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となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則 | トマス・J・スタンリー (著), ウィリアム・D・ダンコ  (著) | 2022年書評#40

前回の敗者のゲームに続き、代表的な本であるとなりの億万長者を読みました。

1997年に書かれているので割と古典書的な側面ありますが、億万長者って意外ととなりに住んでいる普通の人だよね、というような話が分かりやすく書かれている資産形成の勉強初めとしていい本なように思いました。

📒 Summary + Notes | まとめノート

膨大な人数の億万長者にアンケートを取ることで、億万長者の実態はあなたのとなりに暮らしているような一見普通に見える人たちなのだよということを見つけたものをまとめた本書。

億万長者に見られる7つの法則は

  1. 彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する
  2. 彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している
  3. 彼らは、お金の心配をしないですむことの方が、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
  4. 彼らは、社会人となった後、親から経済的な援助を受けていない
  5. 彼らの子供たちは、経済的に自立している
  6. 彼らは、ビジネス・チャンスを掴むのが上手だ
  7. 彼らは、ピッタリの職業を選んでいる

となりの億万長者を紹介しよう

本書のキーフレーズとなる表現に蓄財優等生と蓄財劣等生という言葉があります。本書の翻訳版は1997年に出版されているためかなり古い話ではあるものの、当時の億万長者に多くのインタビューを行ったところ、相続による資産を得た億万長者は20%に満たず、過半数は1ドルたりとも相続を得ていませんでした。

91%が会社の株を贈与してもらってもいませんし、半数は大学の学費も出してもらっていないという結果でした。

つまり、億万長者のほとんどが自分で財を築いてきたということです。

さて、億万長者の最大の特徴はというと倹約です。スーツは安いセールの時に買ったもの、自動車は中古車を選び、生活費を把握しています。

所得税を回避するために好きな仕事でオーナーとして会社経営をしていることなども多くの特徴です。

お金持ちと見られている医者を見てみると、意外と億万長者の職業としては少なく、それは医者として相応のみなりなどをしているとお金がかかるために出費も多くなるためと予想されています。

蓄財優等生の億万長者は投資に関してかける時間も長く、じっくり型の投資をすることが多いことも特徴とされています。

親の影響や性別の関係について

最近では親ガチャという言葉が流行っておりますが、本書の中で親からの経済援助が多い場合は蓄財劣等生になるケースが多いことが書かれています。

親からの経済援助は貯蓄よりも消費に使われ、借入金に頼るケースが多く、投資に回す金額が少ないとされています。

子供には魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えることが大切であり、経済的援助ではなく蓄財の方法を身につけさせることがより大切です。

性別で取ってみると、当時の時代背景も強いとは思いますが女性で高い収入を得ている人は少なく、また、相続の分配も少ない傾向のようでした。

ビジネスチャンスを見つけよう

億万長者の特徴としてはビジネスチャンスをつかまえてピッタリの仕事を選んでいるということがあります。

どの職業が良いのかというのは時代ごとに変わるものですが、本書が書かれた際にはドライクリーニング屋が大きな利益を得ていたりしたようです。

フォーブスにある億万長者の事業は、目新しい事業ではないが、ありふれた業種で安定した成長を続けているものであり、精肉加工業、人材コンサルティング業、カフェテリア経営などのようなものが挙げられています。

感想

資産形成の本として代表的な本であり単純な内容ながらもしっかり夢を見させてくれるという点ではいい本だったなと思いました。

億万長者は生活水準は特に高くなく、収入よりも低い支出で生活するようにしており、そしてビジネスチャンスを掴みとる勇気を持っている人にチャンスが回ってくるというのは、特別な能力がなくてもできることだと思います。

面白かったのは子供に対する経済的援助を行えば行うほど子供は蓄財劣等生になるために、経済的援助は少なく、贈与の話はせず、資産のことは伝えないでおこうという話はちょっとしたネタであろうと思うものの、確かにその側面もあるなと思うものでした。

FIRE本など流行ってますが、書いてあることは本書と同じことの焼き回し的な部分が多いために7つの法則をひたむきに実行し続けるということが財をなすために重要であるのかなと思いました。

 

敗者のゲーム (日本経済新聞出版) | チャールズ・エリス (著), 鹿毛雄二 (翻訳), 鹿毛房子 (翻訳) | 2022年書評#39

インデックス投資が好きな方であれば誰もが読んでるであろう本である敗者のゲームを読みました。

 

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敗者のゲーム

本書のタイトルにもある敗者のゲームとは何なのでしょうか?

勝者のゲームとは勝者のウイニングショットにより勝負が決まるが、敗者のゲームとは敗者のミスによって勝負が決まるものです。

テニスで例えると、プロの試合は得点を勝ち取るのに対してアマチュアの試合はミスにより点を失います。戦争も同じ側面があり、戦略上のミスを最小にする側が勝つものです。

資産運用も多くの場合、ミスを最小にし損失を少なくする敗者のゲームとなってきています。旨味のある投資機会はごくわずかです。

アメリカの投資会社の多くの運用結果と市場平均との比較を見てみると、驚くことに多くの運用機関が市場平均に対して負けていることが多くあります。プロのアクティブマネージャーが市場平均を越えようと多くの売買を重ねてもこのような結果です。

そんな条件下でも勝ちたい場合はアクティブな運用機関は次の4つを満足しないといけません。

  1. 市場タイミングの選定
  2. 個別銘柄または特定グループの選定
  3. ポートフォリオの構成ないし戦略の変更
  4. 洞察力に富んだ長期的な投資コンセプトもしくは投資哲学

市場タイミングの選定の難しさに対してフィッシャーブラックは「投資家が市場から撤退した時も参加した時も、市場の方は平均すれば同じように順調に上昇している。」と言い一時撤退することにより上昇を逃すリスクを問います。さらに上昇をするベストの100日は全体の中でも3%程度でありこのベストの100日に株式を保有していることはとても難しいことになります。

時間が教える投資の魅力

投資にとって時間というものは大きな力を持ちます。

一年の保有では株式の変動範囲は大きく-40〜50%程度と大きくなりますが、5年、10年と保有することで次第に-の変動範囲が少なくなり、25年平均ではプラスの変動範囲へと収束しています。

アインシュタインも解いたように人間の最大の発見は「複利の考え方」と言われる所以はここにあります。

長期投資にあたり、最も大切なことは巨額のロスを避けることですが、人間心理として投資の際に株価が上がっている時に買いたくなり、下がっている時に買いたくなくなる、というようなことが起きます。ジェーソンツヴァイはソックスを買う時のように株式(ストック)を買えばうまくいくというよう言っています。

また、アクティブファンドでの運用結果を見るときに注意しなければいけないこととしては市場が上向きであったから、または同じセクターや中小型株市場などファンドの取引区分と比較してみると、市場平均と比べて連続して勝てているケースは多くないです。

個人投資家への助言

投資家は資産運用ゲームに参加する限り、現在及び将来の損失を覚悟しておかなければならないです。本書では長期的な利益のために避けられない真実をして受け止め、参加料として一時的な損失を受け止めるべきであるといいます。

個人投資家へとって最も大きい敵は何でしょうか?それはインフレです。

年率5%のインフレが続けば15年間で購買力は半減します。

これはまさしく2022年の世の中で起きていることで金融緩和の結果起こったインフレを抑えようと金利を上げ続けています。(日本を除く)インフレが続けば現金の価値が下がり続けるために、引退後の現金収入が無い人たちにとっては所有資産が目減りしていくことになるでしょう。

親身な助言10ヵ条

  1. プロを使うこと
  2. 人生の長期目標、長期資産運用計画、不動産所得計画などを文書にすること
  3. 長期運用計画がうまくいかなかった時に(株価が急落したとき)まずうつては2倍まで買いますこと
  4. 運用と投資家について勉強を続けること
  5. 貯蓄を続けること
  6. お金は全ての人にとって強い、異なったシンボリックな意味を持つこと
  7. 専門家にどの株が良いか聞かない
  8. 自分自身の判断が運用の長期的成功のために最も重要なこと
  9. ウォーレンバフェットのアニュアルレポートを読むこと
  10. インフレに気をつけること

感想

インデックス投資の優位性を語るほんとしては最も有名な本の一つであろう本書ですが、かなり昔(1999年)の本ではありますが今見ても重要であろうポイントが多く勉強になりました。

日本のアクティブファンドを見ていても、SP500と比べて続けて利益を出しているところなんておそらく無いように思いますし、これだけ手数料が少ないインデックスができるのであれば、多くの人にとっての投資選択はインデックス投資で良いように感じます。

本書の後半では個人個人がどれだけリスクを許容しながらリターンを欲しいかということを考えるために、5つの未知数を考慮に入れて計画をするべきとあり、次の5つの要素をライフイベントごとに整理することも大切だなと思いました。

  1. 運用利回り
  2. インフレ率
  3. 必要支出額
  4. 税金
  5. 運用期間

特に若い年代であれば、株式メインの資産運用でいいように思いますが、現在のようにインフレ率を意識して、インデックス投資への入金額を増減させたりするような辺りがスタート地点ではないでしょうか。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://www.trendfollowing.com/whitepaper/the_losers_game.pdf 敗者のゲーム論文
  2. https://www.researchgate.net/publication/336511908_Challenge_to_Judgement challenge to judgment 判断への挑戦
  3. https://amzn.to/3T8ybo7 The Investor's Anthology: Original Ideas from the Industry's Greatest Minds (Wiley Investment Series) ハードカバー – 1997/2/27 英語版 Charles D. Ellis (著), James R. Vertin (著)
  4. https://amzn.to/3Ev6IZB Classics II: Another Investor's Anthology ハードカバー – 1991/7/1 英語版 Charles D. Ellis (編集), James R. Vertin (編集)
  5. https://www.berkshirehathaway.com/reports.html バークシャーハサウェイアニュアルレポート

Googleマップを暗記する天才、GeoGuessrのトリックとは | WIRED.jp | 2022 Youtube review #9

一時期TikTokで話題になっていたGeoGuessrのTrevor RainboltがWIREDでインタビューを受けていた物がとてもおもしろかったです。

 

GeoGuessrとはGoogleマップの写真を見て国や地域を特定する人たちの競技なのですが、Trevor Rainboltの高速にピンポイントで当てる様子が話題となっていました。

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インタビューにて答えていた様子を見ると、とても地道な努力を重ね、何時間もGoogleMapを眺めて特徴を掴み記憶しているとのこと。

www.youtube.com

個人のチャンネルで実際にGeoGuessrを解いていく様子を流しているのですが、驚くことに国はほぼ一致していることが殆どでした。

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ひと昔前では世界中の街角の様子がアーカイブされているなんてことは無かったので、改めてGoogleの凄さを思い知りました。

 

ohtanao.hatenablog.com