以前にも紹介したことがあるAli Abdaalさんによる勉強方法に関する動画。
新しい物事を身につけるにあたりどういった勉強方法(意識づけ)で臨めば良いか詳しく動画に纏められていた。
Study Tips - How to learn new content
その名も新しい物事の学び方。
動画は主に理解と暗記の二点について述べている。
1. Understanding 理解
初めて学ぶ事に関してとても大事なのはまず理解する事である。
理解しているという事がどういう事かと言うと、ひとつの例としては、誰かにしっかりと説明できるかどうかと言う点である。またもう一つのポイントとしては、その事について何かと結びつけて説明できるかと言う点である。誰かに説明すると言う例に関しては、相手が全く何も知らない5歳児に説明できるかと言う点も意識すると良いと述べられている。
何かを勉強する時と言うのは概ね教科書を読んだり、Webページを読んだりと言う事になると思うのだが、その中でただ文字を読み進めているだけでは勉強と言うより文字を読んでいると言う受け身の吸収になるため、教科書などを読む際には以下の3点を自身に問いかける事。
- What have I just read? 自分は何を読んだのか?
- What are the key ideas? キーの考え方は何であったのか?
- Can I rephrase this in my own words? 自身の言葉で言い換える事が出来るのか?
Anticoagulationやfibrillation、Embolizingなどの単語が出てきて例えが非常に難しかった。
アクティブに学んでいる事を自分に問いかけて
○○はどう言うもので、これがなぜ必要かと言うと…
○○○の時に○○が必要になり、○○○とはこう言う意味の事で、つまり言い換えると…
○○○は××が起きた際に大事な事であり…
××は…、なんだっけ?となったら教科書などに戻って理解する。
と言うような流れで理解していくと良いようである。
Make it stickと言う本が良い本として紹介されている。
この本の最後にメディカルスクールに入学した生徒の事が描かれており、生徒は勉強する際には本を何度も読み返して記憶を定着させていくと言う作業を行なっていたようであった。そこで、その生徒は本を読み進める際に、途中で文字を追うのをストップし、いま何を読んだか、いま学んだ事はこう言う事で〜などと問いかけ、その理解であっていると分かったら次に進むと言う読み方に移行した。最初は慣れないため自分に合うスタイルの問いかけを見つけるのが苦労したようであるが、繰り返しの再読方法では十分なテスト結果で無かった一方で問いかけによる理解しながらの読みすすめでは大きな効果を生み出したようである。
この生徒が一番大きな壁と感じたのは、方法を信じて、問いかけながら理解する読み進めを結果が出るまで続ける事だったようである。
この生徒は科学的なバックグラウンドが無い中で最下位の成績から他の生徒のメンターになって勉強の方法を教えるようになったとの事である。
もちろん良いバランス(理解しきれなかった箇所があった際に最後まで読み進め全体像を掴んでから際理解に励む)も大切だと思うのであまりに時間をかける必要は無いかもしれないが、自身への問いかけながら勉強する事はとても有効では無いだろうか。
自身も業務の中でよく考えるのは、
- この事が科学的なバックグラウンドが無い人が聞いたらどう考えるだろうか
- 興味・知識の無い人が見た時に理解しやすいのはどう言う伝え方だろうか
- 海外のメンバーが客先との面談内容を知らない中でアクションするためには何が必要であろうか
- 仕事を進める中で誰の合意が必要で、どんな内容が伝われば良いのか、承認を得る必要があるスタッフの知識や仕事背景は何であるか。承認するためにはどういった内容のレポートがあれば良いか
などのことを考えながら取り組むように心がけるようにしている。
特に新しい情報に触れる場合には、その結論が出ている理由は何であるか、セオリーは基礎科学により説明可能か、異なる場合にはその方向へ物事を進めたい理由が他にあるのか、他の人間に同じように伝えた場合に納得され得るのか、などを意識して、できる限り5歳児がわかるような簡単な例を思い浮かべるように心がけている(つもり)。
さて、物事を理解した中で今後は時間が経つと理解した物事も忘れてしまうために、記憶の定着(暗記)についてステップは移る。
2. Remembering (Memorizing) 暗記
記憶の定着には2つのキーは、Active recall(記憶のテスト)とSpaced repetiton(間隔反復)がある。人の記憶には忘却曲線と言うものがあり、物事は忘れてしまうものであるので、適宜テストする必要がある。この方法はスプレッドシートに纏めるもよし、フラッシュカード(単語帳)で習慣化するもよし、スパイダーダイアグラムに纏めるもよし。
これらの事を意識してみると、義務教育で受けてきた学校のシステムと言うのは以外と優秀で、授業があり、授業内容を復習する小テスト、中間テスト、期末テスト、一般模試、とあり、授業〜復習で理解し、テストで理解の確認(記憶の引き起こし・理解度の計測)があり、それが適宜実施される。うまく活用すれば記憶は忘却曲線上にて下りの遅いカーブとなるため長期間脳に留めることができる。
TOEICを定期的に受験して、試験に備えて単語を覚えなおすこと、文法を見直すこと、テストにより脳を活発にしながら勉強できることはとても良い勉強方法であるように思う。ただ、これをする中で理解しようとせずに、問題を解いて、正か誤であるかだけをみて一喜一憂すると言うのは違うので、問題を解くのであれば間違った箇所がどこであったのか理由は何でだったのか、間違えた問題は考え直したら理解できるものであるのか、理解出来ない場合は単語や文法を理解しなおす、などとする必要がある。
まとめ
何より大事なのは、まず理解すること。
(問いかけながらの読み進め、他の人へ説明できるようになっているか)
それに加えて理解した物事を定着させるために、反復確認が長期的な記憶には必要。
仕事を初めてよく思うのは、「これ私の専門じゃないので…」「これ私の判断じゃないので」などといって理解を怠るケースが世の中に溢れている気がすると言うことだ。
物事を取り扱う際にこういったマインドは自分への甘え他ならないので、一生に一度しか使いそうな場面が無い物事などはそれで良いだろうが、今後触れることがある物事については疑問を解決しながら理解するよう取り組みたい。
以下の記事も参考にどうぞ!
(Active recall、Spaced Repetitionの詳しい動画です!)