ライフイズビューティフル

訪問記/書評/勉強日記(TOEIC890/IELTS6.0/HSK5級/Python)

2019年 書評#7 HELLO, DESIGN 日本人とデザイン

IDEO Tokyoを卒業された石川俊祐のデザイン思考に関する本を読んだ。

本の大枠の内容としてはクリエイティブ・マインドセット(英書名Creative Confidence)を優しく読みやすくしたものという印象でした。

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

 

第一章は、デザイン思考とは何であるかという話を、"Design"(課題の発見とその解決のための設計)と「デザイン」(ビジュアルを整えること)の英語と日本語での一般的に持たれている印象の違いについて、日英双方で暮らしたことのある石川さんの視点から語られている。

自身も外資系メーカーで働くにあたり、"Design"というと設計、仕組みづくりというニュアンスで使われていることが多いことに最初慣れなく勘違いすることも多かった。製品開発部もProduct Design Developmentと言われており、"Design"という意味合いが日本と違うのは本にかかれていた内容そのままであった。

つまり、なにか解決が必要な物事に対して、「問いを設定し、その問いを解決する人たち」のことをデザイナーと総称するというのが英語での"Design"という意味合いであると書かれている。

第二章ではデザイン思考のマインドセットについて書かれており、一つだけあげる「デザイナーになれる」条件に「自分の主観に自信を持っていること」と挙げられています。

自分の「おもしろい!」「つまらない」「素敵だなあ」「なんでだろう?」「おかしくない?」「引っかかる」「気になる」に蓋をせず、大切にできる人。それをもとにしたアイデアを、臆さず相手に伝えられる人です。

主観を大切にするということでよく感じるのは外国人は臆せず自分の考えを言いたがることが多い印象があります。それを美徳と思っている部分も感じ、それをリスペクトし合う印象です。日本的な文化ですと、「みんなが思う正解について綺麗に合致したコメント」を求められることが多く、主観というよりも、暗黙的に想像している正解を言った方が良いというような感覚が大きい。そうすると、その正解に合致していない想像しかできないと発言しない方が良いのでは…というブレーキをかける。

こうすると主観を大切にできる機会がどんどん失われてしまい閉塞感を感じるということがあるのではと感じている。

この本で論じられているクリエイティブコンフィデンスを持つためのマインドセットは4種類あり、①曖昧な状況でも楽観的でいること、②旅行者/初心者の気分でいること③常に助け合える状態をつくること④クリエイティブな行動を信じること。これらは先に述べたクリエイティブ・マインドセットにおいても同じことが書かれていたと思います。

その中で2つの約束事をして筆者が付け加えている点が日本人として意識しておくべき良い点のように感じました。

まず、自分は創造的ではないとか、自分のアイデアなんて高が知れているという考えが頭の片隅にでもあるとしたら、その思い込みを捨てること。いきなり自信を持つことはむずかしいかもしれません。でも、まずは両手に抱えた「不信」を手放してみましょう。そしてもうひとつが、自信を持つ前であっても、むりやり「クリエイティブな行動」を取ってしまうこと。

自分の感覚を大事に(同時に相手の主観もリスペクト)するということが文化的に広まると、個々が発言しやすい文化になるのではと思います。

自分自身が通ったイギリス大学院の授業ではじめに行ったことは批評の授業で驚いた経験がある。当時の課題は、授業をする教授の最初にパブリッシュされた論文について批評してくださいということで、授業前に論文を読みこの部分がおかしいのでは?というようなことを話し合う授業であった。

この際に教官側もいわば素人にコメントされる事をリスペクトし、相手の発言が明確でない場合はどういった意図でそう言っているのか引き出したり、時には腹を立てても仕方がないような発言にもユーモアに変えて受け答えする。生徒側も相手をリスペクトしながら自分の意図を伝えるためにまず感情的な部分で「あなたの人間性はとても好きだけど…」のような会話の始め方をするなどとても面白い経験であった。

日本の授業では体験したことのなかった経験であり、英語的にも未熟だったので対応しきれなかったのであるが、その現場を見れたことは今の自分の財産であると思う。(語学が流暢であることの大事さも痛感した)

第三章ではデザイン思考のプロセスについて書かれている。

4つのプロセスで構成されており、①デザイン・リサーチ(観察/インタビュー)②シンセシス/問いの設定③ブレスト&コンセプトづくり④プロトタイピング&ストーリーテリング

事例や実践的なコツが数多く紹介されていてとてもおもしろい章であった(時間が無い人はこの章だけ読むのでも良い気がする)。

まず、物事に対して観察眼を身につけること(快不快に注目するとやりやすい)。そして、問いが曖昧になりすぎなく、程よいスケール感の「正しい問い」を設定する。③のブレストの際にはさらに7つのルールと2つのマジックワードを儲けている。①トピックに忠実であれ②ぶっ飛んでよし③すぐに判断/否定するなかれ④会話は一人ずつ⑤質より量⑥描け、視覚的であれ⑦他者のアイデアを広げよという7つのルールを意識すると質の高いブレストになると説明されている。またマジックワードは「How Might We?」「Yes, and...」だそうだ。

意見だしというブレストの場では楽観的にポジティブに発言してまずアイデアを人数最大限的に拡散させることが大事なので、他者を否定せず、気軽なアイデアをリスペクトし、多少ずれていた場合は「Yes, and...」と言って肯定的により正解に違い表現をフォローしていくということのように思う。

4つめのプロトタイプフェーズでは「Build to Think, Think to Build」という「つくっては考え、考えてはつくる」という瞬発的なフィードバック・実行サイクルの大切さを語られている。

この章で語られていることに、IDEOで大事にされているのは「人間中心」という考え方(これも日本語での受け取りに難しい表現のような気もする)もあった。

第四章では組織について書かれている。

本書で問われていることにデザイン思考は組織出ないとできない、さらにその組織は各分野のプロである必要があるということがある。IDEOの仕事を取りまとめた論文が言うに、IDEOの働き方の特徴としてチーム無いの役職が上の人ではなく、フラットな組織で他チームにヘルプする・されるという特徴があるようだ。コラボレーション文化があることで一人に対する精神的な負担が軽くなり、心地よく働けることに繋がる。

また各個人がある分野のプロになるために、正しくミーハーさを持って専門性を広めていける人材の大切さがまとめられている。

パッションの大切さも語られており、「世の中を変えるのはパッションだけだと信じている」と書かれている。(Why-How-What)パッションを持っている人は当事者意識を持ち、熱量をチームにもたらします。パッションが無いと適切な意思決定ができないという可能性が高い、というのは日々の仕事の中でとても共感できる説になります。

www.ted.com

パッションが無い中でも意思決定は、役員が決定したことにフォローしたい(自分の評判が落ちないように…)などを導いてしまうということが往々にして見られます。当事者意識が無い役員が影にいるととても大変です。

IDEOの採用で重視されている、プロフェッショナル意識のあり、情熱的な、ミーハーである人という点は良い組織づくりにとても重要であると感じる。

第五章では、日本人がいかにデザイン思考と相性が良い可能性があるかを語られている。本来日本人の繊細さや細かさは、よく観察し相手が何を欲しているのかを繊細に感じ取り、それを実行するということをしてきました。豊臣秀吉の出世話にもそういったストーリーがあります。

あとがきに筆者が日本再興に読み書きそろばん+デザインという教育が大事なのではと書かれています。それぞれ個々が持つ美的感覚を語り合える場が日本では少ないのでそういった考え方にはとても賛同できます。

「デザイン思考家は、本棚の整理方法から仕事の説明の仕方まで、1回1回、意識的に新しい選択をする」

というIDEO創業者のデビットケリーが語っています。

日常に起こる細かい快・不快に目を向け、観察し、正解をゼロベースで考えるという作業を意図的にすることがとても大事なように感じます。その日起きた快・不快リストなどを作ってみるトレーニングなど面白そうな気がするのでまたいつか実行してみたいと思います。

デザイン思考という言葉先行ではなくて、デザイン思考という言葉にある背景の文化(観察眼を持ち、パッションベースで仕事をしていく)が広まる世の中が楽しみになる一冊であった。

www.linkedin.com

www.linkedin.comwww.asahi.com

www.circulardesignguide.com

www.ted.com

www.ted.com

HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book)
 

 

2019年 書評#6 フラッシュ・ボーイズ

まもなく公開のハミングバードプロジェクトの原作であるフラッシュ・ボーイズを読んだ。

www.youtube.com

 

映画になる原作なので面白いのは間違い無いのであるが、著者がマイケル・ルイスであることから読んで面白くないわけがないというような本。 

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

 

内容はというと、株式市場での超高速取引について。

勝率100%のギャンブル(フロントランニング)という手法を用いて餌に出した株注文に食いついたものを違う取引所にて価格を釣り上げて売り利益を出していたことを見つけ出し、公平性を取り戻そうとする話である。

ohtanao.hatenablog.com

この本についてどこから知ったのかというとPython勉強中のコースにて紹介されていたからだ。そのコースではアルゴリズムトレードの基礎を勉強できる内容であったが、アルゴリズムトレードが使われている例としてフロントランニングが紹介されていた。

これが驚くべきなのは現在進行系で行われている話であるということ。

本書内の解説では、

プレデター(超高速取引業者の本内での呼ばれ方)に食われるのは、主に生命保険や投資信託などの大手の機関投資家だろう。その大口注文を先回りして、気がつかれないように後出しで薄く利を剥ぎ取るーコストを支払わされるのは、年金を積み立てているあなた、NISA口座を開いたあなたなのだ。

とある。

どうやら平成30年から超高速取引業者は登録制になったようで、金融庁から以下の情報が出ている。

www.fsa.go.jp

jp.reuters.com

ただし、厄介な点は取引所が超高速取引業者に対してデータセンターのすぐそばにサーバーを設置できるスペースを売り出しているために、取引所としては超高速取引業者から得られるサーバー専有代は非常に利益になるということである。

そのため、ある意味取引所公認で行われている勝率100%のギャンブルであるように思う。

本書内では、ある日この異変に気がついたカナダロイヤル銀行のブラッドカツヤマ。自分の注文が通らないことに気が付き、注文を出した瞬間にまるで知られているかのように値が釣り上げられている現象をディスプレイ越しに見つける。

このことから、注文ボタンを押してからコンピューター、ケーブルを通してその信号がどう伝わっているかを調べからくりに気がつく。

個人投資家プレデターに食われるという現実を目の当たりにし、その真っ直ぐな性格から公平性を取り戻そうと取引所を立ち上げていくまでの話だ。

forbesjapan.com

後半ではセルゲイというゴールドマンに在籍したプログラマーが悲しい罪をかぶり捕まってしまう話なども含まれている。

wired.jp

友人から罪を被ることになってしまい怒らないのか(本書を読む限りセルゲイは無実であるため)と聞かれた際に答えか発言が印象的であった。

腹を立てることが何を与えてくれますか?否定的な態度が、人としてのあなたに何を与えてくれますか?何一つ与えてくれないでしょう。何かが起こったのはわかっています。自分の人生がたまたまふつうとは違う筋道をたどったということです。自分が無実だと思えば、そのとおりなんです。…

…ぼくは、自分がこういう目に遭ったのを、いくらか喜んでいます。生きるとはいったいどういうことなのか、理解するのに役立ったと思いますから。

どこかプログラマー(技術者)らしい価値感覚が少し切なく、でも理解できるような気がした。

この話は少し極端な例かとは思うが、どんな逆境や物事もすべて自身の受け取り方によりその人の人生の価値になるか決まるのであるような気がした。(ポジティブにいい経験として思うことは大事!)

それにしても、401KやNISAがかなり怪しく思えてくる本であったため、それらの資産分配を考えたくなってしまった。。。

 

参考)

www.bousaid.com

wired.jp

2019映画批評#3 天気の子

公開からだいぶ時間が経っているのだがやっと 天気の子の映画を観てきた。

素晴らしい素晴らしくない、好き嫌いなどの感情は観た人が決めれば良いのだと思うけれども、今の時代を美しく描写する作品にとても心を奪われた。

いくか風化されてしまうのであろう今の東京、震災が続き異常気象というフレーズを耳にする2019年においてこの映画が伝えたかったものは何だったのだろうか考えている。

www.youtube.com

小説版

前回の君の名は。でもそうであったのだが、今回も映画と小説を並行して作成していたそうだ。どうやら、君の名は。の際には製作委員会の方からのお願い(大人の事情)で乗り気でなかったようであるが、この並行制作の中で相乗効果があったことを実感していたそう。そのため、今回でも同じような制作スタイルを用いたということだった。

君の名は。の映画を観たあとに小説を読んだ際には、映画がそのまま文章になっているように感じたのだが、今回は小説にしかない描写が多いように感じた。それについては小説版あとがきにて語られており、小説と映画というメディアの特性上小説では描かないと補完できない表現があるということで、音の効果がない文章というコンテンツの中で読者の心を動かせる表現が多く取り入れられることになったのではないかと思う。

また、あとがきで語られている音楽担当をされたRADWIMPS野田洋次郎さんとの関わりについて語られている。君の名は。からわずかの期間で作り上げた台本を野田さんに送りその三ヶ月後に送られてきたデモテープには「愛にできることはまだあるかい」「大丈夫」が録音されていた。最終的に物語のエンディングは「大丈夫」の歌詞からインスピレーションを受け作成されたことも明かされており、歌詞と比べて物語を読み直すと、素晴らしく美しく同じ描写がされていた。

野田洋次郎さんの解説も興味深くプロデューサーの川村元気さんと三人でキャラクター心理を決定したことや、「大丈夫」の歌詞がエンディングにそのまま描写されることになった責任の重さ(変更を何回も申し出たらしい)について書かれていた。きっと想定していなかったことなのだろうけれども、信頼する深海誠さんが言うのであれば…ということで自分の作った曲であるのに、「大丈夫」の歌の意味を新海さんから教えてもらえたと語っている。

今回も君の名は。と同じく、映画を観てから細かい描写の意味合いを探し求めて衝動的に小説を買いに走り、一気に読み切った。小説にしか書かれていない描写が多く、映画の補足理解につながったのでとても楽しく、この世界観を違う方法で2回楽しめたのは最高に幸せな体験であった。

問題を抱えた子供達

天気の子では子供達が次々に法を犯していくさまが描かれている。これに対して万引き家族を連想する人も多く居たようである。

togetter.com

これは本人からもインタビューで語られている。

万引き家族』はすごく社会的な映画だと思いました。『天気の子』は貧困問題に正面から取り組んだ作品では全くなく、アプローチが全然違っています。僕の映画では、ただ単純にどういう状況であっても楽しそうに生きてる少年少女を描いてみたかった。

食材を買うお金がこれしかなくてこういう食材しか手に入らなくても、その中でササッと鮮やかに美味しそうなものをつくってくれるみたいな。

ラストシーンもそうなんですが、どういう状況であったとしてもそれでも笑顔を見せるような姿をみて、自分自身が励まされたいという気持ちがあったと思います。

headlines.yahoo.co.jp

万引き家族でも同じように、社会的に認められない家族達が楽しそうな日常を過ごす姿が描かれていたことから同じ印象を感じる人が多かったのかもしれない。

天気の子で描かれていた若者たちのどこか無鉄砲で衝動的に突き進む姿というのは、大人になりどこかに置き去りにしてしまった懐かしい感情にあるように思う。

その対比として、大人と子供の間にいる夏美、大人になってしまった須賀の発言や言動が描かれているところも様々な人の感情に訴えかけている部分なのではと感じた。

変わりゆく東京の今の景色

映画の中には隈研吾さん設計の国立競技場を始め、六本木ヒルズスカイデッキやレインボーブリッジなど今の東京を色濃く、かつ繊細に描写されている。

どこかのインタビューで語られていた記憶があるのだが、変わりゆく町並みを描くということを大切にしているそうだ。

オリンピックに向けて着々とまちづくりは進み、渋谷もさらなる開発が進んでいるが、その以前の姿というのはどこかに綺麗に残されておいても良いと思う。東京に住む人々にとってこの作品はよりリアルであるし、地方や海外から来た人たちにとってはこれが映画で描かれていた今の東京か、と思える景色。

時に写真ではないかと見違えるほど繊細な表現で描かれた今の東京は映画の中でとても印象的であった。 

夏美の存在

主人公である帆高と陽菜はとても印象的であるのだが、個人的にとても印象深かったのは夏美という存在である。

就職活動を行い、社会人という大人のスーツをかぶってしまう前の存在。どこか大人にならなければ行けないという思いの中、やりたいことも分からない。

実は須賀の仕事である取材を大いに助ける、人の話に疑いもなく興味を持ち話を引き出し、周囲を幸せにでき、繊細な感情に気がつけるという、かけがえのない才能の持ち主であることを本人は気づいても居ない。

帆高の東京生活を大いに助けた存在である彼女の描写は、とても現実的であり、悩みの多かった年頃の感情と大いにリンクする部分があった。 

僕たちだけが知る秘密

晴れ女になった陽菜は人柱にならなければならないという運命を背負ってしまう。人柱になれば天気は元通りになり、ならなければ異常気象は続き、東京を別の姿に変えてしまう。

物語は高校を卒業した帆高が東京に戻ってくるという所から始まるのだが、モノローグで語られるこの物語のキーワード「僕たちだけが知る秘密」というのは、陽菜が人柱にならないという選択であった。

この秘密というのは、物語の中では時に誰もが知っている(異常気象が解けた時に少女が天に昇っていく夢を誰もが見た)ことのようにも描かれているし、須賀は帆高の意思で世界が変わってしまったなんて自惚れるなと言う。

そういった中で映画を観終わった際に、秘密はこのことなのだっけ?と思ってしまった。どこか現実味のあることしか言わない須賀の感覚が自分にあるのか・大人になってしまったからそう思ってしまうのか、などと思ってしまった。

ソフトバンクのお父さん犬

www.youtube.com

事前にCMを観たことがあったのでうっすらと認識していたのだが、映画を観る際には物語に惹き込まれすぎて少しもソフトバンクのお父さん犬の存在に気が付かなかった。

どうやら2回出てくるのでもし次観ることがあれば探したい。 

他にも、君の名は。の登場人物が続々と登場しており全てに気がつけなかった。こういった散りばめられた宝探しを楽しみに何回も観に行く人も多いのではないかと思った。

RADWIMPSの曲

www.youtube.com

www.youtube.com

劇的に映画に彩りを加えているのがRADWIMPSの曲。グランドエスケープを歌う三浦透子さんの透明感・力量のある歌声も印象的であった。

小説版やインタビューで明かされた物語の内容自体に大きな影響を与えた素晴らしい曲達がとても良かった。

映画を観終わったあとに無限ループで曲を聴いては歌詞を読んで、映画の場面を思い出すという事を繰り返している。

良い映像にいい音楽はつきものである。現に君の名は。といえば前前前世が頭に流れ、スパークルを聴くと彗星を思い浮かべる。

いつか未来に「愛にできることはまだあるかい」を聴くと、天気の子を思い出し、あの日の映画館を思い起こし、衝動に駆られて小説を買いに走ったことやブログに忘れないように感情を吐き出した今を思い起こすのだろうと思う。

代々木会館

f:id:ohtanao21:20190819164321j:plain

六本木で天気の子を観てすぐに代々木に向かった。映画の中で晴れ女になった舞台である代々木会館は映画の中そのまま残っていた。8月に取り壊しが始まるということでバリケードで囲われていた。代々木駅から驚くほど近くにあり、時代が取り残されたような建物である。建物を見て映画の世界に入ったようにドキドキとしていたのだが、周りを歩く人達はまるで興味のないように過ぎていくそのコントラストが東京に来た頃の感覚にそっくりだった。

小説版天気の子

f:id:ohtanao21:20190820211054j:plain

君の名は。のときには少しがっかり感のあった小説版であったけど天気の子はとても良かった気がする。

帆高の家で理由がきっと父親の締め付けや島暮らしの閉塞感から逃げ出したかったこと、須賀の奥さんの死因が人柱でなく突然の事故であったであろうこと、その後に間違いを犯し親権を義母が取ったことなどが分かった。

また、三葉や滝の登場シーンがより詳細に描かれていた。映像と違い文章は過ぎ去らないのでじっくり文字を終え場面を理解しながら世界を体験できたのは小説というコンテンツならではだったからであろう。

何よりもあとがきや解説で語られた物語の制作過程も知ることができたのは嬉しかった。

須賀圭介の妻について

小説の第6章にて

天気の巫女だの晴れ女だの信じていない

と書かれていることから奥さんを晴れ女の人柱として失ったとは考えにくい文章があった。

そのほかにも夏美と陽菜の会話にて

何年か前に事故でなくなっちゃった

とあることからも、晴れ女だったという予想は違うのではと思われる。

天気の子飯

www.youtube.com

ジブリ飯などもそうであるが、物語に出てくるご飯というのはとても美味しく見える。

いつか再現したい。

感想

これだけ評価されている作品を好き嫌いで表すのはもったいないほど素晴らしい映画だったと思う。

確かに君の名は。のように狙った感の強い構成により毛嫌いする人はいるのかもしれない。そういった人にはインタビュー記事などだけでも良いので読んでみると良い気がする。

素晴らしい作品を作り出してくれた新海誠さんや関係者各位に改めて感謝したい。

インタビュー記事

news.yahoo.co.jp

eiga.com

www.cinematoday.jp

www.sanspo.com

www.excite.co.jp

kai-you.net

ddnavi.com

www.animatetimes.com

www.oricon.co.jp

www.huffingtonpost.jp

veryweb.jp

www.nhk.or.jp

その他記事

realsound.jp

realsound.jp

spice.eplus.jp

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)