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会社の活動とお金の流れが見えてくる 決算書の読み方の基本 | 天野 敦之 (著) | 2024年書評26

前回の大手町のランダムウォーカーさんの著書から続き決算書の読み方の本です。どちらかというと前著の方が初心者向けで体系的な理解について考えられている本だったらこちらは少し一歩踏み込んで細かい部分を見ていく本になります。

より会計や簿記の用語がこちらの本では出てくるので少しとっつきにくさはあるかもしれませんが基本的な説明も多いので、どちらも初学者には良い気がします。

📒 Summary + Notes | まとめノート

決算書とは

決算書から読み取れる情報は収益性と安全性です。

収益性:会社がどれだけ効率的に儲けているか

安全性:会社が倒産せずに借金を返せるか

決算書には難しそうな用語が多いのですが、勘定科目と呼ばれるものであり、BSには資産、負債、純資産、PLには収益、費用の勘定科目が記載されます。

決算書内容についてメモ

貸倒引当金:債権が返済されなくなってしまうこと。将来発生する損失に備えてあらかじめ費用を発生させておくもの。

棚卸資産(在庫):棚卸資産が多いと会社が投資したお金が回収されてない事を意味するために少ない方が良い。

益金:会社にとって益金が少ないほど、また損金が多いほど、税金が少なくなる

売掛金:売上高だけでなく売掛金の額も確認し、無理やり売上を伸ばしていないか見る

EBITDA:営業利益+減価償却費。減価償却費の計算方法は定額法や定率法などあり、また国別に減価償却の税規定が異なるために会社間の業績を比較しやすいものにしたもの

投資キャッシュフロー:プラスになる時は固定資産や有価証券の売却などからキャッシュを集めたことになるために、キャッシュが必要な事情が無いか確認する(買収やリストラなど)

フリーキャッシュフロー:営業CF+投資CF。

ROE:株主が投下した自己資本と株主のものになる当期純利益を比較する指標。株主にとっての収益性を見るもの。負債の割合を増やしても増加する

流動比率流動資産÷流動負債であり、200%が目安とされ倒産リスクを見る。

固定比率:固定資産が長期の資金でまかなわれているかを示す指標

D/Eレシオ:有利子負債÷自己資本。1倍以下であれば財務安全性が高い

インスタントカバレッジレシオ:EBIT÷支払利息:すくなくとも1に近い、または1を下回るような場合は危険な状態にある

感想

基本的な部分は他著と似たような内容であるために簡易的にまとめていきました。本書全体、特に後半に各指標に対する見方が記載されており、例えばD/Eレシオが1倍以下であれば財務安全性が高いなどのような説明がしっかり書いてあり知見が増やしていける事が特に良く感じました。

決算書を読む中で難しいのは各指標がどうだから、どう解釈するのか?という点であると思います。用語を勉強した際に判断基準の出発点があると、そこから高いのは何故か?と注目することもできます。業種や企業の状態に依って考え方はあるために、必ずその判断基準が絶対かといえばそうでないと思うので、その点過去の決算書との比較、同業他社との比較という癖付けをしていきたいものです。

各指標について決算説明資料においてKPIとして利用する会社もあるので、この会社はROEに注意してやっているため株主への考えが強いのかな、や内部留保ばかり増やして財務安定性を高めたいのかななどのアイデアを見つけていく事が大事だと思います。

一部理解しきれないところもあったので、これからも勉強続けたいですね。

 

本の内容はとても良かったのでYoutubeなど探してみたらチャンネルを持っていらっしゃるようで、ヨガからスピリチュアルにハマっているようなのも気になりました。

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