経済産業省お墨付きのDX(デジタルトランスフォーメーション)は最近のバズワードです。
政府からの発表もあり、多くの人の注目を集めている一方、実態として中国のDX化に比べると足元にも及ばない気がします。そもそもDXというワードよりも、中国の事例でよく聞くのはOMOなどより具体的な話に近しいですし、日本でDXというとIT化とオーバーラップするレベルの話題が多いように思います。
中国では、顔認証のゲートが地下鉄や鉄道に当たり前にあり、物理カード要らずのQRコードですべての支払が済み、レストランでは机にあるQRコードを読み取りスマートフォンでメニューを見て注文し料理が来る前に会計を済ませる。
そんな世界が当たり前にある中で、電車の改札は未だICカードのみで、レストランでは紙のメニューを開き会計時にはレジに行き支払い、というアナログの国が世界で大半です。
DX化という指標で行くと、詳しい事情はわかりませんが街なかで生活することに関しては上海の5〜10年前と今の東京が同じぐらいのレベルなように思います。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DXとはDigital Transformationの略でスウェーデンのウメオ大学のエリックストルターマン教授が提唱し始めたと言われています。
データやデジタル技術を活用することで、業務そのものや、組織、風呂セス、企業文化、風土までも改革することを定義していると書かれています。
この本でよく出てくるのですが、デジタルディスラプション(破壊的な企業)を起こすようなものがDX化に伴いより多く出てくるといいます。
DXはわかった、じゃあ具体的にどうするのか
で、この本のターゲットはおそらくDXという言葉は聞いたことがあるけれども、DXって何?という人たちのように思います。
というのも、アフターデジタルや14億人のデジタルエコノミーのような具体的な例がアマゾンやネットフリックスぐらいしか無く、DXしている領域なものの有名なごく僅かな事例の社名ぐらいしか挙げられていません。
それってどうなの?というような内容であることは正直な感想でしたが、ある種それが今の日本のITリテラシー標準なのかなと感じるところでもあります。
さいごに・どういった人におすすめか
DXという言葉を耳にし、興味があるけど何か分からない、という層に良い内容なのかなと思います。イラストを大いに活用してあり、なんとなくわかった気になれるようなイメージです。
企業の偉い人がこういった本を読み、ゆるふわとDX化なんて言うのかななど想像ができる内容であったのは少し残念ではありました。
著者の方の連載が下記にあるので気になる方は下記のzdnetの記事を少し見てから本を読むか決めてみても良いのではないでしょうか。
株価を上げるために事業内容にDXやSaaSと書いてしまう企業が多く見られる現状を考えると、日本のDX推進はかなり暗いものになっているような気がしますし、結局はDXコンサルなんてものが乱立しては資金を吸い取って大きなDX化が起こらなかったなんてことも予期できそうです。