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労働法のしくみと仕事がわかる本 | 向井 蘭 (著) | 2024年書評59

前回の労働法に関わる本に続いて、今回は人事や会社目線からの注意点を踏まえた労働法に関わる本を読みました。

ohtanao.hatenablog.com

📒 Summary + Notes | まとめノート

メモ

労働法の3要素

雇用マーケット

個別労働関係

集団労働関係

退職金制度

  • 中小企業の退職金制度は、基本給×勤続年数×計数、がほとんど
  • 退職金変更に当たっては不利益変更であるかどうかが大きな問題

人事異動

  • 正当な人事異動を拒否した社員は解雇できる
  • 打診→内示→発令→異動が一般的な進め方
  • 人事異動で拒否された場合は条件提示での調整を実施する

懲戒について

  • 懲戒とは一時的な制裁
  • 譴責(始末書の提出)、減給、出勤停止、降職・降格、論旨解雇、懲戒解雇
  • 減給について一回に月平均賃金の1日分の半額までが上限(労働基準法第91条)、何回も行う場合でも一ヶ月あたり賃金総額の10分の1を超えてはいけない
  • 懲戒解雇については
  • 就業規則に包括条項を持ち込み懲戒処分に関して明文化してあることが必要
  • 1つの非違行為に対して二重処罰は禁止
  • 段階的に処分しているか、時間をかけて指導をしているか客観的な理由を提示する必要がある
  • 本人の言い分を聞いているかも重要になる
  • 始末書の提出は義務づける権利はない
  • 記録してあることが重要
  • 解雇の有効・無効は裁判所しか判断できない
  • 解雇の場合、賃金の仮払いを求めることができる(仮処分)
  • 解雇が有効と認められる場合:業務上の金銭の窃盗や横領、職場で強制わいせつなどの性犯罪を起こした場合、著しい勤怠不良、配置転換などを拒否した場合、著しい業務命令違反
  • 認められにくい場合:能力不足の解雇、協調性不足の解雇、勤務態度不良の解雇、
  • 整理解雇の4要件:人員削減の必要性、解雇回避努力の存在、解雇対象者選定の合理性、手続きの妥当性
  • 裁判所では客観的な証拠が重要:メールや記録、メモ、録音など
  • 教育・指導をどこまで尽くしたか、警告文書を積み重ねる記録があるかが重要

ハラスメントについて

  • 平均的な労働者の感じ方を基準とするのが妥当
  • 被害者の供述の信用性を見極めることが大事であり、客観的な証拠が重要
  • パワハラの6種類:身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害

解雇について

  • 定年時に継続雇用しないことについて、正社員の解雇と同様に客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められる。
  • 仕事及び範囲を変える、減額の理由を説明する、所定労働日を減らす、基本給を減給することは違反になり得る。

就業規則について

  • 就業規則が誰の目にも触れることができるような状態にされている限り、説明は受けていない、規則に納得できないといった反論は通らない場合がある
  • 就業規則には、絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項、任意的必要記載事項がある
  • 就業規則作成は、案の作成→従業員への説明→従業員代表からの意見聴取→労働基準監督署への提出、のフロー
  • 効力の優先順位は、労働基準法労働協約→労働契約→就業規則
  • 就業規則が有効である条件は、1)従業員に周知していること、2)合理的な内容であること
  • 不利益変更したときの合理性も重要である
  • 就業規則は法令に反することはできない、
  • 就業規則を変える場合の変更手続きは、就業規則案の作成→従業員への説明→従業員代表の意見聴取→労働基準署への提出→従業員への周知

感想

大企業から比較的小さい企業へ転職したのですが、どちらの会社に居た時も以外とないがしろにされている部分があるなと感じる部分が見られました。

大企業になれば、体力や人材が十分に居ると思いますし社内に社労士の資格を持たれている方も増えて精査される機会も増えると思うので間違いが起きることも少ないとは思いますが、中小企業で労務環境を整えきるのは思っているよりも難しく思いました。

逆に考えると、労働者がしっかりと守られているということもわかるのでなにかあった時に会社と裁判を起こせる事由も沢山あるのかなと感じます。

改めて日々問題のあるようなことをしっかりと記録しておくこと、記録した物事を会社のPC以外や物理的に保管しておくことなどが緊急時に役立つなと思います。

こんなことを考える必要がない環境にまず位置することが根本的なことだとは思うのですが、過度に不安に駆られることもない気もします。労働者が守られすぎているということで会社側に不利すぎる気もしますし、それを悪用する人も出てくるように思うのは難しい所ですね。

懲戒処分や解雇が出た際に裁判でけりをつけるという選択ももう少し世に知られても良いようにも感じますが、実際に裁判への過程を見ているともう泣き寝入りして次の職場を見つけたほうが早いなという感覚も分かります。ひとまずは元同僚の裁判の様子を見ていきたいと思います。