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訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

2018書評 #5 新しい文章力の教室苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

ブログを始めたこともあり、色んなブログで紹介されていた本を読んでみた。

 

本というとそのナタリーの編集長である唐木さんが新人向けに書いた文章の書き方紹介本。

本の内容というと、メディアとして中立的な立場の文章を心がけ、意味が間違って伝わらない、受け取り方が変わってしまう可能性を少なくする、というような点にフォーカスをあてそのためにはどういった内容を注意していけばよいのかということをとても丁寧に纏めてあった。

この本には事実をいかに間違いがないように読み切ってもらえる文章にするのか、という事が書かれているのだが、多くのブロガーの中には内容を膨らまし煽るような文章が見られることは少し滑稽に感じた。

ただし、本の内容はすべての社会人にとって読んで損が無いように感じる。

 

理系の論文でも厳密さというのはとても大切な点である。実験結果などを書く時に修飾する言葉がどこにかかっているのかかけ間違えると意味が大きく変わってしまう文章があるので、日頃文章を書く人がぜひ意識したい点である。

また変に難しくしてしまう内容のものもあるが、そういった文章は最後まで読まれにくい文章でもある。読みにくいと感じた印象の積み重ねで読者が最後まで読み切ること無く離脱してしまうような文章は決して良い文章とは言えないだろう。

同じ内容を伝えたい場合でも、どの内容に一番重点を置いて伝えたいのかで書き方も変わってくるので、書く材料をしっかりと揃えて文章を書いてみたあとに、重要な内容が伝わりやすい文章になっているのかなど意識する事もとても大切である。

最初の慣れないうちは本の中に出てきてる構造シートというテンプレートを用いて文章の組み立てが身につくまで使ってみるというのもとても良い手段であると思う。

構造化シートといのは、主眼、各話題と順番、アピールしたい優先度を表にして一度書き出して整理するという方法である。

こうやって聞くと、文章の書き方もトレーニングであり、構造化シートの訓練を繰り返すときっととても良い文章の書き手になるのであろう。ある種ナタリー的な文章を目指す場合にはとても良い手段であると思う。

朝日新聞に思い入れがあった時に本多勝一さんの日本語の作文技術という本を読んだ。もう記憶が定かではないが文章の書き方に付いてとてもわかり易く書いてあった覚えがある。(こう振り返ると昔読んだ本の内容は簡単に忘れるものであると改めて気付かされる)

さて、このブログはそういったナタリー的な文章がかけているのかというとあまりそういった自身は無い。むしろ日記的な内容になることが多いので冗長で怠惰な組み立てになっていることが殆どである気がする。

文章を書く目的にもよるのだけれども、仕事やマスメディアなど多くの人が誤解の無いよう読む必要があるというものに関してはぜひ書かれていた内容を意識したい。

時に仕事でもやりとりしている中でメールなどでも意味が複数取れるような内容の場合があったりするものでチャットなどで早いレスポンスのあるツールなどでは文章の組み立てなどはあまり気にする必要は無いのかもしれないが、相手に頭を使わせない優しい文章というの視点で自分の文章を読み返してみるのが良いかもしれない。

本の中にはとても基礎的な内容と思われる文章の書き方注意点も沢山あるのはあるのだが、きっと文章を書くプロがこうやって纏めているのだから出来てない人が山程いるのだろう。

このブログの書き方は昔とても楽しく読んでいた極東ブログの文章の書き方に少し影響されているように思う。今では更新が少し途絶えており何か好きだったものがなくなってしまう寂しさを隠さずにはいられないがある種少しダラダラとした示唆に富んだ文面がとても好きであった。

 

もともと本を沢山読んだ割には忘れてしまうから書評でも書こうでは無いかということで書き始めたブログでもあるので、時にナタリー式では無い文章になってしまうのは仕方ないと甘えていきたいと思う。

文章の書き方も、部屋の中も、人間関係もどんなものもメンテナンスが必要だと思っている人間であるのでこういった文章の書き方をもう一度体系的に勉強できてとても有意義な読書になったと思う。

文章を書く機会のある全ての人にぜひ教科書的に普及して欲しい本である。