「コーヒーが美味しい」って聞くたびに分かったような分かっていないような気分になっていました。
コーヒーを飲むとたまに、コーヒー豆ってどうやってできるんだっけ、と思っていました。
高いコーヒーを飲むたびに、なんで高いんだっけ、と疑問に感じていました。
まえがき
世の中、分かったような分かっていないような価値観って山程あると思います。
「アートが好き」ってアートの歴史が詳しいことなのか?「空気が美味しい」って普段まずいと感じてるのか?「運気がある」って言われて悪いことは起きにくいのか?
テクノロジーはこういったある種「なんとなく」感じていることを頑張って紐解いて因果関係を探していくものだと思います。
残念ながら、コーヒー含め味覚の紐解きはまだまだ先ではありそうです。
でも、「コーヒーの美味しさ」やコーヒーのことを一生懸命勉強し僕たちに伝えてくれようとしている人が居ます。
きっかけはYoutubeの動画
LIGHT UP COFFEEは吉祥寺と京都にお店を構えます。
Youtubeで様々な動画を見ていると気になるサムネイルを見つけます。
「1杯のコーヒーができるまで」
気になってすぐに見てみると、農園の人たちがどうやって栽培し加工しコーヒー豆と呼ばれる状態まで仕上がって運ばれているか、とても丁寧に紹介されていました。
エチオピアの動画だけなのかと思いきや、数々のコーヒー農園のストーリーをまとめています。
台湾のコーヒー農園
ミャンマーのコーヒー農園
スマトラのコーヒー農園
コーヒーって知れば知るほどめんどくさい農作物だなあと思います。
発酵させたり、水洗いしたり、乾燥させたり、脱穀させたり、大きさを分けたり、ハンドピックをしたり、こんなに手間がかかるのだなあと。
どんな食べ物(食べ物だけに限らないのですが)もしっかり感謝して無駄なく食べたいものだなあと実感できるのは、こういったストーリーを知れるからだと感じます。
おいしいコーヒー
コーヒーのストーリーだけでなく、もちろんおいしい淹れ方も教えてくれています。
コーヒーを淹れるというのは豆からお湯を通じて味の成分を抽出するものです。
雑なイメージは下のイラストのようなもので、豆の中にある味をお湯が中に浸透して味と一緒に外に流れ出てきます。
わかりやすい所の味の変数でいくと、①濃い(味が出ている)↔②薄い(味が出ていない)になります。
①濃くするため(味を出すため)
蒸らし時間を設ける:注ぐ時に粉の真までお湯が浸透しやすくなる(*粉がお湯に触れてから劣化が始まるので長すぎる蒸らし時間もマイナス要素)
蒸らし時に粉全体に蒸らす:粉の間に空気が残らないようにし、お湯を注いだ時に気泡が残っていない状態にする
粉とお湯の接触時間を長くする:お湯が落ちにくいドリッパーの使用
細かく粉をひく:粉とお湯の接触面積を増やすため。また細かい粉だとお湯が落ちにくいので濃くなりやすい
高い温度のお湯:熱が高いと成分は出やすいため
②薄くするため(味をでなくするため)
粉とお湯の接触時間を短くする
粗く粉をひく
川野さんの方程式ですと、粉の16倍のお湯を2分で抽出。
淹れたい量とコーヒー豆の量の早見表はこちらになります。
いつも500mlのボトルに入れていたのですが、豆を30g基準に淹れておりたまたま一緒だったのを見て少し感動しました。
コーヒーの粉から味を最大限抽出しようと思うと、粉を細かく挽けば挽くほど良いのですが、そうすると、今度はお湯が落ちにくくなり2分で注ぎきれなくなってしまいます。
粉はお湯と接してから劣化が始まるのであまり時間をかけて抽出はしない方が良さそうですね。
川野さんの素晴らしいなと思う点は、極力シンプルに、でも論理はしっかりとしている点です。お湯の温度はぶれるのであまり気にしても仕方がない。自分と美味しいと思う豆を楽しむのが良い。その中で味を少し変えたい場合に挽目を変えて調整すれば良い、というような感じ。
コーヒーの商流について
感動的にわかりやすかったのが、上のnote。
コーヒーの豆のお金配分について教えてくれています。
最終形態のお湯に薄まったものがとても高くなります。
日本で、一般的な消費者が安くすませたい場合には、できるだけ上流工程にて手に入れるのが良いので生豆を入手するのが良さそうですね。
人件費の安い海外などのコネクションがあれば、焙煎をやってもらえる所から直接買うのが良いかもしれませんが、ハードルが高い部分があるかもしれません。
スペシャルティコーヒーとは
コーヒーはその地域で農協のような所に豆をあつめて工程を進みます。そうすると複数の農園の豆が混ざります。その配分は収穫時期や工程のスピードによってまちまちになってしまうため、単一の農園の味にならなくなるそうです。
一方、シングルオリジンと呼ばれるものは単一の農園のものです。
そうすると、農園の努力をストレートに繁栄した商品になり、味に磨きがかかるとその価値が高めることもできるため農園としてもモチベーションが保ちやすい構造になります。
小規模な農園が設けを出すためには、より味の良いものを作る必要があるため、農園としてもシングルオリジンを提供するのが最も良いです。(安定性を求めるとまた異なるかもしれませんが)
スペシャルティコーヒーは農園でも最も良いチェリーが分配されるために希少性として値段が高くなり、味も良くなります。
楽しむのがいちばん
川野さんは何回も「楽しむのが一番」と言います。
小難しく味について語らなくても良い、そんなに高いものばかり選ばなくて良い、楽しく飲めるのが一番。その中で味に工夫をしたい場合に自分で淹れ方を調整できたら良いと。
世の中、魂をもった仕事をしている人って意外と多くないと思います。
誰でも接する事ができるコーヒーに対して、川野さんのように情熱を持って、コーヒーのことを伝えながら味も楽しんでもらう、という姿勢は本当に尊敬できます。
早いうちにLIGHT UP COFFEEに行ってコーヒーを楽しみたいです。