ていたところ、Youtubeのコメント欄から満州ばあちゃんというチャンネルを見つけました。 80歳を超えるおばあちゃんが2歳の頃まで満州に居たということで満州国にまつわるストーリーを紹介してくれているチャンネルになります。 …

「あの戦争」は何だったのか | 辻田真佐憲 (著) | 2025年書評78

お盆の時期になると戦争特集番組が増え、特にテレビが大きな文化としてあった時代には毎年恒例の妙に真面目にならないといけない時期であるという認識がありました。小さい時にはその重要性は全く理解できていなかったし、甲子園でも観ていた方が断然エモ楽…

移民の経済学 雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか | 友原章典 (著) | 2025年書評77

昨今移民問題で問題が生じており、選挙で争点になるほど加熱している議論に対して理解を深めようと言うことで手に取った一冊です。 2019年のデータでアメリカの移民は5000万人を超えて世界ダントツ1位、2位のドイツは1300万人、イギリスは第5位で950万人、日…

移動と階級 | 伊藤 将人 (著) | 2025年書評76

移動に関する著書があり流行りを一目読んでおこうと思い読みました。移動について格差があり、社会階級によって(もっと単純化すると収入格差)移動の制限があるのではないか、という著者の論です。 移動の機会や実現可能性、結果には”差”がある。それは、グ…

火垂るの墓@金曜ロードショー | 高畑勲 (監督) | 2025年映像・映画評#9

終戦記念日に金曜日が重なり、金曜ロードショーで火垂るの墓が流れる日となりました。 世代が変化していくにつれ戦争の体験者も亡くなり、よりその時代の記憶というのは薄れるもので。こういった映画やアニメで記録されるというのは非常に価値があることだと…

世界経済の死角 | 河野龍太郎 (著), 唐鎌大輔 (著) | 2025年書評75

以前読んだ河野龍太郎さんが共著する新著「世界経済の死角」を読みました。以前読んだ日本経済の死角、成長の臨界と内容は同じ事が多く、より最新の事象に対して改めて河野龍太郎さんの考えをまとめていく流れだったように思います。 www.youtube.com www.yo…

関東軍とは何だったのか 満洲支配の実像 | 小林英夫 (著) | 2025年書評74

関東軍と聞くとイメージはロシアとの防衛という厳しい環境の中、満州事変を起こし暴走して太平洋戦争へと突っ込むきっかけとなった荒くれ者たちという印象を持っていたのですが、あまり詳しく知らないなと思い関東軍に関わる本を読んでみようということで読…

50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え | たーちゃん (著) | 2025年書評73

タイトルが派手なので一見釣りっぽいタイトルかと思いきや内容は硬派なバリュー投資本でした。著者が本書執筆のきっかけとなった出来事は自身ががんのステージ後半であるということが分かったために、自身も医師であることから長く生きていく事ができないと…

新中国経済大全 資本主義と社会主義を超えて | ジン・クーユー (著), 梶谷懐 (監修, 翻訳), 西川美樹 (翻訳) | 2025年書評72

北京にルーツを持ちニューヨークで育ち、ロンドンにて教授をするKeyu Jinの新中国経済大全を読みました。世の中にある中国関連本はなかなかパランスの良い本が少ないと感じていましたが、本書は最新の情報を含めとてもバランス良く中国の経済情報や文化情報…

WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う | サイモン・シネック (著), 栗木 さつき (翻訳) | 2025年書評71

長年積読になっていたWhyから始めよを読みました。サイモン・シネックといえばTEDで大流行していた印象で1269万回再生を誇るTEDでも有数の最指数の動画です。 www.youtube.com 人々の心を動かす企業や政治家などの個人がいかにWhyから初めており成功をしてい…

世界史を変えた新素材 | 佐藤 健太郎 (著) | 2025年書評70

以前読んだナットとボルトでも同じなのですが、現代の生活に対して素材の発展はとても重要なものでした。華々しいストーリーが目立つ中、縁の下の力持ちのように便利さを与えてくれているものが素材です。素材開発の物語を見ると昔ながらの研究者やセレンデ…

新しい階級社会 最新データが明かす<格差拡大の果て> | 橋本 健二 (著) | 2025年書評69

2022年に行われた「2022年三大都市圏調査」(2022年1〜2月にかけて東京腱から半径60km26000人、名古屋駅から半径40km6218人、大阪駅から半径50km11601人)から結果をまとめ日本の階級社会について説いていく本。 gendai.media 資本階級:250万人3.9% 新中間…

海がきこえる@YEBISU GARDEN CINEMA with UNITED CINEMAS | 望月智充 (監督) | 2025年映像・映画評#8

海がきこえる、が3週間ほど上映されるということでガーデンシネマにて観てきました。すっかりハマって無事小説の方も購入しました。 海がきこえる [DVD] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon 海がきこえる〈新装版〉 (徳間文庫 トクマの特選!) …

東浩紀が参院選の結果を見つつ | ゲンロン | 2025 Youtube review #18

参院選の開票を観ながら東浩紀さんがライブし話している内容がとても興味ぶかく、天才の考える事はすごいと思いながら聞いていました。 www.youtube.com 参政党はゲームチェンジ 参政党には政策が無いし格差も是正しない トランプは貧困層に優しくないのに貧…

ナットとボルト 世界を変えた7つの小さな発明 | ロマ・アグラワル (著), 牧尾 晴喜 (翻訳) | 2025年書評68

前回読んだ、世界を変えた建築構造、ですっかりとファンになったロマアグラワルの本を読みました。何と言っても科学と日常に近い物事をわかりやすく、魅力的に伝えてくれ読み物としても面白いですし科学知識の収集にもとても役立つ本です。彼女の文章から伝…

ものづくりの革新: 英米日の歴史に見る製造現場の管理 | 和田 一夫 (著) | 2025年書評67

ものづくりの生産現場、管理にフォーカスした歴史本であるものづくりの革新を読みました。イギリス、アメリカ、日本のものづくり現場にある管理方法はそれぞれ違うものであったというのを工場や労働者との契約関係、伝票の活用をみていきましょう。 ものづく…

【解説】佃島盆踊りに行ってきた(2025/7) | 2025年訪問記2

先日読んだ本で興味を持った佃島盆踊りに行ってきました。 ohtanao.hatenablog.com 佃島ふたり書房 (講談社文庫) 作者:出久根達郎 講談社 Amazon 佃島 作者:小島 健司,大野 信吾 Amazon 歴史 佃島盆踊りは400年の歴史があると言われており、盆踊り発祥の地と…

資産格差の経済史――持ち家と年金が平等を生んだ | ダニエル・ヴァルデンストロム (原著), 立木勝 (翻訳) | 2025年書評66

ピケティにより、資本所得は労働所得よりも上回っており富める人がますます富めるという認識が共通となりました。富の格差が是正されるのには戦争などの混乱であり、それが起こらない限りは資本所得の力があまりに強力であり続けるため格差は拡がっていくと…