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感覚過敏は治りますか? | 栗本啓司 (著) | 2023年書評#35

以前読んだ静かな人の戦略書にて内向型人間やHSPについて知りました。今回はHSPなどとは少し違うのですが感覚過敏について書かれた本を読みました。読むまで感覚過敏が何かということについても知らなかったですし、感覚過敏であればどうすれば良いのかなども分からなかったため、こういった本からどういった現象なのか知るとても良い機会になりました。

ohtanao.hatenablog.com

 

📒 Summary + Notes | まとめノート

感覚過敏とは?

感覚過敏とは文字通りではありますが、感覚器官(聴覚、視覚、触覚など)が過敏であり、例えば音に対して怖がるや、匂いに対して気分が悪くなるなどが挙げられるようです。

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子供の時は感覚過敏により周りの子と比べると発達が遅く感じられてしまったりするなどの弊害もあります。本書ではこの感覚過敏に対して認識を広めその遅れやヌケは取り戻せて、なおかつ芋づる式に改善していくものであるという紹介があり、そのような理解が広まることで心身的にリラックスできる方が増えればという狙いもあるようでした。

社会が変わるのを待っているよりこの世界に生きるのがラクな身体になった方がいいだろう

鍛えるのではなく弛める方向で身体を整えていくという発想をしてみよう

理論編

感覚過敏に関わる理論について様々紹介されており、感覚過敏でない方に対してもリラックスの方法として参考になる考え方が多くありました。

感覚は育てるもの:感覚というものは慣れさせるよりも育てるという考えが良く、刺激の中でも心地の良いものから味わい受け入れられる感覚をつけると良いでしょう。例えば、音に敏感であるのならば耳あてをしたりヘッドフォンで音楽を聞きながら街なかを歩くなどです。心地よい刺激と身体の調子をみながら実行します。

感覚過敏を治す5つの芋づるの端っこ:

  1. 感覚器官の発達援助
  2. エネルギー配分への目配り
  3. 皮膚・泌尿器の状態への目配り
  4. 胸の状態への目配り
  5. 思い込みからの脱出

面白かったところに、エネルギー配分の点では、きちんと疲れることで感覚刺激の受け止め方が上手になっていくことがあるようで、どこかの感覚に刺激過多になっているとバランスを崩しやすいようです。例えば汗をかく機会が少なかったり、モニターを眺める作業が多く視覚刺激ばかり疲れる状態などがバランスが悪い疲れ方です。

楽しい時間を増やす:

楽しい時間や集中する時間を増やすことで感覚過敏でない状態が長くなります。集中している時などに音に鈍くなったりするものです。

また、水収支という考え方も面白く、肌が感想したり敏感になるのには水を飲むバランスと水分を出すバランスが整っていないケースなどがあります。汗をしっかりとかくことも水収支の一つの側面で汗を出せないと水分を腎臓で処理しないといけないため負担がかかります。

実践編

感覚を育てる時の注意点として以下の理解が大事と言います。

  • 子供の感覚過敏→治す主役は親、成人の感覚過敏→治す主役は本人
  • 働きかけは間接的に
  • 観察を大切にする
  • 芋づる式に治っていくこと

面白かったところとして、聴覚を育てていくと平衡感覚が治ったり、聴覚過敏と皮膚の関係がある時があるというところで、足裏をあっためたり、視覚を温めたり、体操などの対処方法がそれぞれの感覚過敏に対して紹介されています。

これらもハードルが低くやりやすい物事から初めて経過を観察し改善がなかったら違うことをしてみるというような対応が良いと言います。また、気持ち良い環境やワクワクする気持ちも適度に大切なので、そう考えると好きな趣味を見つけるというのは人生の楽しみを増やすだけでなく身体へのいい影響もあるのかなと思います。

感想

感覚過敏という現象について知ることができ、またそれに対しての対処方法などが書かれておりとても面白い本でした。感覚過敏ではない人に対しても五感の休め方やそれぞれの感覚が他の感覚に影響を与えることを認識して良い習慣を作り挙げていくというのがとても良いことなのだなと感じます。

テレビのワイドショーなどでやっている、デスクワークで疲れた際のリラックス方法などみたいな話と通ずつところがあるような気がしたので、自分の生活を振り返りどの刺激過多になっているか観察して取り組みやすい改善活動をしてみるのも良いように思います。

何より思うのは子育ての現場で自分の子供が感覚過敏になっているのではないか?と感じた時の対応が変わり、拒否反応をしていたり感覚過敏の様子を見たら対話しながら心地よい方法を探していくというアプローチになれる気がします。そういった意味ではとても価値のある本で広く読まれてほしい内容でした。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://amzn.to/40h7f9k 発達障害は治りますか? Kindle神田橋條治 (著), 岩永竜一郎 (著), 愛甲修子 (著), 藤家寛子 (著)
  2. https://amzn.to/42sC3WH 続 自閉っ子、こういう風にできてます!―自立のための身体づくり 単行本 – 2008/12/1 岩永 竜一郎 (著), ニキ リンコ (著), 藤家 寛子 (著)
  3. https://amzn.to/3JrCJCV 人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長 単行本 – 2016/6/22 灰谷孝 (著)
  4. https://amzn.to/42nSpzK 愛着障害は治りますか? 自分らしさの発達を促す 単行本(ソフトカバー) – 2016/11/24 愛甲修子 (著)
  5. https://amzn.to/42o9pWB 支援者なくとも、自閉っ子は育つ 親子でラクになる34のヒント 単行本(ソフトカバー) – 2015/12/22 こより (著), 栗本啓司 (編集), 浅見淳子 (編集)
  6. https://amzn.to/3Tqjtu5 自閉っ子の心身をラクにしよう! 単行本 – 2014/8/28 栗本啓司 (著), 聞き手 浅見淳子 (編集)
  7. https://amzn.to/3TrKOfg 芋づる式に治そう! 発達凸凹の人が今日からできること 単行本(ソフトカバー) – 2015/2/19 栗本啓司 (著), 浅見淳子 (著)
  8. https://amzn.to/3Z0Mn52 人間脳の根っこを育てる: 進化の過程をたどる発達の近道 (花風社) Kindle版 栗本啓司 (著) 形式: Kindle
  9. https://amzn.to/3lkmC29 合理的配慮と発達保障 (花風社) Kindle版 浅見淳子 (著) 形式: Kindle
  10. https://amzn.to/3LvEtOa 鼻のしくみと子どもの成長 (みんなの保育大学 10) 単行本 – 1985/1/1 高橋 良 (著)
  11. https://amzn.to/3Z0WIOr 図解 感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ 器官の進化シリーズ (ブルーバックス) Kindle版 岩堀修明 (著) 形式: Kindle
  12. https://amzn.to/3YUtyk8 岩波科学ライブラリー112皮膚は考える ペーパーバック – 2020/12/10 傳田光洋 (著)
  13. https://amzn.to/3yPi06X 入門人体解剖学 改訂第5版 単行本 – 2012/1/16 藤田 恒夫 (著)
  14. https://amzn.to/3yResBb 人体生理の基礎 単行本 – 1979/1/1 真島 英信 (著), 石田 絢子 (著)
  15. https://amzn.to/3FDg9pH 運動・からだ図解 脳・神経のしくみ 単行本(ソフトカバー) – 2016/3/29 石浦 章一 (監修)
  16. https://amzn.to/3ludOGT 爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った (新潮新書) 新書 – 2016/9/15 更科 功 (著)
  17. https://amzn.to/3TpJs4V 脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ 単行本 – 2009/4/1 サンドラ ブレイクスリー (著), マシュー ブレイクスリー (著), Sandra Blakeslee (原名), Matthew Blakeslee (原名), 小松 淳子 (翻訳)
  18. https://amzn.to/3yQmTNb 矯正歯科医が教える満1歳で離乳が終わる“らくらく”育児―今の離乳食はまちがいだらけ 単行本 – 2004/6/1 金 俊煕 (著, 原名)
  19. https://amzn.to/3Z3cybr 風邪の効用 (ちくま文庫) 文庫 – 2003/2/1 野口 晴哉 (著)
  20. https://amzn.to/3LzIb9q 身体感覚を磨く12カ月 (ちくま文庫) 文庫 – 2010/7/7 松田 恵美子 (著)
  21. https://amzn.to/40oQwBb 誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版) 単行本 – 2005/3/1 橋本 敬三 (著)
  22. https://amzn.to/42nq1O9 正体術大意: 操体法の源流ともいわれる「正体術」電子書籍復刻版 Kindle高橋迪雄 (著), puru (編集)
  23. https://amzn.to/3JrWt9n 生命形態学序説―根原形象とメタモルフォーゼ 単行本 – 1992/11/1 三木 成夫 (著)
  24. https://amzn.to/3Jud38D うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書) 新書 – 2017/7/19 藤川 徳美 (著)