最近ではすっかり一人一台スマートフォンを持つ時代になりました。パソコンを使わなくてもスマホがあれば事足りることが殆どになり、その小さな本体の中には最先端のテクノロジーが詰め込まれています。
そんな最新技術が詰め込まれたデバイスの中身を分解していきながらものづくりを見ていく事ができる分解本です。
著者はツイッターでも活躍されているテカナリエさん。
ヒートパイプ見てると
— テカナリエ清水 (@techanalye1) 2024年2月25日
蟹食いたくなった pic.twitter.com/ut0DSSiUn9
分解をされている方はYoutubeにも居るのですが書籍としてまとめられているのはテカナリエさんが最初ではないでしょうか。
📒 Summary + Notes | まとめノート
Apple製品を分解
本書はチャプター7まではiPhone、Macなど製品カテゴリーごとに古いものから新しいものまで比較し、iPhone14 Pro移行は製品やコア部分を詳細に分解した様子が紹介されています。
正直わからない部品が殆どなので凄さも理解しきれてはいないのですが、部品の性能を新旧で比較すると性能差が歴然とあり、数年後とにメジャーアップデートもあるということでApple製品の発表を見ているだけではわからない情報も盛り沢山で、価格の変動なども納得というような様子が伺えます。
本書を見ていてコア部品には中国企業が見られなかった事は驚きで、かなり台湾、米国製品が多く構成されていました。一方で記事を探してみるとまだまだサプライヤーとして中国メーカーは多くありますので、半導体でない部分に関しては中国メーカーを多く活用して、半導体部分は台湾、米国、日本などのメーカーを採用しているようです。
中国でのビジネスは少し停滞ムードです。
https://www.statista.com/chart/9265/apple-revenue-growth-in-china/
用語
- SIP(Silicon In Package、System In Package)
- PMIC:電源管理IC
- 3D TOF LiDAR
- TAPTIC
登場企業
- TSMC:GPU、CPU、PMIC
- 村田製作所:セラミックコンデンサ
- 太陽誘電:セラミックコンデンサ
- Arm:
- KIOXIA:NAND
- QUALCOMM:Baseband
- BROADCOM:タッチコントローラー
- CIRRUS Logic:オーディオプロセッサ
- BOSCH:モーションセンサ
- KNOWELS:マイク
- テキサス・インスツルメンツ:LEDコントローラー
- アナログ・デバイセズ:タッチコントローラー
- NXP:NFC
- スカイワークス:フロントエンドモジュール
- ブロードコム:フロントエンドモジュール
- シリコンワークス:ディスプレイドライバー
- USI:UWB通信モジュール、GNSS受信モジュール
- SK HYNIX:メモリ
- NORDIC:
- AMD:GPU
- QORVO:
- アプルス:電子コンパス
- KNOWLES:MEMSマイクロフォン
- STMICRO
- 日本電波工業(NDK):水晶振動子
- MACRONIX:フラッシュメモリ
- WIMBOND:フラッシュメモリ
- KEMET:キャパシタ
- VISHAY:キャパシタ
- RUNESAS:充電コントローラー
感想
Appleの強さを分解から紐解いていく本でした。半導体について知らないことだらけなので製品にどのように使われているのかなと思い手にとって見た本なのですが、予想以上に製品数が多く、これがあの小さなデバイスに詰め込まれていると思うと凄まじさを感じます。
それでいてデバイスとして完成するように精密に組み合わせて機能するように組み立てるというのは感動するレベルです。
大きさの制限という事で最先端技術を存分に使う必要があるというのはとてもよく感じ取れました。
旧シリーズからの進化もものすごいもので、数年ごとにしっかりとアップデートしていかないと最新のテクノロジーは活用できなくなってしまうようにも思います。この技術進化の便利さを享受していくのか、それともどこかで最新の技術価値を得ない生活スタイルにするのかというのは考えものです。
たまにAppleの進化は終わったなんて話がありますが、まだまだものすごい製品づくりがされているのでしょう。
Appleの強さを理解するためには他の製品のことも知りたいと思ったので色々な製品の分解も見てみたくなりました。