イノベーションのジレンマで有名なクリステンセンの著書、ジョブ理論を読みました。本の概要は次の記事にまとめられているので本を読む前に読んでみるのも良いでしょう。
Wikipediaの説明は次のようなものです。
ジョブ理論とは、人がどのようなものを買い、どのようなものを買わないのか、を説明する内容である。商品の特性や価格など、商品特性をいくら改良しても販売増につながるとは限らず、消費者の購入目的であるジョブに合致しているかどうかが購買を決定づける。ジョブにはいくつかの特徴がある。[2][3]
“ジョブ”とは、ある特定の状況で人が成し遂げたい進歩を指す。 消費とは“ジョブ”を片づけようとして、特定の製品やサービスを“雇う”ことである。 人は置かれた状況によって何を“雇う”か左右される。 “ジョブ”には機能的な側面だけでなく、感情的、社会的側面がある。
考え方としては顧客が解決したい「ジョブ」にフォーカスして物事を考えるアプローチです。例えば雨が降ってきた時に傘を買うのは駅まで行くのに濡れるのを防ぐというジョブのために傘を雇う(購入する)。
なぜ雇用したのかというのは、もしかすると駅に着いて電車に乗った後も雨が降っているから買ったのかもしれないですし、もしかするとヘアセットを崩したくない大事な予定があったから買ったのかもしれない。顧客のジョブを理解することにより注力することにより運任せを減らす事で意図的なイノベーションを起こす事を目指します。
📒 Summary + Notes | まとめノート
ミルクシェイク
本書含めジョブ理論で最も有名なストーリーになっているミルクシェイクの話です。
デトロイトのコンサルタントがミルクシェイクの売上を伸ばすためには何を改善すればよいか探していました。アンケート結果から得られた最も多く記載された回答について何回か試したものの売上に変化は起きませんでした。
調査チームは質問を変え「ミルクシェイクを雇用して片付けたいジョブは何であるか?」を調査し始めます。観察して発見したのはミルクシェイクは朝の9時に多く売れていることでした。購入者にたずねてみると、「仕事まで、長く退屈な運転をしなければならない」だから通勤の気を紛らわせるものがほしい。さらにはまだお腹はすいていないから少しずつ溶けて食べられるようなミルクシェイクが良いということでした。
バナナはすぐに食べ終えてしまう。ドーナツはクズが車に落ちるし油で手がベタつく。スニッカーズは甘すぎる。
彼らの共通属性はまったく見つからず、唯一見つかった共通点は誰もが朝の退屈な通勤時間を目を覚まさせてくれて時間をつぶしてくれるという要望のみでした。
これが夕方になると全く違う購入者になる。子どもといっしょに来た家族連れて子どもの集中を逸らすためのもので小さくても良い。
「ひとつですべてを満たす」解決策は何ひとつ存在しませんでした。
ジョブを理解する上での思考実験
ジョブを理解するにあたり特定の状況で進歩を遂げようと苦心している人を、短編ドキュメンタリー映画ふうに頭の中で撮影してみると想像しやすいものになります。
- その人が成し遂げようとしている進歩は何か
- 苦心している状況は何か
- 進歩を成し遂げるのを阻む障害物は何か
- 不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動はとっていないか
- その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引き換えにしていいと思うものは何か
埋もれているジョブ
もう一つある印象的なストーリーはサザンニューハンプシャー大学(SNHU)の物語です。2016年には年間売上が5億3500万ドルに達し、過去6年間で年間成長率は34%というもになりました。SNHUは普通の大学機能に加えて通信制の大学教育を行っていました。メインキャンパスの片隅でひっそりと行われている活動でしたが、「中断した大学教育を人生のあとになって再開したい」人にとって一定数の需要を持つものでした。
そこにはほとんど資本は投下されておらず、手軽な値段で人生のどこかで学位を取りたい人たちに対して重要なニーズが眠っている事に気が付きます。
競合は何も行動を起こさない「無」であるが、そこに工夫をすることでより多くの人の行動を後押しすることができないかと考えます。
ウェブサイトから来た問い合わせには24時間以内に返信する方針から、10分以内に電話することに変えます。入学志願者にとって心理的障害を取り除くために一番最初にコンタクトして心配点に対して回答をする努力を行いました。
問い合わせの内容にある障害は奨学金の範囲と今までの学位をどう活用できるかというものでした。数日以内に明確な回答をするようにしました。
通信課程の生徒に対して個人アドバイザーをつけて何か危険信号がみられたらすぐフォローアップするようにアドバイザーが働きます。
感想
イノベーションのジレンマは日本で大ブームになり、イノベーションと言えばクリステンセン教授と想像できるほどの存在です。本書を読むにあたり2020年に亡くなられている事を知りました。次の動画をみて人間性の魅力にとても惹かれました。
イノベーションの方法について数々の洞察を残してくれた背景にある人柄の良さを感じます。
アメリカも大混乱の時代を迎えていますが今後どのようになっていくのでしょうか。

