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東海道中膝栗毛―マンガ日本の古典〈29〉 | 土田 よしこ (著) | 2022年書評#4

年末年始ムードも終盤に差し掛かり仕事も本格的に始まってきている方も多いのではないでしょうか。

今回は帰省のタイミングで昔の宿場街を見てきて実家にたまたまあった江戸時代の旅行記東海道中膝栗毛をマンガで読んでみました。

 

📒 Impression and Review | 感想

実家への規制のタイミングで置いてあったマンガ日本の古典シリーズの東海道中膝栗毛を読みました。

名前は聞いたことあったものの内容は何も知らなかった物語で、江戸時代の旅について面白おかしくマンガにしており興味深く読むことができました。

原文も読んでみたくなりましたし、他の古典もこのマンガシリーズで読むのも取っ掛かりとしては入りやすくまた読んでみたいですね。

お伊勢さんの存在を作り上げたのは御師と呼ばれる現代のインフルエンサーたちの努力で作り出されたものであったことや、タダ飯を食べるために他の旅行客の集団に紛れ込んだり、酒や女遊び興じたりと時代やツールは変われど現代とやっていることは変わらないように見えるのも改めて気がついた面白い点でした。

📒 Summary + Notes | まとめノート

昔から男は酒と女に溺れる

話は弥次さん喜多さんという江戸で借金をしては踏み倒している男たちが伊勢神宮まで向かう道中の物語です。

当時の宿場街では、留め女と呼ばれる客引きが旅人を捕まえて旅籠へ宿泊してもらうという流れが多かったようです。飯盛女として旅人の雑用係をしていた女性たちは旅人の世話をすると共に、夜の相手をするということも多くあったようです。

本書では、宿場に泊まるたびに若い女性を見つけては覗き見したりセクハラをしたりの繰り返し。どの時代もやることは変わらないのだなという感じですね。

馬と船と籠で体力温存

現代とはもちろん異なり、江戸時代の旅は基本的に徒歩移動です。当時の旅行で荷物やお金の保管などどうやっていたのか気になりますが、宿泊代や生活道具をすべて持ち徒歩での移動は大変のものがあったでしょう。

その中体力温存のために馬に乗ったり、船を使ったり、籠での移動などは旅人にとって大事な体力温存の手段であるとともに、大切な商売だったと言います。

橋など少ないですし、天候によって左右されるような船の移動は当時とても重要だったようで、川の前にある宿場町は大きな拠点となっていたとようです。

文化の交流点

四日市の宿場街や津の宿場街では、京都や大阪へ向かう人々の分かれ道となっていたため様々な人が集まり、文化の交流点であったようです。

江戸者は〜、京都の人は〜と言ったような文句での会話などもあったようで、江戸時代なんて今の時代のようにそこまで人が自由に短時間で移動していなかった事を考えると、旅中の聞く話は刺激的だったように思います。

伊勢神宮の存在を流行らせたのは御師と呼ばれる、たまたま世界ふしぎ発見!でやっていたのですが、当時の旅行代理店のような人たちであり、自前の宿を伊勢神宮の近くに持ち旅人を迎えてはおもてなしをしていたそうです。また御師たちは全国津々浦々へ伊勢神宮の宣伝をしに旅に行き、お祓いをした札を各地域の人に配っていたそうです。世界ふしぎ発見!で言われたいたのはこのお祓いをした札は伊勢神宮とは無関係であり、各御師が判子で大量生産しそれを箱に入れて配りに言っていたそうで、後に「お払い箱」という言葉はお祓いした札が入っている箱が必要になくなったものが語源だそうです。

昔の旅

借金を踏み倒したり、宿場町で女遊びやお酒に溺れるというのはどこか時代が変わっても変わらない文化なのだなあと思いました。また、弥次さんはホラをふき、有名歌人の歌を自分で歌ってはなりすましたり、値引き交渉を毎回し、船の移動ではおもらしをしてしまう。夜には酒盛女の部屋へ忍び込んでは気が付かれて自室へ逃げ込んだもののふんどしを忘れて見つかってしまうなど、数々の所業はだめ男そのものだったようです。

そんな人のおもしろ旅行記という事が書き記され後世に語り継がれているなんて、記録に残しておくことの価値はとてつもなく高かったのだろうなと想像しますね。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://x-polarstar.com/2018/01/12/naka-misc5/ 江戸の旅 旅籠と飯盛女の相場はいくら?
  2. https://www.youtube.com/watch?v=QhcltC_OjEE 十返舎一九東海道中膝栗毛 小田原の宿 」(ラジオドラマ)
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/御師