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会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 | 大手町のランダムウォーカー (著) | 2024年書評25

決算書を読めるようになりたいと思い何冊か読んでいるのですが、Twitterで話題だった大手町のランダムウォーカーさんの著書、世界一楽しい決算書の読み方を読みました。

決算書は会計の勉強をした人にとっても最初読むのは難しいようで、誰にでも触れやすいようにビジュアル化してクイズ形式にして楽しめるようにSNSで発信をしていったという著者の思いがとても上手く表現されたとても良い内容でした。

決算書は義務であり、正しく報告しなければならないためにある種誤魔化せない情報を提示しなければならないために、決算書が読めると企業の様々な状況や方針を掴むことができます。

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決算書の理解をするためには多くの数をこなしてそこの数値を持ってどう読み取るか、という経験を積み重ねていく事が重要で、そのきっかけとして分かりやすくとっつきやすいアプローチというのはとても価値が高いように思います。

📒 Summary + Notes | まとめノート

決算書の全体像

上場企業は年に一回有価証券報告書、四半期ごとに四半期報告書を提出する事が求められています。株主が損をしないための仕組みでもあります。決算書に間違いがあることを粉飾などと言いますが、過去粉飾決済で様々な企業が問題になっていますね。

決算書は一般的に4構成です。

  1. 貸借対照表(B/S)
  2. 損益計算書(P/L)
  3. キャッシュフロー計算書(C/S)
  4. 株主資本等変動計算書(S/S)

貸借対照表

貸借対照表は企業の財産状況が分かるものであり、どのようにお金を集めてどのように使っているのかが記載されます。

ビジネスモデルに依ってそのバランスが変わってくるのがとてもおもしろいのですが、本書で紹介されているのは、メルカリとブックオフのようにどちらもリユースビジネスの企業です。メルカリはブックオフと比べて店舗を持たないために固定資産が少なく、また顧客の費用をプールする仕組みから流動資産が多くなります。IT企業はこの傾向が強いです。

ニトリ、無印、ユニクロの比較ではニトリは倉庫を店舗と別で所有することから固定資産が多くなり、ユニクロは在庫を店舗内で持つなどの特性から固定資産が少なめなどのポイントが紹介されています。

UFJスルガ銀行セブン銀行の比較ではセブン銀行は貸出よりもATMのサービスがメイン業務になっていることから、貸出金の少なさが目立ちます。

このように、ざっくりと固定資産と流動資産の特徴からその企業がどのようなビジネスモデルをしているのかを貸借対照表から読み解く事ができます。そうるすと貸出が多い銀行などはこれから金利が上がれば利益が上がってくるのでは?または、返済が難しくなるために倒産による損失などもあり得るのでは?というような勘所を掴めるかもしれません。

損益計算書

損益計算書は特定の期間における会社の売上と費用、利益がわかります。収益、費用、利益・損失、が主なポイントです。

費用の部分にはIT企業や成長企業であれば販管費が多くなりますし、土地や有価証券の売却などの営業外の費用などもわかります。

例にあるセブンイレブンブックオフ、キャンドゥの比較では、セブンイレブンフランチャイズのためにぱっと見の原価費が直営店舗のものしか見えないために、フランチャイズモデルの損益計算書を読む際は注意が必要です。

同様にコメダでは他のコーヒーチェーンと異なりフランチャイズ(ただしライセンス料は取らない)であり、コーヒー豆の卸をフランチャイズ先に実施しているために、卸業の損益計算書に近いかたちになります。(販管費が少ない)

コストコなどは会員費で収益を得て、原価率が高い販売単価ということも損益計算書からわかります。

ユニクロZARAの違いなども比較されており、ユニクロヒートテックのような定番商品が多くあり、ZARAはトレンドに沿った新作を売り切るスタイルなど比較されており同じ業界であるけれどもビジネスの優先順位がどのように違いそれが損益計算書にどう出るのかと解説されています。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフローは現金の増減を表すものです。大きく分けて営業、投資、財務活動の3種類からなります。営業は本業でどれぐらいキャッシュが増えたのか、投資は投資活動によりどれだけキャッシを使用したか、財務は資金調達や返済でのキャッシュ増減がわかります。

企業フェーズによってその3項目のバランスは変わるのですが、営業CFがプラスになれば成長が、投資活動が多ければマイナスが多くなり、資金調達をすれば財務はプラスになります。

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その他

決算書から分かるもの

ツール

  • バフェット・コード
  • EDINET

感想

決算書を楽しむための読み方を解説してくれている本でとても面白かったです。勉強になったなと思う点は比較やビジネスモデルに依る傾向の違いを見るという点でしょうか。

  • 業態が近い企業同士での比較
  • ビジネスモデル(ビジョンやミッション)と決算書の一致程度

とっつきにくい事を分かりやすくかつポイントを外さないというのは重要な事だと思うのですが決算書という面白い・でも難しいというものを楽しく親しみやすいものにするというのはすごく思います。

これからも決算書に関わる本から読み方を勉強しつつ、決算書を実際に読んで株式投資に対するアイデアをつけられるように鍛錬したいです。