日本株の売買の多くを占めるのは外国人投資家ですが、外国人投資家の動きを理解しての取引はなかなかできないものだと思います。
本書はその中でも外国人投資家と直接やりとりをしている菊地さんがまとめる外国人投資家が何に気にして売買をしているかについてまとめられた本になります。
ROEの大切さや、時価総額、オーナー企業であることなど、株式優等生である外国人投資家たちの動向を知るためにとても良い本であったように思います。
株式分布状況調査
1年に1度ではありますが、外国人投資家が保有する保有比率を見ることができます。
外国法人などが保有する銘柄を見ると、人気の変動が見て取れます。本書を見る限り特徴として時価総額が大きい会社が人気であり、マイナス金利の影響で経営が厳しいメガバンクなどは関心が低いようです。
MSCI指標
GPIF
日本株を運用している外国人投資家は運用資産150兆円、日本株を約40兆円持つGPIFの動向を注視しているようです。(2022/10現在は190兆円の運用)
GPIFが注目しているESG指数などは特に注目されており、その中にはMSCIセレクトリーダーズなどがあります。
ROE指標
外国人投資家からするとROE10%未満の会社は株主価値を軽視しているとされ投資対象外とされます。ROEが上昇傾向にあり、時価総額が大きく、英語情報を開示しているような企業でないと投資の対象とされないようです。
株たんなどでもROE検索できるようになっています。
強い季節的なアノマリー
外国人投資家の日本株売買には強い季節性があり、4月に買い越す傾向があり、8〜9月に売り越しであることが多くなっております。
色々なところで東証のデータをもとに外国人投資家の動向をまとめたレポートもあるのですが、確かに4月は異様に買い越しが多い月になります。10〜12月も買い越しが多いですね。
海外投資家が2020年3月以来の大幅売り越し~2022年9月投資部門別売買動向~
サイト
- ゼロヘッジ
- ファイナンシャルポインター
紹介されていたサイトの一つファイナンシャルポインターは現在休止されておりました
https://www.financialpointer.com/jp/
- Face to Face by Financial Times
- 大量所有報告書速報
大量保有報告書速報 :企業業績・財務 :マーケット :日経電子版
- ファンドのランキングなど
Top 100 Largest Fund Manager Rankings by Managed AUM
外国人投資家が注意する経済指標
日本は製造業が多いために景気循環の観点からは、世界景気が良くなる見通しが出ると日本株を買う傾向にあるようです。
- 米国のISM製造業指数
- OECD景気先行指数
- 米国の10年国債利回り
- 消費者物価
- 鉄鋼業生産と在庫サイクルhttps://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html
- 中国のPMI指数
- コマツの建機稼働時間 https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/demand-orders
注目関連株
- 労働市場関連株
- 防衛関連株
- インバウンド
Jフロントリテイリング、資生堂、コーセー、パンパシ、マツモトキヨシ、コメ兵、ロイヤルホールディングス、ANA
- 金融・不動産関連
三菱UFJ、GMOペイメント、マネーフォワード、FRONTEO、ジグソー、ホットリンク、キーエンス、三菱電機、パーク24、
- ロボティクス
東京エレクトロン、日立製作所、ファナック、安川電機、ダイフク
外国人投資家の動向で儲けるために
- 日本株売買の季節性を活かして売買する
- 大量保有報告書を見て買う
- オーナー系企業へ長期投資をする
- 日本経経済全体を悲観した時の逆張り
- 構造的な投資テーマで買う
- 時価総額が大きくなりそうな企業を買う
- 身近な投資アイデアで売買する
📚 Relating Books | 関連本・Web
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