御茶ノ水にある美術学校であるOCHABIが出版している本になります。そのため学校の宣伝や教材としての要素があるのであろう本です。本書を読んで初めて知った学校なのですが1955年から運営されており70年近い歴史があります。
内容自体はさらっとという形になり絵本形式で受け入れやすくという印象がある内容ですが、クリエイティブワークの考え方の導入書として時間がない方にも良い気がします。
📒 Summary + Notes | まとめノート
情報認識の3ステップ
人々は外環境から情報をインプットし、それを元に情報を編集しアウトプットし外部の人に伝えるという流れです。
- インプット
- エディット
- アウトプット
そのために情報のインプットが無いとエディットとアウトプットの部分が時代に沿って変わらないものになってしまいます。本書の表現では思い込みのサングラスを取り外すことの重要性を説きます。そこの過程に絵があると人間の認識的にも便利であり言葉だけの表現よりもうまく伝わります。
ビジネスでも同様でリサーチ、開発、商品デザイン、販売、成果分析、類推、リサーチという流れがあり、時間が経てば新しいリサーチが必要になります。広告に求められることは振り向かせることであるために、伝え方(アウトプット)が大事になります。
6つのキーワード
情報認識の3つのステップに関して6つのキーワードを挙げられています。
情報を受け入れるためにはまず自分の考えが古くなっている、捨てる準備ができていおりまたゼロに戻して考える準備が必要です。ビジネスの現場においても「プロダクトアウト」「マーケットイン」という言葉があるように、製品の作られ方も異なり、市場の声を元に作るのか、自社が持つ技術などの優位性を元に製品にするのか思考の変化は常に必要です。
アフォーダンスというのは動物の知覚や行為を促すというもので、例えば椅子であれば見ただけで座るものというような感じられるデザインされたものに対して使われる事があります。
クリエイティブを目指す3つの方法に紹介されているものは下記です。
- 表現の技法を磨くこと
- ターゲットに対して価値あるコンセプトからデザインを組み立てること
- 技術的なシーズから発送すること
感想
本書の後半はアートに話が移り、特に絵画表現、イラスト表現の重要性などが説明されており美術学校がおすすめになりそうなまとめにつながっていきます。アート表現において歴史や技術背景を知ることで、例として印象派が流行った時代のことを話に交えながら、楽しみが増えていく事が書かれています。
言葉よりも視覚表現が重要になるというのは確かにと思う事がありますよね。値段だけではなく、パッケージや見た目で購買行動を決めることは常にあります。
美術学校が出版していることもあり、進研ゼミ的な課題認識→行動→問題解決というような構成の中で本書が作成されているように思います。そこに本書でもキーと言われているイラスト表現を多分に活用し「大人の絵本」と言う言葉も帯にあります。過去読んできた本でもプロモーション用の本は色々ありましたが、出版の一つの形に感じます。