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マザーウォーター @恵比寿 野外シネマ FOODIES' PICNIC | 松本 佳奈(監督) | 2024年映像・映画評#4

キノ・イグルー有坂さんの主催する恵比寿のピクニックシネマでマザーウォーターを観てきました。

マサーウォーターかもめ食堂のチームが作成し監督はめがねのメイキングを監督した松本佳奈さんの映画初監督作品のようです。

eiga.com

キャストはその後松本さんと作品を沢山作り上げていく小林聡美さんや小泉今日子さん、加瀬亮さんなど豪華俳優陣です。

 

物語

物語は川が印象的な京都を舞台にしたヒューマンドラマを描いていくもので、子どもを通じてウイスキーのみを出すバーの店員、豆腐屋の店員、珈琲屋の店員、銭湯の店員とおばあちゃんが交わっていく様子が描かれています。

www.cinematoday.jp

しっとりと流れる日常に、時に印象的なセリフを交えながらときが移ろう様子が描かれており、ザ邦画とういような流れです。

音がとても美しく、水の音や食器の音が綺麗に言葉の間に紡がれており、どこかにある生活という印象を残してくれています。

 

誰が何を考えていきているのか、街の香りの話、なんでこの街に惹きつけられたのかを話しながらもはぐらかしつつはっきりとした答えを表現しきらない部分は邦画の奥ゆかしさでしょうか。

感想

観ていた周りの人たちが眠くなって寝てる人がちらほら居たのはピクニックシネマの他の映画では無いような光景でした。バーの情景がとても美しく、内装が何も無い空間は憧れます。

自分が老人で一人暮らしになった時に似たような状況になったりするのかなと思い眺めてましたが、孤独を感じて部屋に閉じこもるよりも少し鬱陶しいとおもわれながらも社会に交わっていく図々しさはどこか勉強になります。

学生時代住んでいた京都という町並みが舞台になっているのも面白く、たまに馴染みのある風景が出てくるので今度行った時はロケ地を見たいと思いました。

www.mizu.gr.jp

映画の終わりにキノ・イグルーの有坂さんがおすすめの映画2本紹介されており、わたしは光をにぎっていると珈琲時光が紹介されていました。

その街の様子が記録に残るような映画ってとてもかけがえのないものに思います。

どん底サラリーマンが株式投資で2億円 いま息子に教えたいお金と投資の話 | DokGen (著) | 2024年書評68

投資を初めてから投資の手法的なものから個人投資家の物語的な本など様々なストーリーを読むようにしています。

今回はブログなども有名なDokgenさんの投資物語です。

ameblo.jp

📒 Summary + Notes | まとめノート

物語

Dokgenさんはそこまで給与が高くない食品メーカーで働いており、株式投資などしておりました。家庭では妻が浮気をした所から人生が大きく動きます。子どもが居たDokgenさんは妻の相手を見た時に心配となり親権は自分が持つことで折り合いが付きましたが、当時持っていた銀行口座などは相手方が持っていったために、当時保有していたリスク資産も含めた40万円でシングルファザー生活がスタートします。

4年で1000万を貯める

投資の武器は複利なのですが、軍資金が10万であるのと100万であるのでは全く効果が異なります。20%の利益が出ても前者は2万円、後者は20万円です。

そのためDokgenさんは最初に元手を1000万貯めることを目標にしました。手取りの400万の半分の200万を毎年貯金、その他の200万は所有していたリスク資産の含み益で合計1000万が投資スタートの元本となります。

  • 住居費は安く済ませる(手取りの20〜30%)
  • 食費は3万前後(男性は酒、女性はスイーツを意識)
  • 着るものはユニクロ、クリーニングは避ける
  • 家計簿はいらない、月の固定費を調べてから毎月つける必要はない

IT企業に投資

仕事でIT関連の部署に居たDokgenさんは自分の理解があるIT企業への投資を行います。2025年、サイボウズを含めた3社に投資しサイボウズは10倍、他の2銘柄も5倍を達成し大きな並に乗ることができました。

信用取引も駆使していたために一時期は2億にまで達成しましたが、ライブドアショックにより8000万まで資産が減少します。ただし1000万からなので十分に大きな利益です。

その後はほっとけ投資へ

大きく儲けてライブドアショックを受けた後より安定してほっておくことができる資産へ移ります。

  • 投げ売りしたくなる時こそ買い時
  • 2勝8敗で勝つ時に大きく勝てば良い
  • 知っている会社でたぶん倒産しない会社に投資
  • 倒産しないかは:自己資本比率、利益剰余金、現金と現金同等物で測る
  • 割安な会社:PER、PBRなどで評価
  • 小型株
  • 卵は1つのカゴに盛らないと大きな利益にならない

感想

個人投資家でありサラリーマンである中で株式投資でどうやれば大きな利益が出るのかという話がとても良くまとまっている本でした。

今ではオルカン、SP500投資全盛であるために個別株意識は薄まっているかもしれませんが、個別株への投資は大きな利益を得るために避けて通れない道だと思います。

リスク許容度にもよると思いますので、投資をしないよりはもちろん市場平均への投資が減らさないという意味では最適解でしょう。

再現性の面で思うのは1000万の投資元本から3銘柄選定したものが5倍、10倍の銘柄に変わった大きな波にのる難しさに思います。投資をやっていたこのような銘柄に乗れるかどうかはかなり難しく、特に1年でその規模への変化は中々難しいものに感じます。

ただチャンスがないかとそうでもなく、NVIDIAなどはすでに注目されている状態から大きく上昇しました。このような銘柄に乗れるようにどうすれば良いか考えていきたいです。

なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学  | クラウディア・ゴールディン (著), 鹿田昌美 (翻訳) | 2024年書評67

男女の賃金差に焦点をあて研究を行いノーベル経済学賞を受賞したクラウディアゴールディンの著書を読みました。

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時代の変化とともに過去1世紀にあたる女性の労働環境やピルなどの技術環境を振り返りつつ賃金差の原因を見ていきます。

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📒 Summary + Notes | まとめノート

5つのグループ

本書では1900年ごろからの女性の労働環境を区分けしています。

  1. 1900-1920年代:家庭かキャリアか
  2. 1920-1930年代:仕事のあとに家庭
  3. 1950年代:家庭のあとに仕事
  4. 1970年代:キャリアのあとに家庭
  5. 1980-1990年代:キャリアも家庭も

この中で主に注目しているのは初婚や結婚経験、出産経験、大卒経験などです。

日本でも同じ傾向にある印象がありますが、元々大学を卒業する人は男性が割合が高く女性の大卒率は少ないものでした。第1グループに至っては大卒率が5%以下でありあしただ、40%ほどまでに現代では伸びています。これは男性も似たような傾向があるのは事実で女性の割合と比例しているような傾向もあります。

興味深い考えに「男性は知的な女性を嫌う」という社会文化もあったようで大卒の女性が結婚する率は低く、一方で当時の研究が示すには大卒の女性の結婚に不幸なものは少ないともしていました。

時代が進むと女性が仕事で活躍していく時代に移り変わります。経済発展の結果として洗濯機や掃除機など家庭の仕事の時間や負担が減っていくことで家庭に時間を割かなくても良い選択肢が生まれていきます。

職場においてもタイプライターなどの機会も生まれ、女性が仕事をできる機会も徐々に増えていきます。「マリッジバー」という女性の雇用を制限する法律もあり既婚女性の雇用の壁になっていたりもしました。

1950年代になるとマリッジバーも削減していきます。既婚女性の障壁とされていたものが緩和されていきます。第二次世界大戦後の世の中はベビーブームでもありました。そうすると子育てのあとに仕事をする人たちも増え始めることにも繋がります。

第四グループになると、ピルの発明の影響を受け始めます。時間とお金の投資を必要とされる法律、医学、学問などの分野においても女性が時間を使う事ができるために活躍の場が広がります。

それに伴い上昇したのが結婚年齢と離婚率です。大学を卒業してすぐに結婚していた女性たちは働くことを選択し、結婚年齢は上昇。キャリア思考へのシフトも始まります。女性割合が多かった仕事である看護師やソーシャルワーカー、事務職、教師などから、弁護士、経営者、医者、教授、科学者などの割合が増えていく結果となりました。

第5のグループでは不妊に関する知識の発展もあり、出産を遅らせた場合のコストについての理解も増えてきました。

この年代になるとキャリアと家庭を両立させる事ができるようになってきます。

格差は中々なくならない

これらの変化が起きた後でも中々格差はなくなりませんでした。グッドイヤー社で起きた女性社員のリリー氏は女性であるということで給与が低かったことなど会社に対して訴訟を起こすなど女性の賃金差について注目が集まります。

実態として男女の賃金格差として女性は70−80%程度に留まります。さらにこれは年齢を重ねて20代から50代になるほど顕著な開きになっていきます。

様々な要因があり明確な答えは出ていないのですがいくつか原因が紹介されています。

チャイルドペナルティと呼ばれる言葉があります。女性は出産後仕事のペースを落とすなど出産をきっかけに収入が落ちてしまう現象です。さらに日本などではチャイルドペナルティがまだ北欧などに比べると大きい状態でもあります。

チャイルドペナルティが起きる理由には職場での拘束時間にもあります。インフォサービスの企業などでは職場で待機できる人材に対して給与を上乗せすることがあります。その場合、その仕事に対応できるのは男性の割合が多くなり男女間の賃金格差をもたらすことに繋がります。

また、職場に居ることで、他者との接触や対人関係(社内、社外双方)ができることで仕事の結果への変化も生じる事があるのは事実です。

パイプラインの漏れと呼ばれる現象もあります。女性の方が昇格する前にその場を去ることです。アップオアアウト(昇進するか去るか)などの職場で出世コースから外れてしまう状態にもあります。この理由は時間的な要求にこたえることができない性別の違いもあります。

現代での変化

現代では企業としてパイプラインの漏れを防ぐ方策なども生まれつつあります。明るい話は賃金格差は未だに残っておりますが減りつつあることです。

コロナ禍で始まったリモートワークなど仕事での柔軟性も理解されつつあります。

仕事や国のケアのシステムが変わりつつあることは良い事ではないでしょうか。

感想

様々な統計データから女性の賃金格差を正確に把握しそこにある問題の理由をまとめていく面白い本でした。

現代では保育システムの整備などシステムとして女性が職場復帰しやすくキャリアを諦めなくても良い制度が整いつつあるものの、実態として男性よりも女性の方が家庭へ時間を割かなければいけない傾向はあると思います。

また、身体の違いにより女性の方が繊細な体調であることもディスアドバンテージでしょう。これらを完全に埋めることを望まなくても良いかもしれませんが、少なくともその事実を理解して優秀な人たちがキャリアを諦めるというシチュエーションを減らすのは社会全体としても有意義なのではないでしょうか。

時代間の違いを見ると現代が今までで一番良い環境といえる事も分かります。一方で今まで男性というだけでどれだけ下駄を履いてる状態であったかということも理解できます。

個人的には意思決定をする人により給与を与えて欲しいと思っており、そこに男女の違いはかかわらないと思うものの、仕事に割ける時間的なビハインドがある女性であるとその決定のために十分な情報を得られにくい、人間関係を築きにくいようにも感じます。

解決策があるのかは分からないですが、本書の最後にかかれているようにまずは内容を正確に理解することから始められることのように思いました。

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  1. https://amzn.to/3zG8ua9 子育ての経済学:愛情・お金・育児スタイル 単行本 – 2020/12/19 マティアス・ドゥプケ (著), Matthias Doepke (著), ファブリツィオ・ジリボッティ (著), Fabrizio Zilibotti (著), 大垣 昌夫 (その他), 鹿田 昌美 (翻訳)