One week later, 434,000 nights have been booked. That’s $15M going to Hosts in Ukraine
— Brian Chesky 🇺🇦 (@bchesky) March 12, 2022
On behalf of our Hosts in Ukraine, thank you. https://t.co/TXoQzDbF9l
📒 Summary + Notes | まとめノート
ロシアのウクライナ侵攻に伴いウクライナの人々へ資金提供の意味も含めたAirbnbの空予約は15Mドルに及びました。この対応を含めそのビジョンから多くの人が憧れる経営者の事業創設物語、Airbnb Storyを読みました。
One week later, 434,000 nights have been booked. That’s $15M going to Hosts in Ukraine
— Brian Chesky 🇺🇦 (@bchesky) 2022年3月12日
On behalf of our Hosts in Ukraine, thank you. https://t.co/TXoQzDbF9l
Biran CheskyはAirbnbの創業メンバーの1人でリーダー的な役割をしています。ブログはテック界隈では人気のようで今では更新がほとんどされないもののとても良い文章が多く記されています。
Airbnbの始まり
Airbnbの物語は多くの所で語られています。3人の創業者はアメリカで最高ランクの美大と呼ばれるロードアイランドスクールオブデザイン(RISD)です。メンバーはブライアン・チェスキー、ジョーゲビア、ネイサンブレチャージクの3人。
チェスキーとゲビアはルームメートと過ごしていましたが、ある日ルームメイトが取る全部屋を出て行き家賃支払いが困難になります。ちょうどそのタイミングで国際デザイン会議があったため、空き部屋にエアマットを置き、会議の参加者に対して安値での宿泊を広告します。
サイトを作成し、1晩80ドルで格安に泊まれる、と売り出すと思いの外すぐに予約が埋まります。サーブという初めての利用者からフィードバックをもらい、その日にあるペチャクチャナイト(ショートプレゼン大会)で空き部屋宿泊サービスについてプレゼンをすることにもなりました。
エアベッド&ブレックファストと名付けて始まったサービスはブレチャージクを迎えサイトを本格的に構築をしていきます。チェスキーは早い時期にサイベルと出会い、彼がトウィッチをアマゾンに売却した経験から多くのヒントを得ていき、エンジェルとのコネクションもでき始めました。
泥臭さ
度々フューチャーされるのはチェスキーはじめチームの泥臭さです。小さなブログに取り上げてもらうべくコンタクトを繰り返し、地元紙やテレビで取り上げられ始めます。借金を返すためには大統領戦に向けてシリアルを詰め替え大統領戦パッケージのシリアルを売りなんと大ヒット。後にYコンビネーターのグレアムは「4ドルのシリアルを40ドルで売れるなら、他人のエアベッドで練るようにみんなを説得できるだろうと思ったんだ」と言いYコンビネーターに入学させます。
Yコンに入ったあとも泥臭い性格は変わらず、ユーザーが多く居るニューヨークに毎週出向いてはユーザーインタビューし問題点を聞いては修正を繰り返します。多く上がった写真のアップロードがわからないというホストに向けてプロのカメラマンが撮影をして見栄えのよい写真を掲載すると良いと思えば、そんなお金は無いということでチェスキーが美大の友達のカメラを借りて撮影します。
Yコンビネータのグレアムは「いかにも優秀なタイプが成功するわけじゃない。成功するのはたいてい、ダメなやつらだ」とチェスキーらの熱心な様子をみて言いました。
セコイアの投資
Yコンビネータのコネクションもあり多くの創業者や投資家に会う中でいよいよセコイアグループからの投資に成功します。セコイアからの出資が決まりブレチャージクもいよいよフルコミットをしてくれます。3人の真面目さやアイデアをこねくり回さずどんどんと実行していく姿はその後多くの成功ストーリーで語られました。
いよいよ3人でどうしようもなくなったチームはいよいよエンジニアを採用します。Arbnbの採用はとても厳しく、多くの面接を重ね、とても慎重に採用する方針だったと言います。後に300人規模になるまでチェスキーは自身で面接をし良いと思ったメンバーのみを採用していました。
創業者がエンジニアリングに強くないことは投資家たちの不安要素であった一方でAirbnbチームにとっては大きな武器となりました。使いやすいシンプルさを追求し3クリックで完結するようにUI/UXを工夫します。
Airbnbはホストの掲載、潤滑でシンプルな決済システム、リコメンド機能など総合格闘技のような複雑な構成になっておりスタートアップの中でも難しいプロダクトでしたが、持ち前の泥臭さで突き進んでいきました。
EJの事件
Airbnbで大きな事件が置きます。ホストをしたEJと名乗る女性が、ゲストに部屋をめちゃくちゃにされ多くのものを盗まれ、犠牲者となります。EJとはブログにこの事件を書き、Airbnbのヘルプデスクへ連絡するも返信はなく、知り合いづてにようやくコンタクトを取ると、Airbnbチームも動き出します。
この時チェスキーは様々な投資家や弁護士からアドバイスを真に受け、対応が遅れるとEJはAirbnbに失望します。そこからチェスキーは本心でない行動をしたことを悔い改め、EJの指摘した24時間稼働のホットラインを設置しました。
この事件を機に、チームにコミュニケーションのプロが必要であるとキムベイル、ベリンダジョンソンを加えました。
企業文化の創出
ビジネスはうまく起動にのり、2013年にはロゴ、ブランド刷新、ミッションを掲げることになります。
「世界中を自分の居場所にすること」それがAirbnbのミッションとなりました。
また、「おもてなし」をどう民主化するかということも考えます。ホストへ対してして欲しいこと、してほしくないことを明記することをアドバイスしたり、レビュー機能をつけること、「スーパーホスト」設置などにより自発的なおもてなしも導きました。
様々な問題とホテル業界
P2Pのサービスはある意味、知らない他人と他人によるサービス。UberやDidiなどでも多く問題が告発され、そのたびにセンセーショナルに報道されており、Airbnbも例外ではありませんでした。
EJの事件にとどまらず、嘘の身分確認を済ませ、ホストを騙しパーティー会場としたり、売春宿として活用されたり、麻薬摂取などに使われるなど多くの事件にも関わります。ホストへの性的暴行や黒人を泊まらせないなどの人種差別、など人間同士で起こる軋轢が何でも起こります。
また規制面でも多くAirbnbは壁にぶつかります。
一番大きな市場であるニューヨークでは、エアビーアンドビーによる部屋の又貸しが問題になり、空き部屋の提供は許されるもののホストの居ない部屋への宿泊は規制違反でありました。各国、都市で異なる規制があるためとても困難な対応となります。
また、アルカイダがテロ活動をする中で、自身のコミュニティの中に知らない人が入ってくることを嫌う人たちも増え反Airbnbの活動も増えていきます。
そこに既存ホテルも加わります。当初は棲み分けが可能と思われホテル業界とも良好な関係であったものの、Airbnbが拡大するにつれてその風向きは変わります。
ピークシーズンに値上げしながら多くの利益を上げるホテル業界ですが、Airbnbがあることでピークシーズンの需要過多による値上げが難しくなります。これは元々Airbnbがカンファレンスの需要過多に目をつけたきっかけでもあるため、ホテル業界へ多くの打撃を与えました。ビジネス客をも取り込み始めたエアビーアンドビーの戦略ともモロにバッティングします。
ホテル業界にとって脅威となるサービスはAirbnbが初めてではなかったものの、Airbnbはそれらのサービスと比べ遥かに使いやすく、洗練されており、ミレニアム世代にとって、とても多くの需要を叶えていました。
リーダーになる
チェスキーはガリ勉であり泥臭く「正しい情報源を見つけられたら、早送りで学習できる」とアドバリスをしつこく、こまごまと、うんざりするほど聞いたと言います。また親とのエピソードでは休暇中の家族旅行では本から目を離さずに夕食の間でも本を読んでいたと。
「幼いころからなにかをはじめると、とりつかれたように没頭していた」という姿は会社創業でもそのままでした。
理想を追い続けることについて問われたチェスキーはトーマス・フリードマンの言葉から「悲観主義者はだいたい正しい。だが、世界を変えるのは楽観主義者だ」と言いました。
チェスキーはHTMLを少しいじったWebサイトを作るぐらいしかできないものの多くの人々をひきつけるリーダーシップがあり、多くのストーリーが描かれていました。
📚 Relating Books | 関連本・Web
- https://ja.wikipedia.org/wiki/Airbnb
- https://medium.com/@bchesky
- https://amzn.to/3N1aw6I シェアリングエコノミー 単行本 – 2016/11/17 アルン・スンドララジャン (著), 門脇 弘典 (翻訳)
- https://amzn.to/35ZhGIk ザ・ピーク―マズロー心理学でモチベーションの高い会社を作る方法 単行本 – 2011/5/1 チップ・コンリー (著)
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