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9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために | 伊藤 穰一 (著), ジェフ・ ハウ (著), 山形 浩生 (翻訳) | 2022年書評#24

過去に読んだ本ですが読み直しにつきまとめました。

📒 Summary + Notes | まとめノート

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Joiこと伊藤穰一さんの著書になります。スキャンダルはあったもののMITメディアラボの所長をつとめ最近ではYoutubeも再スタートしてとてもおもしろいです。

2017年に発行された本書ですが、当時読んでとても共感を受けた本です。

本書の英語タイトルはWhiplash、鞭打ちを意味する英語です。このすべてのしピードが加速していく時代にどう生き延びていくのかについて書かれています。非対称性、複雑性、不確実性が増すこの世界の中で今まで正解とされていた価値観から、正解が目まぐるしく変わる世界でどう生きていけばいいのでしょうか。

9プリンシパル

  1. 権威より創発
  2. プッシュよりプル
  3. 地図よりコンパス
  4. 安全よりリスク
  5. 従うより不服従
  6. 理論より実践
  7. 能力より多様性
  8. 強さより回復力
  9. モノよりシステム

権威より創発について生物学の世界を例に語られており、「生物学は民主的であるべき」という根本的な信念があるようで、新しくわかったことを受け入れながら前に進む権威主義から離れた世界のようです。生物学の研究はゲノム解析などコンピューティングにより多く発展を続けている分野である一方で、多様な考え方を受け入れながら創発される文化のようです。

プッシュよりプルについて、東日本大震災時のガイガーカウンターのアクティビティが描かれています。外発的動機づけよりも内発的動機づけで多くの人が動いた人たちが多くの影響をもたらしました。ビットコインも似たような側面がありました。

地図よりコンパスとは、地図は詳細な情報がとても整理されている一方でコンパスは非常に柔軟な使われ方をします。コンパスの利用者は創造性を自主性を持って活用しなければいけません。ゴールまで最短距離で行けることなんて無い研究や仕事の道筋の中でその時その時の最適解を見つけていくような判断と勇気がとても大切ですよね。

安全よりリスクについては、様々な起業家のストーリーについて書かれており文字通りリスクを取ることの重要性が描かれています。印象的なのは追記部分にある「安く買って高く売る」という話です。投資で設けるためには安く売って高く売る、リスクの無い投資なんて無いことを理解した上でその確率がどの程度か評価することに注力するのだと。

プロジェクトが順風満帆のときに乗り込んでそれが悲惨な状態になるまで居座る人々はまさしく「高値で買って安く売っている」し、絶好期の学問分野に飛び込む人も同じである。

ベンチャー投資から学んださらなる教訓はイノベーションの費用が安くなったら、勝ちを増幅することに比べて、損失を減らそうとするするのは重要性が低くなるといいます。イノベーションの費用が安くなった昨今では資金が希少で立ち上げが難しかった頃(お金の重要性が高かったころ)と比べて優秀なチームを持つ起業家が育ちやすくなっているそうです。

その他の項目もとてもおもしろかったですが、全て沿って書いていくと冗長になりそうなのでこのあたりで引き留めようと思います。

訳者あとがき

この本を訳した山形さんのあとがきがとても面白かったのも印象的でした。

「翻訳にあたってはほとんど苦労はなかった。」とのコメントしているのも印象的です。

訳者がまとめたポイントは

  • 自然発生的な動きを大切にしよう
  • 自主性と柔軟性に任せてみよう
  • 先のことはわからないから、おおざっぱな方向性で動こう
  • ルールは変わるものだから、過度にしばられないようにしよう
  • うしろ敢えてルールから外れてみることも重要
  • あれこれ考えるより、まずやってみよう
  • ピンポイントで総力戦やっても外れるから、取り組みメンバーも多様性をもたせよう
  • ガチガチに防御をかためるより回復力を重視しよう
  • 単純な誠品よりはもっと広い社会的な影響を考えよう

変に計画的になるよりも質の高いいきあたりばったりをこの世界で楽しんでいこうというとてもおもしろい本でした。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://amzn.to/3wzVGwT 「PULL」の哲学 時代はプッシュからプルへ―成功のカギは「引く力」にある 単行本(ソフトカバー) – 2011/5/18 ジョン・ヘーゲル3世 (著), ジョン・シーリー・ブラウン (著), ラング・デイヴソン (著), 桜田 直美 (翻訳)