ライフイズビューティフル

訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

上海にある無人本屋 志達書店(天猫未来店)に行ってきた!

上海にあるアリババグループお抱えの無人本屋さん。

あらゆる実店舗を無人化する流れは非常に強く、一つの社会実験として色々なお店で実際に行われています。

AI Superpowersにも書かれていたのですが、ある程度政府のサポートもあり国全体としてテック分野への熱は非常に熱く、経験値を多く積んできています。これらのデータは後に燃料としてAIを洗練されたものにしていくのでしょうか。

ohtanao.hatenablog.com

無人本屋さんは下のYoutubeのような雰囲気です。

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場所は北側の五角場という街にあり、復旦大学があります。この地域とても整備されており、今回始めていったのですが無人店舗もいくつかありとても魅力的な街でした。

 

本屋さんは駅から歩いて10分ほどの所。

外観はあまり目立たないので、こんなところに…!という感じでした。

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入り口の所にゲートがあり、アプリが無い人はかかりの人に開けてもらって入ります。

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中は閑散としており、そもそも本の種類が少ないのでそこまで人が来る要素が無いのかなという印象です。

海外の本屋さんにはありがちですが座って本読んだりできる部分もあります。

本の裏にはバーコードがあり、こちらを用いて支払い。

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外国でも大人気、村上春樹の本もしっかりありました。

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少し迷路みたいになっており、最後のゲートは入り口のゲートのすぐ横で、その中のカウンターに常時人は居ました。ですので、完全な無人化というよりは、アクシデントなどあった時はあくまで人が対応して、通常の会計は便利にしました、というような雰囲気です。

とても合理的なシステムで、人はレコメンデーションやコンシェルジュのような働きにフォーカスして、お会計などは全て機械で済ませる、という流れが今後多くなるのではないでしょうか。

それにしても、このような社会実験をできるのは中国人の柔軟性の高さならではという印象ですね。中国テック業界はこれからもしっかりウォッチしていきたいです。

参考)

takiyori-china.hatenadiary.com

ハイテックスーパー 盒马鲜生 (Hema Xiansheng)に行ってみた!

アリババが運営するスーパーHema(盒马)。

The investments have aimed to help the company develop its "New Retail" concept, a term coined by the Alibaba founder Jack Ma that means the fusion of physical retail and e-commerce.

Jack Maが新しい小売の形を導き出そうとしている。

www.youtube.com

 

 TEDにてHemaについて語られている(6:30〜)

www.youtube.com

 Hemaの特徴は主に3つ。

  1. 30分以内のデリバリーサービス
  2. 新鮮な海鮮類の販売、及びその場で調理・飲食可能
  3. 顔認識支払いシステム

1. 30分以内のデリバリーサービス

店内をHemaのパーカーを着た人が携帯に表示されている注文商品を見ながらかごに商品を入れていきます。

これはAppを通じて注文した人の商品を係の人がかごに入れて、配達するためです。

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かごに入れられた商品は店内上部にあるコンベアを通じて外に居るドライバーまで運ばれていきます。f:id:ohtanao21:20181015185556j:plain

ドライバーは規定範囲内の家へ届けに行きます。たったの30分。他の配達系のサービスも沢山あるのですがだいたい30分が目安になっており、マクドナルドでは30分過ぎたら安くなるようなサービスがあったと思います。

 

2. 新鮮な海鮮類の販売、及びその場で調理・飲食可能

一番最初にあるように、新鮮な海鮮類はとても人気のある食品です。

新鮮なものをその場で食べられるという設計がしてあり、とても快適です。

買ってその場で調理してもらい食べて帰宅。

 

3. 顔認識支払いシステム

レジに人は居ないため、顔認識システムで支払いができます。アプリをダウンロードする必要はありますが、気持ち良いスピードで購入ができ、未来感高い体験ができます。

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全然Hemaとは関係ないですがポケモングッズがあってとても気になりました笑

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Hemaは上海にたくさん店舗を持っています。そこら編のショッピングモールに行くと有るような感じです笑

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アプリを通じて商品のバーコードスキャンすると、どこから来ているのかや、政府から認可を受けている生産者であるのかなど調べることができるのはとてもすごいです。

 

Alibabaはデータを集め、技術を修正して最適化を重ねています。それもものすごいスピード感です。毎回行く度に雰囲気が変わる町並みや新しいシステムへの適応は大変ではあるのですが、適応ハードルが高くないのはとても素晴らしい設計だと思います。

 

これからも注目してチェックしたい。

 

参考)

https://www.freshhema.com/

www.alizila.com

www.businessinsider.com

 

blog.hit-u.com

Youtuber review China's High-Stakes Robot Wars DJIが見出す次世代のテックカルチャー Robomaster

中国で年に一回行われているロボットコンテストRobomaster

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ohtanao.hatenablog.com

前回の記事に書いたBloombergのHellow Worldシリーズにて取り上げられている。

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RobomasterはDJIという深センにあるドローンメーカーが主催で行われているロボットコンテストである。とにかくかっこいい。

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DJIは空撮で使うドローンを中心に優れた技術を持つメーカーである。

ドローン戦争で頭一つ飛び抜けた存在になっており、製品を出すごとに大きなイノベーションを取り入れ、とても魅力的な商品を毎年のように創出している。

MAVICシリーズは革新的に小さく高画質カメラを含んでいる。MAVIC Airシリーズも魅力的だ。

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また、OSMOシリーズもとても魅力的である。ジンバル付きのハンディカメラではダントツに小さく携帯性に優れておりGo Proの領域までも奪い去ろうとしている。

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Robomasterは深センで行われている。

会場に集まった学生達は寝る時間を惜しんで大会中にロボの作成を行う。

雑魚寝状態でとても綺麗なものとは言えないがギークが試合直前まで開発に打ち込む姿は熱狂を映し出している。

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レポーターにインタビューされた女学生は寝るのは平均3-4時間のみでエナジードリンクを飲んで作業に打ち込んでいるという。2週間会場から離れずに作業をする。

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ここまで打ち込むには理由があり、結果を残すとDJIで働くチャンスがあり、賞金を手にすることができる。

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2006年にDJIは学生であるFrank Wangにより設立された。

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DJIがRobomasterを開催する理由は、エンジニアがクールであるというカルチャーを作り出したいというためだそうで、Robomasterのリアリティーショーやドキュメンタリー、アニメを作り出し、かつ会場は注目されるように華やかな演出をしている。

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Robomasterに憧れた若き才能達がテック業界に興味を持ちさらに新しくイノベーションを起こすようなエコシステムの形成を目指している。

どこで読んだのか忘れてしまったのだが、実は似たようなことがシリコンバレーでも行われていた。このような大会が開催されていたというわけではなく、エンジニアはギークでオタクという印象から、クールであるという文化を作り出すために、エンジニアがかっこいいという風潮を作り出した、と読んだ覚えがある。

日本で言うところの野球に良いスポーツ人材が集まったり、ジャマイカ短距離走に良い人材が集まるのと似たようなサイクルなように思う。甲子園がテレビに移しだされ、プロ野球のニュースは連日放送される。仲間とともに泥にまみれ汗をかき、努力して掴む栄光に一度は憧れたことがあるのではないだろうか。

多くの子供にエンジニアはかっこよくてクールであるという意識を持ってもらい、より多くの才能が集まるようにしたいということである。

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会場はロボコンとかけ離れた華やかさ、規模である。

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優勝チームは賞金を獲得でき、DJIで働く道もあるようである。

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こういった試みは非常に良い循環を生んでいるように思う。

2018年の大会には福岡の学生連合チームが出場しており、こういった大会に日本チームが参加している点はとても驚いた。

store.dji.com

大きなテック業界の渦はシリコンバレーから深センに移りつつあるのかもしれない。

特に世界の工場として培ったハードウェア技術から、驚くべき柔軟性を持つMarket-drivenによる生き残る技術競争により世界で最も優れた技術を持つようになりつつある。

もはやCopycatの領域はとうに過ぎており、DJIのように業界トップ企業が次々と出てくるかもしれない。

アジアがテックの覇権を取る日はそう遠くは無いかもしれない。