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米軍式 人を動かすマネジメント--「先の見えない戦い」を勝ち抜くD-OODA経営 | 田中靖浩 (著) | 2022年書評#22

だいぶ久しぶりとなってしまいました。
なかなか書評を書く気力が残っていなかったですが今年こそはしっかりとせねば…と思い立ち少しずつ再開していこうと思います。
 
 

OODAとは

PDCA(Plan→Do→Check→Action→Plan…)文化が根強い日本文化ですが、本書ではOODA(Observe→Orient→Decide→Act→…)について述べられています。

米軍式のマネジメント手法のようで、予測しにくい未来に対応しやすいように、計画は薄くただし観察をしながら変化を掴み決定していこうというものになります。

イラク戦争でのイラク軍が例に挙げられていますが、ソ連式のトップダウンのシステムであったイラク軍はアメリカ軍が行った防空・連絡システムを破壊攻撃の後、全く機能しなくなったようです。自主的に動けない個々人により実力を発揮する前に戦争が終わるというものであったようです。

東芝不正問題はPDCAの結果とも言えると言います。本書としてはOODAをビジネスの世界にも適用することを目指します。ビジネスの世界では変動要因が多く、遠い未来が予測できない中での機動戦のため、ピボットしやすく計画から逸脱することも加味しながら動く必要があります。

OODAを実施した先人たち

本書ではOODAの代表3人をあげています。

フレデリック・テイラーは「科学的管理法」から効率のよさを求めました。テイラーの手法を実践したのはフォード、さらに会計の観点から能率をもとに調整と統制の仕組みを作ったものはマッキンゼーでした。

1日2時間しか営業しないビールスタンド

OODAではミッションが明らかになっていることが重要と言います。その一つの例として、流川のビールスタンドが書かれています。2時間しか営業しないのですが、街全体としての利益を考えて、営業は2時間のみでメニューもシンプル。自分たちのお店がしまった後にお客さんが周辺の飲食店を活用すれば街自体が潤うという流れです。

ビールスタンド重富 (銀山町/ビアバー)

自分たちの商売によって世の中をどのように変えていきたいのか、ミッションが明確であるからこそ経営方針が固めやすく、周囲のフォロワーも増えたようです。

任せる文化

自身もアメリカ企業に居て思うことですが、任せて仕事をする文化が多くあるように思います。本書で例としてあったことに、LINEの経営で細かい部分まで計画を出し、不確定要素で変更をするとトップの意思が変わった…と従業員もモチベーションに影響することが挙げられています。

細かすぎるPDCAで支配するよりも任せたOODAで細かなアクションは各部署で設定するなど適度な区域への目標立てはとても良いように思います。

この本を読んで

予算取りのための計画書などでどうしても計画を大きく出すなどしないといけない場面などあるのは確かなので、全てに対してOODAを的なアクションを望むためには企業文化や組織の金策など下地が必要なことは多々あるものの、計画重視かつ一度決めたことを捨てきれない経営文化は多く見られるように思います。

そういった中で新たな視点を持つという意味でOODAというツールやマインドは役に立つのかなと思いました。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://amzn.to/3MuRVj7 人間と適応 単行本 – 1982/2/2 ルネ・デュボス (著), 木原 弘二 (翻訳)
  2. https://amzn.to/3MiIWRG 参謀総長モルトケ―ドイツ参謀本部の完成者 単行本 – 1984/9/1 大橋 武夫 (著)
  3. https://amzn.to/3lduZc1 孫子の兵法―――考え抜かれた「人生戦略の書」の読み方 (知的生きかた文庫) Kindle版 守屋 洋 (著)
  4. https://amzn.to/3MfSf50 予算管理ハンドブック 単行本 – 1986/5/1 青木 茂男 (監修)
  5. https://amzn.to/39ofbAA 米国管理会計論発達史 単行本 – 1993/4/1 広本 敏郎 (著)
  6. https://amzn.to/3LrL9JD シュワーツコフ回想録―少年時代・ヴェトナム最前線・湾岸戦争 単行本 – 1994/2/1 H.ノーマン シュワーツコフ (著), H.Norman Schwarzkopf (原著), 沼沢 洽治 (翻訳)
  7. https://amzn.to/3PkpYvU マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓 単行本 – 1997/5/1 ロバート・マクナマラ (著), 仲 晃 (翻訳)
  8. https://amzn.to/3NbPkKG インフォメーション・ウォー―狙われる情報インフラ 単行本 – 1997/6/1 江畑 謙介 (著)
  9. https://amzn.to/3PplKU6 名将の演出―号令・命令・訓令をどう使いわけるか 単行本 – 1977/1/1 大橋武夫 (著)
  10. https://amzn.to/38tdQbt 湾岸戦争 砂漠の嵐作戦 単行本 – 1998/9/1 F.N. シューベルト (編集), T.L. クラウス (編集), Frank N. Schubert (原著), Theresa L. Kraus (原著),
  11. https://amzn.to/3yCM5YO 現代の航空戦 湾岸戦争 単行本 – 2000/2/1 リチャード・P. ハリオン (著), Richard P. Hallion (原著), 服部 省吾 (翻訳)
  12. https://amzn.to/3lcCzn4 戦略論大系〈3〉モルトケ 単行本 – 2002/3/1 片岡 徹也 (著), 戦略研究学会 (編集)
  13. https://amzn.to/3FImQpq J.O.マッキンゼーの予算統制論 単行本 – 2006/9/1 北村 浩一 (著)
  14. https://amzn.to/3FL2uMc アメリ海兵隊のドクトリン 単行本 – 2009/2/1 北村 淳 (著), 北村 愛子 (著)
  15. https://amzn.to/39fLEZH ドイツ参謀本部-その栄光と終焉 (祥伝社新書168) 新書 – 2009/7/28 渡部 昇一 (著)
  16. https://amzn.to/3yE0x2M インテリジェンス入門―利益を実現する知識の創造 単行本 – 2009/10/1 北岡 元 (著)
  17. https://amzn.to/3FKYN9k |新訳|科学的管理法 単行本 – 2009/11/28 フレデリック W.テイラー (著), 有賀 裕子 (翻訳)
  18. https://amzn.to/3l8caab ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (Nigensha Simultaneous World Issues) 単行本 – 2009/12/1 デイヴィッド ハルバースタム (著), David Halberstam (原著), 浅野 輔 (翻訳)
  19. https://amzn.to/39lAJ0p リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす Kindle版 エリック リース (著), 井口 耕二 (翻訳), 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長) (解説) (その他)
  20. https://amzn.to/3L8LRLn リーダーを目指す人の心得 Kindleコリン・パウエル (著), トニー・コルツ (著), 井口耕二 (翻訳)
  21. https://amzn.to/3LdCXfG マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 文庫 – 2013/4/10 マイケル・ルイス (著), 中山宥 (翻訳)
  22. https://amzn.to/3l9OPEZ リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ (角川oneテーマ21) 新書 – 2013/5/10 高野 登 (著)
  23. https://amzn.to/3PkqxWy シンプルに考える Kindle版 森川 亮 (著)