マーケティングやセールスレターで有名なダン・ケネディの新し目の本であるマグネティックマーケティングを読んでみました。日本語だと高値で二次流通市場に流れているので気になっていました。英書ですとKindle含め通常価格ですし、Youtube情報なども多くあるので英語に抵抗ない人は英語の勉強がてらに読むにも良いボリュームでした。内容としては比較的一般的にあるマーケティング本に近しく、マーケティングがうまくいくための考え方や効果的にするための考え方などが多く、具体的な事例や方策という感じではなかったように思います。
本書を読んでいて思ったのは、日頃の仕事の現場でも活用できることが多く、
📒 Summary + Notes | まとめノート
マーケティングは何故うまくいかないのか?
昔はセールスレターや広告などがマーケティングの主流ですが時代の変化とともにオンラインでのマーケティング手法も増えてきました。どの時代にも変わらないポイントを見てみると、マーケティングがうまくいかない理由は主に9つあると言います。
- 相手が間違っている
- 伝える内容が間違っている
- 相手に頼む内容が間違っている
- 幅広く宣伝しようとする
- マーケティングのシステムがない(評価機能がない)
- 顧客を追いかけ回す
- 高額の宣伝費を費やす
- 安売りをする
- フォローアップがない
根底にある思想はタイトルの通りマグネティックマーケティング、つまり顧客の方から惹きつけられるようなマーケティングをする必要があります。顧客を追いかけ回すような方法は避けるべきです。
マーケティングの真の姿
マーケティングの良い例として挙げられているケースがとてもわかりやすくありました。
- 求められているかどうかにかかわらず、正しいことをする
- 顧客を知る
- オファーを盛り込む
- 信頼関係を築く
- 独自の販売提案を示す
- 紹介システムを作る
マーケティングでは無いのですが、仕事の現場でも似たようなことが言えて、お客さん(上司、部下)が何を必要なのか知る→信頼できる調査や提案、レポートをする→その内容が伝搬して伝わったときにも良い内容である、というように割とあらゆる仕事に適応できるように思います。
もちろん、そこまで練り込む必要がある時・ない時はあるので毎回時間を費やす必要は無いと思いますが、比較的繰り返されるケースや幅広く使えることに対して考えるいいフレームワークに感じました。
マグネティックマーケティングの構築
マグネティックマーケティングの重要な構成要素は3つあります。
- メッセージ:説得力があり、抗えないようなメッセージであること
- マーケット:収益性が高く、反応が得やすい層を対象としていること
- 媒体:メッセージを対象のマーケットに届ける際に最適な媒体であること
メッセージにはオファーを盛り込みオファーの枠組みを意識します。
- 見込み客を獲得するオファー
- 会って話をするオファー
- 直接販売のオファー、最終オファー
それぞれのオファーフェーズでのメッセージは異なり、まずは心に留まるようなメッセージで会うことに繋がるオファーが入り口になります。会った後に顧客の要望を確認する中でクロージングのオファーを用意するようにします。
マグネティックマーケティングの原則
- 必ず1つ以上のオファーを盛り込む
- 今すぐ反応すべき理由を盛り込む
- 手順を明確に指示する
- 追跡・計測して、その結果に責任をもつ
- ブランド構築は費用がかからないものだけ
- 必ずフォローアップする
- 強力な宣伝文句を盛り込む
- 通信販売の広告を参考にする
- 結果が最優先
- 結果に基づき成果の無いものはカットする
これらのトリックはYoutubeでのアフィリエイトなどでも見られるように思います。概要欄のリンクから登録すると○%OFFで、最初の○人に適用。登録方法を紹介して、紹介から加入した人数を計測する。何でもマーケティングに結びつけてみると、世の中そのような仕組みになっている物事が多くあるように感じました。
逆に言うと、オファーがあった時に思いとどまること、会ったその場での契約にはすぐに同意しないようにするなどすれば、不本意な契約なども減らせるように思います。
顧客化システム
顧客を引きつけるシステムのキーポイントとしては
- 他と差別化する
- 宣伝活動を繰り返す
- 信頼を得るための情報を送る
- 衝撃で圧倒する
これらは主に最初のオファーの段階で気をつけることです。
顧客維持システム
顧客維持のためにはニュースレターと紹介の導線があります。ニュースレターには独自性や遊び心のある内容を入れて読まれる工夫を盛り込むこと、紹介にはや口コミには良い噂が回るように意識しましょう。
感想
マーケティングとは関わりのない仕事をしているのですが、自身が見込み顧客として考えると、世の中にある自分に届く情報はかなりマーケティングの要素が詰め込まれて届く情報であるものだなと感じました。
Googleマップで開くと目立つように出てくるお店が何故か自分が好きなジャンルの店が多かったり、Youtubeに流れてくる広告が自分の地域であったり、時折届くメールにはセール情報があり「あなただけ限定」との文字があったり。
ネガティブな側面を考えると、自分が触れる情報が汚染されているという考え方もできると思いますし、ポジティブな側面を考えると、より趣向や必要性に応じたものが届いているとも言えます。
そう考えると、自身の消費行動を振り返り、マーケティングにハマった消費と自分の意思として消費した物事を振り分け、何がストレスである消費か、効用があったか、他の物事の方が良かったか、などを見直し、自身から遠ざけるべきものがあれば遠ざけ、満足度の高い消費をするというのも良い気がしました。