アメリカのNCAAの動画を見るのが趣味なのですが、今回はそのNCAAの決勝トーナメントの選考プロセスについて色々調べて見ました。(大衆の興味関心とても低そうですが)
大学時代ラクロスをやっていた時に日本のラクロスは各リーグで優勝した1、2校が集まり全国トーナメントになるのですが、アメリカはもっと複雑でよく分からずでした。
まずは過去2018年〜2014年までの決勝の動画をどうぞ。
2018年 Duke vs Yale
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2017年 Ohio State vs Maryland
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2016年 North Carolina vs Maryland
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2015年 Denver vs Notre Dame
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NCAAのシステムで恐ろしくよく分からないのが決勝トーナメントにコマを進める16校の選定方法。今回はせっかくなので選考プロセスをしっかり紐解いてみた。
National Participation
There are 70 NCAA member institutions that sponsor Division I Men’s Lacrosse teams and are eligible to compete in the National Championship. All 70 programs support approximately 3,000 Men's Lacrosse student-athletes across the country.
Division1に加盟するチームは70チーム、約3000人に及ぶメンバーで構成される。
Selection Process
The Division I Men’s Lacrosse Committees is charged with selecting the field of teams and assembling the championship bracket. The Division I Committee is comprised of five members, made up of coaches and administrators.
選考過程
Division1選考委員会はチャンピオンシップの組み合わせ(bracket:組み合わせ)を決めることができ、5人のコーチや理事により構成されている。
For the 2018 season there are 9 conferences that are eligible for automatic qualification (AQ) consideration. However, only 8 AQ spots will be awarded in the 16 team championship bracket. The two lowest-ranked automatic qualifying teams as determined by the committee, regardless of conference RPI, will compete in a preliminary round game to determine the final AQ spot. To be considered during the at-large selection process, a team must have an overall won-lost record of .500 or better against Division I opponents. Division I teams must play at least 10 games against Division I opponents.
2018年のシーズンは9のカンファレンス(Conferenceとは日本で言う6大学みたいなもの)が選考対象である。決勝トーナメント16校の枠の中から、8校AQ(自動選出システム)により選出。2位以下のチーム(two lowest-rankedって言うのかな)は予選リーグの結果をもとにRPIにて順位付け。そのベースとして、全体のもしくはDivision1チームとの対戦成績.500以上が必要。また10試合以上Division1のチームとの試合が必要。
DIVISION I SELECTION CRITERIA:
The committee will utilize the following criteria to select and seed teams:
• Strength of schedule index.
• Results of the RPI.
- Record against ranked teams 1-5; 6-10; 11-15; 16-20; 21+
- Average RPI win (average RPI of all wins)
- Average RPI loss (average RPI of all losses)
• Head-to-head competition:
- Results versus common opponents.
- Significant wins and losses (wins against teams ranked higher in the RPI and losses against teams ranked lower in the RPI).
- Locations of contests.
• Input from the regional advisory committee (comprised of lacrosse coashes from all AQ conferences).
Division1選考基準
・日程
・RPIの結果
-ランキング上位チームとの対戦成績(1〜5、6〜10、11〜15、16〜20、21以下)
-平均RPI勝利
-平均RPI敗戦
・直接対決結果
-共通の対戦相手との成績
-重要な勝利、敗戦数(RPI上のより上位のチームとの勝利数、RPI上のより下位チームとの敗戦数)
-地理的な考慮
・各委員会からの情報
どうやらRPI (Rating percentage Index)やSOS(Strength of Schedule)という考え方は全チーム総当たり出来ないケースなどに考慮するために重み付けをして一つの勝ちや負けの価値を重くしたり低くしたりする方法のようです。
http://www.laxbytes.com/binmenstats13/guide.pdf
On Sunday May 5 the Division I Men’s Lacrosse Committee will select and seed the top eight teams for the Division I Championship. The top eight teams will be seeded and separated in the bracket; the remaining eight teams will be placed geographically, without compromising the integrity of the bracket.
トップの8校がシードとしてトーナメントに振り分けられ、各シード校の対戦相手として残りの8校が振り分けられる。トーナメントへの振り分けられ方は地理的な配慮をもとに不利の無いよう実施される。
2018年のケースを振り返ってみる。
RPI30位までのチームはリンクから取得。
まず明確なのは各カンファレンスの優勝校はトーナメントに進んでいる。なので、わかりやすくするためにはカンファレンスリーグで優勝すれば良い。
各カンファレンスで2位以下のチームについてはRPIにて評価される。ここにおいて重要なのがカンファレンス外のチームとの対戦成績なのだが、対戦相手がどこになるのかというのがとても重要になってくる。今回調べた限りではどう予選期間の試合日程や対戦相手が決まるかはよく分からなかった。
チャンピオンシップトーナメントでセミファイナルまでコマを進めたのはRPI1、2、5、6位のMaryland、Albany、Duke、Yale。ACCカンファレンスのセミファイナルでNotre Dameに破れたDukeが勝ち進む形になっている。ACCカンファレンスにはかなりの強豪が固まっているがその中で圧倒的な決勝スコアで優勝したNotre Dameはノックアウトステージである決勝トーナメントの初戦で負けてしまっているのは少し哀しい結果に見える。カンファレンスで好成績を収めても決勝トーナメントにて組み合わせが悪いと初戦で姿を消してしまうあたりは決勝トーナメントの組み合わせの重要性の高さが伺える。RPIの下位2〜3チームとその他の差はかなりありそうであり、RPIで上位3チームに入っておく事がかなり重要そうに思う。そうすると、また話が戻るが予選リーグでのカンファレンス外での試合日程がとても大事そう。
ラクロスは戦術面や相性の問題がかなり顕著に出るので、もちろんベースの強さというファクターは大事なのですが、組み合わせの運というのが大事そうな気がしました。波に乗っている時にうまく噛み合って強豪にも勝てるケースがあるのがラクロスというスポーツの面白い所で、ある程度選手層が厚ければ戦術面がとても大事です。
Devision1という組織はアスリートを育成する環境があるかどうかという面で条件を満たしている大学が所属できるようです。チームスポーツ9種、個人スポーツ7種が対象のスポーツのようで、スポンサーなども付いているようですのでもはやプロと言っても良いレベルに感じます。しかし、学業成績などが悪いと参加出来ないようなので、勉強もしっかり頑張る必要がありそうです。こう考えると留学生のNCAA参加は英語での教育という面でハードル高そうです。八村塁選手などはとてもすごいように思います。
誰が見るねん。というような纏めになりましたが、長年よく分からなかったシステムが少し理解できてすっきりしました。
どうやらチャンピオンシップの日程は5月25-27日にフィラデルフィアであると決まっており、3試合(セミファイナル2試合、決勝1試合)分で120ドルなので意外と高く無い気がします。ぜひ一回は行ってみたいなあ。
参考サイト:
NCAA Division I Men's Lacrosse Championship - Wikipedia