ライフイズビューティフル

訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

Youtube review | アゲアゲ将棋実況[プロ棋士] |あきれるほど将棋の強いアゲアゲさんの将棋理論

今年、史上4人目の棋士編入試験合格を果たしたアゲアゲさんこと折田さん。

将棋実況系Youtube界ではかなりの盛り上がりを見せています。というのも、折田さんはアゲアゲ将棋実況というチャンネルの持ち主であるYoutuberであり、そのあきれるほど強い指し手から多くのファンが居るからです。

将棋界といえば藤井くんの活躍や3月のライオンなど、羽生さんが活躍していた時依頼の大きな盛り上がりを見せているように思います。

棋士になるというのはかなり選ばれし者たちなのです。というのも将棋プロ棋士になるためには年齢制限があります。25歳の時に奨励会と呼ばれる、プロ棋士予備軍たちが集う会で好成績を上げ昇格しなければいけません。

先程書いた藤井くんは13歳の時に奨励会3段リーグに入り、1年目で好成績を残しノンストップでプロになれましたが、猛者どもが集う場所なので天才出ない限りすんなり行くことは無いのが実情です。(すんなり行かないとプロで活躍できないというのは辛い現実ですが…)

という事で、この年齢制限の壁で大きなふるい分けがあります。その年齢までにプロになれない棋士たちは将棋をアマとして指していく人生しか実質ないわけです。

news.yahoo.co.jp

www.shogi.or.jp

news.yahoo.co.jp

アゲアゲさんの記念すべき一回目の投稿。今とスタイルが全く異なる笑

youtu.be

 

アゲアゲさんは奨励会の年齢制限の後にYoutube活動を開始。あきれるほど強い将棋と言われるように、多彩な序盤の運び、中盤の創造力豊かな積極的なコマ交換、そして誰もが驚く高速の寄せで多くのファンを魅了します。なんと言ってもコメントも面白いですし、将棋に集中している姿勢も他の実況者と異なる点です。

実況者同士の大会などには目もくれず、ひたすらに対局を行う活動は、ただ楽しく将棋をしていくという他の実況者のスタイルとまた異なり、物事を極めるというような印象でした。

そんな折田さんが「将棋は簡単に強くなれます」という少し釣りっぽいですが、プロになれるほど急に強くなれた理由について語っている動画を最近投稿しました。

そちらがどんな物事の上達にも通じるものがあると思い、少し内容を文字にしました。

www.youtube.com

  • 奨励会3段ぐらいになってくるとどうやったら強くなるのか分からなかった。
  • やらないとすぐに弱くなる。
  • 冴えてる時はあっても2,3日で終わってしまって、冴えてる時に戻ろうと思っても中々戻れなかった。
  • 成果が出ないと(将棋)盤に向かうのが大変だった
  • 何で自分が強くなれたかと言うと将棋ソフトができたから。
  • ソフトを用いて正しいやり方をやれば将棋って意外と簡単に強くなれるんやって思った
  • 人間より強い手を教えてくれるソフトに近づけば強くなれるという、将棋における良し悪しの手を真似すれば良くなった。
  • 昔は脳が強い人が強かったが、羽生世代から研究の比重が増えて重要性が増してきた。
  • それまでは中終盤の勝負が多く力が強い人が勝っていた。
  • 今では脳が強い人というより研究の精度が高い人が勝ちやすくなってきた。
  • 詰将棋を解くのが早かった(終盤が強い)のだが、ソフト研究により序盤が強くなり総合力が上がって強くなった。
  • 簡単に強くなれる時代になった。
  • ある程度のレベルまで行くと簡単に強くなれないと思ってしまったり、年を言い訳にしてしまいがちだが、実際は正しくやれば結構簡単に強くなれると思う。そこは一つのイノベーションだと思う。
  • そういう発送に至るまでは必死に勉強してほんのちょっと強くなり、少しサボれば弱くなる感覚であった。
  • 年齢で衰えるから仕方がないというのはしょうが無いかもしれないが、年齢のせいにして逃げてしまうのは気をつけていかなければいけないのかなと思う。

将棋ソフトが出る前は努力しても強くなれている実感が殆どなかったようで、そうるすとモチベーション維持が大変で将棋をやらないと一瞬で弱くなる。

将棋ソフトの台頭により、正解が分かるようになり、それに近い指し方を覚えていくという、「正しい方法」をしたら驚くほど簡単に強くなったようです。

今までは脳が強い人、つまりは直感力が強い終盤に強い人の競技だった所、それを将棋ソフトを使った研究という努力で補えるという将棋界における努力のルールが変わった時代です。

 

折田さんのすごい所は差し回しがかなり多彩です。将棋をしたことがある人なら分かると思いますが、得意な戦型が誰にでもあります。しかし、じゃんけんのように得意な戦型が相手と相性が悪い場合・先手後手の影響でできない場合などがあります。

そうすると、得意でない指し方の時にマイナスを積み重ねないようにしなければいけません。その点オンライン将棋では練習の場になりますし、ソフト研究すれば振り返ることもできます。

ポナンザの開発者、山本一成さんの著者などを読むと、ここ数年の機械学習・深層学習・強化学習の使い方の工夫で驚くほど将棋ソフトが強くなったことがわかります。

data.wingarc.com

最近の将棋ソフトでは評価値が出るため一手ごとに良し悪しが分かるのでとても、人間が正解に気が付きやすくなりました。

将棋ソフトに関しては将棋実況者のクロノさんが詳しい話を投稿しています。

www.youtube.com

記憶が正しければ、評価値を決める要素は「コマ効率」「コマの損得」「速さ」だった記憶があるのでしたが、どうでしたでしょうか。。

qiita.com

 

話はそれましたが、折田さんが強調していたのは、「正しいやり方」さえ見つければ驚くほど簡単に強くなれること。

そのためには時代が変わった(将棋ソフトが発展した)というのが大きな要素の一つです。そう考えると、物事の習得を諦めることという場面は減ってくるのかもしれません。

いわゆるセンスの理がこれからの世界はどんどん減ってくると思います。「正しいやり方」を見つけるための記録の付け方、データの調理の仕方、無限の計算試行回数があるからです。

ohtanao.hatenablog.com

そうなれば努力すればするほど強くなれる世界です。

ただ、将棋ソフトという「正しいやり方」を用いても折田さんのようにプロになるほど強くなれるケースとそうでないケースに差はあるのでそこは取り組み努力の差なのでしょう。

正しい努力をすればセンスの理を埋める事ができる、というのはとても希望のある現実だと思います。努力が実る世界では努力したものが結果に繋がりやすいでしょう。

まだまだ、このような「正しいやり方」にアクセスできる人類の経済水準はばらつきがあると思います。しかし、グローバル化により世界はフラット化し、経済水準の差は情報のグローバル化民主化でなくなりつつあります。

 

こういった時代に居ること、日本という比較的豊かな経済水準下で生活できることに感謝し、どんな物事においても「正しいやり方」を考えながら物事上達できるようになりたいですね。

3手詰ハンドブック

3手詰ハンドブック

  • 作者:浦野 真彦
  • 発売日: 2011/09/01
  • メディア: 単行本