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医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68 | 牧田 善二 (著) | 2022年書評#38

 

 

📒 Summary + Notes | まとめノート

人類共通して大事な物事に食事があります。日々の生活で必要であり、健康に大きく影響を与える食事に対してあやふやな情報が多くエビデンスがない議論になりがちな気がします。

本書によると、40歳の人の8割は健康下流状態にあるといいます。この健康問題に対して多くのところは血糖値にあり、血糖値により病気や不調の9割は紐づけられることができるそうです。

血糖値をキーとした正しい食事の取り方とは一体どんなものなのでしょうか。

最強の食事

医者が肥満を注意する原因として、あらゆる病気の原因となることは疑いの余地がないと言われています。では、肥満がどのような状態から引き起こされるかというと、血糖値が高い状態です。

血糖値を上げる原因は糖質(≒炭水化物)です。脂質やタンパク質は血糖値を上げません。

血糖値の上がり方もまた大切なポイントです。缶コーヒーや野菜ジュースなど液体物に関しては30分後には血糖値がピークに達しその後低下するという血糖値スパイクという現象を起こします。血糖値が一気に上がるとセロトニンドーパミンなどといった脳内物質が分泌されるため至福点と呼ばれるハイな気分となります。大きく血糖値が下がるというのもまた問題で、イライラや眠気などを引き起こす原因になると言われています。

ただし、糖質というのは生きる上で欠かせない栄養です。さて、そうしたらどのように糖質を取得すれば血糖値の急激な上下動なく栄養が取れるのでしょうか。

医学的に正しい食べ方

糖質は今のところ唯一の太る原因と言われています。よく挙げられるカロリー、脂質、コレステロールなどは関係が無いという見解が今では一般的のようです。

お米も含め糖質(≒炭水化物)が原因のために、フルーツなども肥満の原因になります。また、食事を一度に多く糖質を摂取するよりも小分けに食する方が良いなども効果的です。また、血糖値を上げないために、食事後すぐに運動をして血糖値の制御をするのも良いでしょう。

ここで良い食材として挙げられているものは、オリーブオイル、ナッツ、ワイン、チョコレート、大豆、チーズ、ブルーベリー、無糖コーヒー、酢、生ものなどです。

やせる食事術

さて、糖質が肥満の原因としていましたがもう少し紐解いていきましょう。糖質はエネルギーとして消費される一方、過剰摂取された糖質は分解されたあとブドウ糖になります。ブドウ糖が余ると中性脂肪として蓄積されることになります。

血糖値は上がりすぎても下がりすぎてもよくないと言われております。血糖値を摂取すると分解されブドウ糖が血液中に増加。血糖値の上がり過ぎを抑えるためにインスリンが分泌されます。インスリンブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓や筋肉の細胞に送り込み体を動かすエネルギーとなります。そのため、インスリンの分泌低下も肥満の原因となり得ます。

実際にどうすれば良いのでしょう。

まずベースとなるのは糖質量の制御です。体重を落とすためには1日の糖質量を60gいかに抑えるのが理想。体重を維持するためには男性で120g、女性で110gが基準となります。わかりやすいイメージではうどんひと玉の糖質が53gと言われているため、痩せたい時期はうどんひとたま程度の摂取量にしましょう。

そんなこと言われても甘いものを食べたい時はありますよね。接種する際には、血糖値の上げ下げを行いやすい液体のもの、または砂糖が多く入ったケーキやお菓子はできる限り避け、固形物である白米や玄米などがベターです。

接種の仕方も血糖値に大きな影響を与えます。食事の際に野菜→タンパク質→糖質といった摂取をすると、血糖値の上がりはマイルドになります。また、水分も重要です。水分を多く摂取することで血液中の血糖値は薄められます。

血糖値の抑える食材もあります。オリーブオイル、ワイン、シナモンなどです。

24時間のパフォーマンスを最大化する食事術

前述したように血糖値の上下が大きいと肥満の原因につながるとありましたが、生活のパフォーマンスにも影響を与えます。

糖質は体を動かすエネルギーでもあるために、接種する場合は朝がよくまた、接種方法は野菜など摂取したのちがベストです。

食後に眠くなる原因には血糖値の大きな変動が挙げられています。そのため、食事はゆっくり噛みながら摂取し、できれば炭水化物などは避けると良いようです。また食後の軽いウォーキングも効果的です。

炭水化物を摂取する際に脂質を一緒に食べると血糖値を上げにくいこともわかってきています。オリーブオイルのパスタやチャーハンなど炭水化物の取り方によって血糖値の上昇を抑制する方法も覚えておくと良いでしょう。

老けない食事術

老いとの戦いは一生の人間のテーマですよね。老化現象の原因はAGE(終末糖化産物)と呼ばれる物質です。AGEはタンパク質や脂質がブドウ糖と結合してでき、ブドウ糖が過剰に余っていると老化を促進させる原因となり得ます。

AGEはシミやシワの原因となったり、動脈硬化を引き起こすようにもなります。

血糖値により太り、老け、そして病んでいくというスパイラルですね。

AGEはある種コゲのようなものでもあるため、加熱料理に多く見られます。焼く、揚げるなどはまさしくAGEを増やす調理方法です。紫外線やタバコも同様です。

AGEの対策には、うなぎ、鶏肉、マグロなどカルノシンという強い抗酸化力を持つ食材や、豚肉、玄米などのビタミンB1、B6を含むもの、ポリフェノールなども良いと言われています。

病気にならない食事術

病気にならない、つまり免疫力を上げる食事術とは一体どのようなものなのでしょうか。

天然物以外の接種はなるべく避けること、また、食品添加物人工甘味料などもできれば避けるほうが良いとされています。原因としては添加物の多くは発がん性があるとされるものが多いようです。

また、消化や吸収を手助けするためによく噛んで食べることや、腸内環境をよくしておくことも大事です。

また、塩分の上げ過ぎも高血圧を引き起こすために塩分にも意識して、時には塩分を排出するカリウム(野菜や果物に多く含まれる)を意識的に摂取するのも良いでしょう。

100歳まで生きる人に共通する10のルール

  1. 豆類をたくさん食べる
  2. 野菜はたっぷり多種類食べる
  3. 坂道を歩く
  4. 死ぬまで働く
  5. 生きがいを持つ
  6. 徹底的な健康チェック
  7. 食べすぎない
  8. アルコールを嗜む
  9. チョコレートを食べる
  10. 医者を選ぶ

感想

最近ではかなり認知度が上がってきた血糖値に紐づいた健康に関する本で、生化学の視点からわかりやすい説明が多く納得感のある内容でした。

食事に関してはどうしても全てコントロールし切るのは難しいですが、一方で日々から気をつけて習慣にもしやすいテーマです。

血糖値を意識することや理由を理解するだけで、モチベーションや具体的なアクションが分かればより気をつけることができるのではないでしょうか。

一時期より糖質制限について語られることも少なくなってきた気もするので、日頃から情報をアップデートしつつ良い習慣をするよう心がけたいと思いました。