2021年になり資産形成について少し真剣になり始めたので、金融に関わる本やYoutubeを色々と見るようになり、ファイナンス理論とワードに出会ったため読んでみた本になります。
大学卒業まで部活やラボワークみたいなものばかりしか考えず、「投資?なんか難しそう」「英語?なんか無理そう」なんて思ってましたが、英語と同じく投資というものをもう少し早く意識していればよかったなと思っています。
アベノミクスの大相場を逃し、日銀がETFのを買い込む中で株式投資に参加していなかった人の預貯金は有価証券として持っていた株式価値と比べると目減りし、コロナ下での大相場にも参加していなかったのは悲しいですが、まだ将来にもチャンスあるだろうと思い相場に参加し続けたいと思います。
SP500の指数なんて、この何十年ずっと右肩上がり出会ったことを考えると株式投資をしている人はどんどんリッチになり、銀行預金にキャッシュを残している人の富が成長しないというのは資本主義の欠点なようにも思いますが…
その波にあらがっても仕方が無いので波に乗るしかないなと思う今日このごろです。
📒 Impression and Review | 感想
ファイナンスに関してあまりに無頓着なのが長年の悩みであったものの、投資を始めたのをきかっけに少しファイナンスについて勉強してみようと思い読みました。
著者の永野さんいわく、ファイナンス理論でもっとも大事なのは「金利」であり、金利はお金を借りる際のレンタル料です。みんながお金を借りたいと金利は上がり、借りたい人が少ないと金利は下がります。
金利の話に絡んでよくあるのがインフレ、デフレの話です。インフレは物価が上がることで多くの国で目標とされているものですが、インフレ状況下ではお金の価値は年を重ねるごとに目減りしていきます。(例:今100万円のもの価値が上がり、数年後は100+α万円になるため、購入のためには100万以上のお金が必要になる)
そこで出てくる実質金利(=名目金利ー物価上昇率)というものがあり、物価上昇率を加味した金利のことを言います。
インフレでは借金をしておけば、数年後の現金の価値が目減りするので借金をするほうが有利になります。
お金の時間的価値を意識しておく必要があり、投資する際に頭の片隅に入れておいた方が良い感覚でもあると思いました。
第2章の資金を運用する側からみたファイナンス理論では、リスクについて書かれています。
期待値を高めること(シャープレシオ)、指数と比較して上昇・下落の判断をすること、分散の必要性、CAPMの考え方、などがストーリ仕立てで書いてありわかりやすいようなわかりにくいような印象でした。
たとえ話で表現してくれている点はとっつきやすい印象ですが、数式だして見たほうが早いよって人は本書で出てきた言葉をインターネットで調べるのも良いかなと思います。
第3章の資金を調達する側からみたファイナンス理論では、損益計算書についての話でキャッシュフローの話になります。営業CF、フリーキャッシュフロー、EBITDA(Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortization)、MM定理、固定費が少ないことの重要性について書かれており、ストーリー仕立てでキーワードに触れられるのは良かったです。
第4章は企業価値についてです。
企業価値の指標については様々あり正解が無いのですが、PER、PBR、純資産、EV価格(エンタープライズバリュー)WACC(Weighted Average Cost of Capital)など紹介があります。
また最後にデリバティブの仕組みも紹介されていました。
印象としては、投資をスタートして中級者になりたいけど、というようなフェーズで読んでみると良い気がしました。
積立NisaやiDecoでインデックス投資を初めてその後に個別株投資をしようかな、と思った時に読んでみると、金利をベースに意識しながら、企業価値の測り方に何を指標として見ていったら良いのかなど「キーワード」が散りばめられているため、本書を読んで指標を認識し、それぞれわからない指標について調べて個別株投資の参考にする、という時に役立ちそうな内容です。
読み物としては非常に面白く、身近な例えで説明してくれている点は本書の工夫で、馴染みのない単語を理解しやすくなっていたと思います。