5G、5Gってよく聞くけど、すごい早い通信技術というぐらいしか知らず少し理解を深めたいなと思って読んだ本。
サクッと読めて、現実的な普及に向けての流れや障害、そこを越えた後のビジネス領域はどんなものがあるのか、という大枠をわかりやすく知ることができた。
5Gのキーワード「高速、低遅延、同時接続」についてどんなメリットがあるのか紹介されており、個人的に特に期待したいのは常時センサーでデータ収集されエッジAIを活用できるようになり、自動運転やヘルスケア部門で世の中がより便利になればと思う。
悲しい事故を毎年生み出し続けている自動車の運転を人の判断能力だけで完結させるのはとても危険だと思うし、身体の変化の調光をいち早くつかみ病気の早期発見につなげるなどより豊かになってほしいと心から思います。
5Gが普及した世の中とても楽しみになる一冊でした。
📒 Impression and Review | 感想
5Gというワードが世に出回り、確かオリンピックまでに…みたいな話もありましたが実際にはそこまで普及しきらず2021年後半を迎えています。
コロナワクチンを打てば5Gとつながる…みたいなとんでも話も出ていましたが、5Gとそれにまつわるビジネスについて理解したいと思い読みました。
5Gとは?
5Gのベースラインは高速度通信になると思います。最大伝送速度は下り20Gbps、上り10Gbpsと今までの4G/LTE通信と比べて100倍です。
光ファイバーの固定ブロードバンドよりも高速になるため、物理的な線で行う伝達速度よりも早くなることで様々なことが可能になります。
タイムラグが4Gと比べて1/10まで減る低遅延性、1km2あたりに100万台のノード(接続端末)と同時接続性。これら3つの特徴により「ネットワークスライシング」「マネタイズプラットフォーム」「モバイルエッジコンピューティング」がビジネスに大きく関わってくると言われているようです。
5Gが使えるようになると、4Gから通信のルールが変わるようなものなので、例えば車に多くついたセンサーが常時通信でき自動運転の精度が上がったり、Apple WatchやiPhoneから行動パターンや身体データを取得して病気の予測などしたり、AR/VRの技術が発展し街なかでの体験がまた変わる可能性を秘めています。
5Gが普及しきるまで:
ガードナー社のハイプ・サイクル(技術の普及の流れ)によると5G技術の安定期は2025年ごろになるのではと予想されており、安定期になるときっと6G技術も出始めていると予想されています。つまり2021年の現在は5Gの安定的な活用からはまだ遠く、5G技術を使ったビジネスは殆ど無い状況です。
これは3Gが始まった時と同様で、携帯電話初期に今の時代のように各携帯でYoutubeを見たりライン電話をしたり動画をシェアしたりなんてビジネスはなかったと思います。
著者が期待するビジネスとしては、ヘルスケアや高齢化に関わるサービスや、「超高速、低遅延、多数同時接続」を活かすビジネスだといいます。
また、基地局のシェアについても言及しており、現在のように自社で基地局を所有するのではなく、JTOWERが行うタワービジネスのようにシェアされていく方が合理的だと言います。そうすると各キャリアのビジネスモデルも変わるため、月額定額払いという日本独自の制度もどんどん無くなっていくように感じます。
その他のビジネス領域として「ゲーム配信」「動画配信」「ライブ中継」「IP同時再送信」「ゲーミフィケーション」「スマートハウス」「スマートファクトリー」「スマートサプライチェーン」「MaaS」
特にゲーム関連に関してはマネタイズのハードルの低さもあるので、市場規模が大きいと予想されています。最近ではYoutubeによるマネタイズが普及して、お酒つまみながらひとり語りしたり質問に答えてスパチャもらうなどの光景が増えてきているのは面白いなと思います。
一方で、どれを見ても中国の方が一歩先を行っているなと思うことが多く、ライブ配信によるEC販売や、無人店舗、ワーフェイの5G端末、Didiなどの大規模なデータ活用と5Gのインフラが整備されてきており、そこにビジネスものってきている印象です。
5Gに乗り遅れても6Gなどになればまた想像していなかったビジネスモデルができていくと思うので、その時に適応していけば良いとは思いますが、5G活用であれば中国を参考に!のような風潮も増えてくるのではないかと思います。
本書を読んで、個人規模で5Gに備え享受されるのは、5Gを活用や新しいビジネスモデルに慣れていき、5G関連の株などの投資したりする、というところかなと思います。
💡How the Book Changed Me | この本を読んで
- 5Gの普及はまだまだこれからでありハイプ・サイクルでの安定期は2025年以降
- 5Gが普及すると通信が「高速化・低遅延・同時接続性」が向上するため、その恩恵を受けるビジネス領域はチャンスが多い。
- 5Gの新しい性質により想像していなかった大規模データ通信が可能になり、ヘルスケア分野など注目したい