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考具 ―考えるための道具、持っていますか? | 加藤 昌治 (著) | 2023年書評#42

博報堂の加藤 昌治さんによるアイデアを生み出す訓練方法についての本になります。本書で言われている「アイデア」は練り上げたや学習を通じてとう言うよりはものの見方に依るアイデアなのでどんな人でも真似できるような気がします。

📒 Summary + Notes | まとめノート

 

イデアと企画とは

ビジネスでの企画とは噛み砕くと「何を?:What」「どうする?:How」になると著者は言います。Whatの部分は俗に言うアイデアで、Howが企画を遂行するアプローチの部分です。本書で言うのはWhatの部分のアイデアだけでなくて、Howの部分でもアイデアが必要になる事が多くあるため特に切り分けることなく、2つのポイントのアイデアをストックしていくことを重要視します。

イデアのつくり方やアイデアのヒントなどの名著などにもあるようにアイデアは既存の要素の組み合わせであることが殆どであるため、日頃からストックを増やす物事の観察方法をしアイデアのストックを増やしておく事が大事です。アイデアは質より量であると著者は言います。

フロートしては①情報を手に入れる②アイデアを拡げる③企画にまとめる、という流れでどでも重要ではありますがまずは情報を手に入れる事がベースラインになります。

情報が入ってくるための手法

本書ではものの見方の観察手法から情報の手に入れ方を紹介しています。

カラーバス:テーマカラーを決めてその色が目についたものをまとめる

聞き耳をたてる:会話の情報から知る

ちょいメモ:忘れるためすぐにメモする習慣にする

七色いんこ:まりきりで自分の視点から外れてみる

フォトリーディング:効率よく読書する方法

臨時新聞記者:取材、たとえ話、分解する癖をつける

イデアの拡げ方

情報を集めたら次はその情報からどうするかです。

イデアスケッチ:手書きでスケッチ

ポストイット:数を増やす訓練

マンダラノート:9X9のマス目に関連する内容を埋めて、さらにそこから9X9へ拡げる

マインドマップ:物事の関連付け整理

イデアスケッチ:PCを活用したアイデア整理

連想ゲーム:遊びながら連想してアイデアを拡げる

オズボーンのチェックリスト:もしも…のように派生させてアイデアを拡大する方法

ブレーンストーミング:複数人でのアイデア出し

企画への落とし込み方

イデアをストックできたら次は企画への作り上げ方になります。

5W1Hフォーマット:企画書1枚に5W1Hが含まれるフォーマットを作る

タイトル:企画の理解度が上がる1言にする

ビジュアライズ:企画になるものは絵になる(らしい)

マンダラノート:5Wを入れ込んだマンダラノート

企画書:読んだ人がビジュアル化できるようにする

行き詰まった時の考具

ここからは+αのアイデア出し方法になります。

アイデアマラソン:数を決めたアイデア出し訓練

問いかけの展開:問いかけ方を変化して視点を変える

感想

同時期にマイケルマハルコのアイデア・バイブル(https://amzn.to/4161awx)を読んでいたのが考具のほうが初心者やベーシックの考え方を簡易的に認識するのには良く、細かな手法を見たい人はアイデア・バイブルを読んだ方が良いように思える内容でした。

書かれたタイミングが2003年なので全体的にちょっと前の感じな印象を受けるので手法は自身でアレンジするようにしたほうが良いと思います。以前ブログでも書いたSecond Brainの著者Tiagoがまとめていたノートテイキング手法はまさにアイデアストック手法といえると思いますし、今の時代に即している方法に感じます。

特にAliAbdaalとのYoutubeにあるフローは①Capture②Organize③Distill④Expressの順でアイデアを捕まえストックし、整理。そこの中から抽出・精製し、表現・活用するという流れですが、本書の内容と同じですがより現代に即した内容になっています。AliAbdaalやTiagoの手法ですと、アイデアは基本的にストックの中から類似したものを調べて得ています。オンラインにストックしていることによりキーワード検索や日付でのソートなどもできます。

www.youtube.com

www.youtube.com

マンダラノートをアイデアを拡げる方法として紹介されているのですが、どちらかというと整理方法の印象で大谷翔平が高校時代に行っていた記事が好例だと思っています。

u-note.me

本書内でデザインコンサルのIDEOブレインストーミングで紹介されていますが、インダストリアルデザイン会社という事になっていたり、デザイン思考にタッチされておらずブレインストーミングのみ書かれているところはよく理解ができなかったり、フォトリーディングも過去に試したことがあったのですが記憶に定着するかというと個人的には記憶に定着せず、飛ばし読みの手法の一つとして活用していたので、ちょっと感覚が異なる表現がありました。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://amzn.to/3ARy7SK アイデアのつくり方 単行本 – 1988/4/8 ジェームス W.ヤング (著), 竹内 均 (解説), 今井 茂雄 (翻訳)
  2. https://amzn.to/44wDPXy アイデアのおもちゃ箱―独創力を伸ばす発想トレーニング 単行本 – 1997/2/1 マイケル マハルコ (著), Michael Michalko (原名), 斎藤 勇 (翻訳), 塩谷 幸子 (翻訳), 小沢 奈美恵 (翻訳)
  3. https://amzn.to/3nv9xE5 アイデアのヒント 単行本 – 2003/1/10 ジャック フォスター (著), 青島 淑子 (翻訳)
  4. https://amzn.to/3HEQo9u アイデア発想が湧き出る本―アイデアづくりが楽しくなる今日から使える『アイデアマラソン発想法』 (達人ブックス) 単行本 – 1992/7/1 樋口 健夫 (著)
  5. https://amzn.to/3NGO3Pq 新版 あなたもいままでの10倍速く本が読める 単行本(ソフトカバー) – 2009/11/9 ポール R.シーリィ (著), 神田 昌典 (読み手), 井上 久美 (翻訳)
  6. https://amzn.to/44nYGwp 1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣 単行本 – 1994/2/3 K. ブランチャード (著), S. ボウルズ (著), Ken Blanchard (原名), Sheldon Bowles (原名), 門田 美鈴 (翻訳)
  7. https://amzn.to/44vfxgB インタビュー術! (講談社現代新書) 新書 – 2002/10/18 永江 朗 (著)
  8. https://amzn.to/426duOr お客さまがまた来たくなる ブーメランの法則 単行本(ソフトカバー) – 2002/7/9 ファーガル・クイン (著), 太田 美和子 (翻訳)