食事術の本を読んでみて色々と発見が多かったので引き続き食事術の本を読んでみました。今回はアメリカで発行された本を訳されたものです。少し前の本になるのですが著者のDave AspreyはGoogleでTalksするなど仕事術系の効率化のようなことを幅広くやられています。
医者が教える食事術と比較して違うところがあるのかなど含めまとめていきたいと思います。
📒 Summary + Notes | まとめノート
パフォーマンスを下げる正体は炎症
著者が調べたところ多くの病気の中心には高度の炎症があるということが示されてきたと言います。心疾患、がん、糖尿病はアメリカの全死因の70%にも及びますが、共通点は炎症です。炎症は、多くの自己免疫病や一部の精神衛生上の問題ともつながっているそうで、自分自身では炎症の症状には鈍感である一方で、脳はとても敏感で集中力を弱めてしまう原因になります。
炎症がなぜ起こるのでしょうか。著者が言うには炎症の原因に反栄養素、栄養障害物質と呼ばれるものが挙げられており、食品に含まれるものを挙げています。慢性的に炎症の原因を体内に取り込むことで腸が刺激され免疫系を発動させ、体の回復や解毒システムを損ないます。
これは自然の野菜でも含まれるものがあり、例えばナス科に含まれるレクチンは糖質を結合することで小腸の代謝を阻害することがあります。これらは加熱することである程度排除可能であるために、種類によっては加熱したものを摂取することが良い場合もあります。
オーガニック食品でも注意することが必要であり、それはカビ毒に対して認識が大事になります。カビ毒はパフォーマンスを下げ、高度のカビ毒の場合は心筋症、がん、高血圧などの原因になります。特にコーヒーに関してはカビ毒の注意が必要で、EUや韓国、日本ではカビ毒の安全基準がありますが、アメリカやカナダでは規制が定められていないなどあります。また、低品質の豆には多く含まれている可能性が高く、デカフェなどには低品質の豆が回されることが多いために、カビ毒の程度が高いケースもあるようです。
著者が注目するものはレプチンというホルモン。レプチンは脂肪細胞から作られ、レプチン値は体脂肪率に比例します。レプチン抵抗性はインスリン抵抗性の前兆でもあるために、インスリンの感受性を調整する役割があります。このためにレプチンに敏感な体にしておけば空腹感をコントロールできたり、集中力もつけることができます。
レプチンの輸送を阻害するものにには中性脂肪であるために、果糖の制限や低炭水化物ダイエットが効果的になります。その他にも焦点を当てるものには
VIP(血管作用性腸管ポリペプチド):適切な脳の動きと腸の炎症防止
生体アミン:脳機能に影響する神経伝達物質であり避けるべきもの
腸内細菌:痩せるか太るかを決めるもの。ポリフェノールが痩せ型細菌(バクテロイデス門の細菌)を増やす
見直すべきこと
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カロリー計算を辞めてもっと脂肪を食べる
脂肪は細胞、臓器、脳を作るものであり良質な脂肪が必要です。酸化した脂肪は炎症を起こしますが、飽和脂肪酸と呼ばれる良質な脂肪は必要なものです。
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タンパク質の取りすぎは注意
タンパク質は他の主要栄養素よりも消化がしにくいために過剰摂取による炎症が心配されます。鶏肉は比較的低質のタンパク質であり、グラスフェッドの肉が良いとされます。
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炭水化物の抜きすぎは注意
炭水化物のカットとしてドライアイなどの心配もあります。また寝る時には炭水化物を必要とするために夜の炭水化物摂取は睡眠を助けます。またレジスタントスターチと呼ばれるいわゆる冷えた単位禍物はインスリン値を上昇させないために血糖値をあげにくいものです。
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果物が集中力とエネルギーを奪う
果物は中性脂肪値を上昇捺せ被マンに繋がります。また砂糖よりも代謝障害を引き起こします。一方で砂糖はドーパミン生成するために脳の報酬中枢を刺激します。
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朝のヨーグルトは肥満につながる
朝は血圧が低く、朝食に炭水化物を摂取するとエネルギーが急上昇し、急降下します。そのために空腹感をもたらします。
理想的な食生活
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炭水化物は夜に摂取する
寝る時に必要なセロトニンにはでんぷんと糖が必要になります。炭水化物があることでセロトニンの生成を助け、リラックスした状態になります。夜の血糖値の上昇は寝ている時に脳が必要な働きをするのに役立てられます。
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ベストな朝食は脂肪の入ったコーヒー
著者の一番の売りである完全無欠コーヒーの話になります。カフェインはエネルギーを高め、脳内の炎症を防ぐぎますし、コーヒー内にある脂肪はミセルと呼ばれ体内に吸収されやすい形にあります。
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生はちみつは早く深く眠れる手助けをする
脳は睡眠中にたくさんのエネルギーを使うために、寝る前に少量の炭水化物を接種することが夜間の脳機能を手助けします。同時にMCTオイルを摂ると脂肪燃焼モードにもなります。
運動について
著者は体重を50kgも落とし、何回も食生活を変えることで体重の増減を繰り返したようです。その中で運動についても回数が多すぎて、時間も長すぎる、自分がしてきた運動が無駄であったことを悟り筋肉のつきやすい環境についてもまとめられています。
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ストレスは体型を乱す
ストレスの多い仕事をしていると、運動をした際にコルチゾールが上昇してしまいます。その結果体重は増加、筋肉は失われ、テストステロン値は低下し燃え尽き症候群を引き起こします。
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正しい運動
強度の高い有酸素運動を習慣的に行うことは心臓を弱らせ、心筋にダメージを追わせるという研究があります。筋肉が増えることで疲労や疾患、病原菌や毒素への抵抗力が高まり、健康に良いために、筋肉を増やすのは良い効果があります。そのためウエイトトレーニングは効率的に筋肉をつけられる良い運動です。
また、心肺機能の改善には高強度インターバルトレーニングが良いとされ、30秒のダッシュ、90秒の休憩などを繰り返し15分ほど続けることが良いとされます。1時間ジョギングするよりも効果的です。
運動をするのは夜や朝よりも胃が空っぽの状態が最も筋肉を増やし良いとされます。本書で言う完全無欠断続的ファスティングの最後の時間帯(午後1〜2時ごろ)がベストと言います。運動の後に高野菜、高タンパク質、高脂肪の昼食を取り、夜に炭水化物をいつもより多目に摂取することが勧められています。
ウエイトトレーニングに関しては20分以上は行わずに高負荷で短時間を目指します。2分で上げられなく程度の重さで一度で上げられなくなる重さの8割程度の重量がよく、5つの種目(シーテッドロウ、チェストプレス、ラットプルダウン、オーバーヘッドプレス、レッグプレス)が良いとします。
完全無欠ダイエット
著者のHPにも多くレシピが乗っており参考になるものも多くあります。本書内では結構細かく食材について何が良いのか注意したほうが良いのかなどを大別して紹介されています。
野菜
完全無欠:アスパラガス、アボガド、青梗菜、ブロッコリ、芽キャベツ、カリフラワー
ハイリスク:生とうもろこし、缶詰野菜、大豆、きのこ
脂肪と油
完全無欠:動物性脂肪、MCTオイル、高品質カカオバター、野放しの黄卵、ココナッツオイル
完全無欠:グラスフェッドの牛、ラム肉、放し飼い鶏肉、ホエイプロテインコンセントレート
ハイリスク:チーズ、加熱処理乳製品、養殖のシーフード
乳製品
完全無欠:オーガニックでグラスフェッドのギー、バター
ハイリスク:チーズ、粉ミルク、乳製品代替品
豆類
完全無欠:ココナッツ
ハイリスク:大豆、ジャイアントコーン
でんぷん質
完全無欠:かぼちゃ、さつまいも、人参
ハイリスク:小麦、トウモロコシ、アワ、コーンスターチ
果物
完全無欠:アボガド、ブラックベリー、ココナッツ、クランベリー、レモン、ライム、ラズベリー
ハイリスク:レーズン、ドライフルーツ、ジャム、ゼリー
甘味料
ハイリスク:アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム
飲み物
完全無欠:コーヒー、緑茶、ココナッツミルク、ミネラルウォーター
ハイリスク:豆乳、ジュース、ダイエット飲料、加糖飲料、スポーツドリンク
調理法
完全無欠:生食、未調理、軽い加熱、アルデンテ、煮る、ゆでる
ハイリスク:焦がす、たっぷりの油で揚げる
感想
食事術の本をいくつか読んで同じ内容であった部分は、炭水化物(糖質)を少なくし、砂糖などの入ったものはできるだけ避ける。タンパク質を多目に取り、調理されたもの特に焦げなどは避けるようにするべきという点でした。
一方で豆類に関してはおすすめされていたり避けるべきものとして扱われている部分があったので、もう少し精査してどうしたものが良いのか勉強したいと思います。
本書を読んで完全無欠コーヒーが朝食でおすすめされており、品質の良いコーヒーにMCTオイルを加えたもので朝を済ませてヨーグルトなどは朝には避けるべきという食生活を少し試してみようと思いました。継続的にあまり神経を使わずに食生活を組み立てたいので何か決まったものを2,3種類考えて入れ替えながらしてみようと思います。
また、運動習慣についても見直したいのでウエイトトレーニングについても今後見直してみようと思いました。
参考文献がダイアモンド社のサイト内にまとめられているのがありがたかったです。
https://www.diamond.co.jp/go/pb/bulletproof_notes.pdf
著者のウェブサイトにも色々情報がまとめられています。