シリコンバレー式自分を変える最強の食事に引き続きデイヴ・アスプリー本になります。本書は脳の働きについて解説しており、食事、運動、睡眠を中心に脳の最大化の仕方について見ていく本です。
以前読んだ樺沢紫苑さんの著書と重なる部分も多々あり脳の仕組みを解説しミトコンドリアの最大化やホルモンの働きについて理解しながら読み進めていくことができます。
最後にはデイヴ・アスプリー本ではおなじみの実践するための2週間プログラムの紹介があり読んだ後に実践できる試みはとても手助けになる内容でした。
📒 Summary + Notes | まとめノート
脳について
脳は体内でもかなりのエネルギーを使う部位になり全身の20%にも及ぶと言われています。このエネルギーはミトコンドリアで生成されており、ミトコンドリアの数、効率、強度によって、知力や健康に影響を及ぼします。
現代社会ではそのミトコンドリアの活動が阻害されており、疲労などはミトコンドリアの活動の邪魔をしパフォーマンスを下げます。強靭で回復力の高い脳を作るためには4つの着目点があります。
- 脳を弱めることをやめる
- もっと多くのエネルギーを加える
- エネルギーの生成と分配の効率を高める
- ミトコンドリアを強化する
アスプリー曰く、忘れっぽさや集中力の欠如、いらいらなどは脳の状態に依る部分があるために、自分を責めるのではなく、脳の理解をし生活習慣を変えることで改善していくことができるとのことです。
ミトコンドリアは食べたものからエネルギーを引き出し、酵素と組み合わせてATP(アデノシン三リン酸)を生成。ATPが燃料としてADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に分解される時に体を動かすためのエネルギーが放出されます。歳を重ねてもこの機能の低下を抑えることも可能であり、ミトコンドリアの不全を起こさないようにするためには
- 最高の栄養を接種する:ミトコンドリアに最適な原料を供給する(食事に気をつける)
- ホルモン値を最適化する:テストステロンを増やす
- 毒を回避して解毒する:抗酸化作用を利用する
- 適度なストレスを維持する:コルチゾール値の維持
ミトコンドリアは脳内でニューロンのパフォーマンスを上げることに役立ちます。ニューロンは新しいことを記憶したり、集中力などの脳のパフォーマンスを支えるものであるために重要になります。
ニューロンの機能に関わる例としてニューロン間の通信進路を絶縁するミエリン鞘があります。ミエリンはオリゴデンドログリアと呼ばれる脳細胞が働き生成されており、ミエリンの原料を食事からしっかりと摂取することで脳のシグナルの機能を維持できます。
この原料となるのは、飽和脂肪、コレステロール、オメガ3脂肪酸、少量のオメガ6脂肪酸です。脂肪とコレステロール値が不足し炭水化物が多い食事はアルツハイマー病の進行の要因になるという研究報告もありました。
脳細胞を増やすもの・減らすものは次のリストです。
- 脳細胞を殺す環境有害物質:重金属、溶剤、添加物
- 神経発生率を変える食事:糖と酸化した脂肪は炎症を引き起こす
- 奇跡の肥料バイオフラボノイド:ポリフェノールはニューロンにとって奇跡の肥料
- 脳細胞を損なうストレスとうつ:慢性のストレスを避け海馬の活動を正常に保つ
- 健康なストレスをかける運動:運動が新しいニューロンを成長させて、活かし続ける
- ニューロン生成を高める楽しい環境
- ミトコンドリアの機能を高めるEZ水と赤外線
- 脳細胞に感謝されるセックス
脳に良い食事
前著の完全無欠コーヒーなどから引き継がれておりますが、脳に対して燃料となるのは脂肪、そして抗酸化物質のあるポリフェノールが良いと紹介されています。
ポリフェノールの効用は①腸を守る②神経発生率を高める③細胞に生きるか死ぬかを命じる④炎症との闘いのちからになれる、などミトコンドリアの活動を助ける機能があります。
高濃度で有益なポリフェノールが含まれる食品は以下です。
- コーヒー:
- チョコレート(カカオ85%、ヨーロッパ産):
- ブルーベリー:
- ざくろ:
- ぶどうの種:
- ぶどうの皮:
安定した飽和脂肪の最良の供給源は次になります。
- グラスフェッドの脂肪と肉
- グラスフェッドの牛脂
- 放し飼いの鶏の卵黄
また他にも良いとされるものは
オリーブオイル:一価不飽和脂肪
天然もののシーフード、魚油:オメガ3脂肪酸
食事に付随して本書でよく出てくるものに断食(ケトーシス)があります。ケトーシス状態であるとミトコンドリアがATPを生成する仕組みに慣れるために、ミトコンドリアの働きを手助けします。結果としてケトン体は低血糖、飢餓に対する耐性を強化してくれることに繋がります。
ケトン体を代謝すると28%も脳の働きをアップしてくれるために、ケトーシス状態は脳の効率化を考える際に切り離せない状態ということです。炭水化物を摂取を少なくし断食している時間を長くすること(断続的ファスティングと命名されている)でケトーシス状態になることができます。著者がおすすめする朝食の完全無欠コーヒーは断食状態を保つための方法の一つでもあり、昼食〜夕食を6時間以内に済ませ(昼食2時、夕食7時など)その他の時間では断食するのに役立つメニューです。
一方で避けるべき食べ物の例は次になります。
トランス脂肪酸:揚げ油など
乳製品:ミトコンドリアを劣化させる
グルテン:ゾヌリンが病原菌を取り込みやすくする。脳への血流を低下させる
植物油:製造工程で脂肪を劣化させるため
カビ毒:穀物、シリアルやそれらを食べた家畜に蓄積されやすい
ドライフルーツ:糖が多すぎるため
ワインとビール:ワインはオクラトキシンに汚染されやすく、ビールは穀物、グルテン汚染が激しいため
化学物質:重金属やフッ化物、遺伝子組み換え品、水銀
糖類:
揚げ物:古い油は劣化しトランス脂肪酸が多く含まれるため
焦げた肉
睡眠について
本書の食事の次の話題は睡眠です。というのも睡眠中に脳は細胞の老廃物を掃除するためです。睡眠により脳は新しい記憶を強固にし、記憶を改善させるなど頭の中を整理する役割があります。いびきなどは良い睡眠になっていない一例でもあり、睡眠の質を高める事により短い睡眠でもよくなる場合があります。
良い睡眠習慣
午後2時以降はカフェイン抜きにする:睡眠に影響する場合はカフェインの摂取を気をつける
寝る前の運動は厳禁:寝る前はリラックスしヨガなど睡眠の手助けになることをする
朝方であれば依る11時までに寝る:コルチゾールの急上昇による眠りの妨げを避ける
生はちみつを寝る前のからっぽのお腹に入れる:グルコースがミトコンドリアを満足させる
光や音を避ける:2時間前から携帯の使用を避ける、薄暗くするなど。メラトニンを減らす。
入眠呼吸法を身につける:ウジャイ呼吸法や瞑想など
運動について
運動による適度なストレスは細胞を強くすることに役立ちます。良い運動習慣についてもまとめていきましょう。
歩き回る:週に3回、1回につき40分間歩いた成人のグループは海馬が大きくなった
ヨガ:ストレスを軽減し、脳も含めた全身の炎症を抑える
レジスタンストレーニング:筋力トレーニングで不安を減らし、記憶と認知を改善、楽しい気分をもたらす。週一回のみがよい。
エンデュランストレーニング:呼吸が荒くなる運動。体内にエンドルフィンを放出させる最良の方法
高強度インターバルトレーニング(HIIT):60秒ダッシュして30秒歩くなど。ダッシュの間に90秒座ることなども良い。
光について
主には食事、睡眠、運動の内容なのですが、浴びる光についても色々書いてありました。目はミトコンドリアが多く集まる部位であり、体の他の部位のミトコンドリアへの影響があります。目に取り込む光によって体のミトコンドリアへ間接的に影響が及ぼされます。
太陽光を目に浴びることは良い影響が多く、ブルーライトを浴びることはマイナス要素があると言います。
また光は体内時計にも影響を与えるため、前述しましたが寝る前の光の浴びすぎには注意し、日中に太陽光を浴びていることで睡眠の手助けになります。
感想
最近は樺沢紫苑さんの本や牧田さんの食事術の本など健康に関わる本を読む機会が多く、体の仕組みについて知ることができました。こういった理解が積み重なってくると習慣を見直す良いきっかけになったり、実際に取り入れる時に自分の生活リズムや習慣の中にどうやって入れ込んでいけるか感がえられます。
自分自身、食事習慣などは壊滅的ですが、完全無欠コーヒーであれば実行できそうですし、例えば朝に20分、昼に20分の散歩などであれば実行することは難しく無いよう思えます。日々取り入れていくことができてこその知識だと思うので、今まで読んだ本を振り返りながら自分に合う習慣づくり取り組んでみたいと思いました。
参考文献リスト:
https://www.diamond.co.jp/go/pb/headstrong_notes.pdf
その他紹介されていた本など: