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精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方 | 樺沢 紫苑 (著) | 2023年書評#47

遊び・楽しむというと何かラクしているのようなネガティブな印象を持ちがちです。仕事は楽しむものではないというような哲学などもある程度の認識があると思います。

そんな中楽しむということがどのような効用があるのかを示してくれる本になっています。著者の樺沢紫苑さんも元々は映画のレビューを書くことが好きで本を書くことへと繋がり、本を書くことも楽しく続けられたからこそベストセラーであるアウトプット・インプット大全を書き上げることができたそうです。

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📒 Summary + Notes | まとめノート

 

楽しむことの効用

趣味をもっている人は仕事にも打ち込める方が多いです。仕事を趣味と言ってもよく、キーワードは情熱、夢中、熱中、没入できることがあるということです。

楽しいと感じると脳科学的にはドーパミンが放出されます。ドーパミンは気持ちを高揚させる効果があるとともにモチベーションや記憶力が上がるというスーパーマン状態に導かれます。

一方でストレスがかかるとコルチゾールが分泌され、意欲やモチベーションが低下してしまいます。ドーパミンを上げることで身体・気持ちのコンディションは好転しますが、つらい物事はコルチゾールによりコンディションが低下してしまうのです。

遊びがもたらす5つのメリット

  1. 創造性を鍛える:アセチルコリンの効用
  2. 仕事力がアップする:好奇心、コミュニケーションが育つ
  3. チャレンジ力が養われる:コンフォートゾーンから外れることへの抵抗が下がる
  4. 心と身体の健康:楽しいことを増やせられる
  5. 幸せになる:

良い遊びと悪い遊び

そうしたら遊びと言っても良いものを見ていきましょう。

幸福を考えた時に3種類大きく分けてあります。これら3種の幸福感を高めることにより人生の幸福感も上がります。

  1. セロトニン:健康の幸福
  2. オキシトシン:愛・つながりの幸福
  3. ドーパミン:お金、成功の幸福

良い遊びはこれらを満たすものになります。遊んでいて満足しないときには次の4点を振り返ってみるといいでしょう。

  1. 楽しい:楽しいと思える事がすべての基本
  2. リラックス:疲労回復のできるもの
  3. ストレス発散・リフレッシュ:ポジティブに慣れるもの
  4. 脳を活性化する:仕事へもつながる

一方で悪い遊びは、睡眠を削る、疲れを増やす、長時間の座位、依存性が高い、やりすぎになるようなものです。

遊びのアイデア

本書では遊びの効果を最大化させる方法も紹介されています。

アウトプットにつなげる:

読書をした後に感想や本の読んだ後にするTo Doリスト作成(アウトプット)、実践やフィードバックをする、そのフィードバックに合わせた次の本を読む、とすると自己成長に繋がります。

アウトプットすることで記憶への定着もあり、繋がりも得ることができます。また表現方法を身につけることにも繋がります。

リラックス:

人間は交感神経→副交感神経に切り替わる状態になることでリラックスできます。リラックスすることでよく回復できます。副交感神経は夜に身体を整えるために夜更かしが続くと副交感神経が乱れることになってしまいます。アロマや入浴など興奮から感情を遠ざけることで身体の回復を手助けできます。

一緒に:

複数人でご飯を食べたりするとドーパミンだけでなくオキシトシンも放出されます。ドーパミンはもっともっとという欲求を求めますがオキシトシンにより穏やかな幸福感を得られることができ、またオキシトシン的な幸福は劣化しやすいと言われています。

また、物事を続ける中でも誰かがやっているから頑張れるというような効用もオキシトシンによる側面もあります。教え合うことにより記憶力への定着もあるために繋がりがあるということはとても良いことです。

時間術:

遊びもTo Doリストやスケジュールして行うことによりエンドルフィンの効用を得ることができます。また事前にスケジュールしてある遊びの時間を間に合わせるために仕事も集中して行う作用もあります。また隙間時間を活用した遊び(隙間読書など)をできるようにするのも良いでしょう。

チャレンジ:

遊びでチャレンジすることにリスクはありません。コンフォートゾーンから出るラーニングゾーンではワクワクによるドーパミンが放出されますが、その外にあるデンジャーゾーンでゃノルアドレナリンやストレスホルモンが放出されます。コンフォートゾーンを出る習慣をつけることを遊びで身につけましょう。

運動:

運動で得られる効用は多く、脳の活性化、身体の健康効果、疲労回復、メンタル改善効果などあります。アクティブレストと呼ばれるものもあり、運動する事で休息の質が高まることもあります。良い運動例としては、1日5分の朝散歩、普段の歩き方を早くする、などがあります。

具体的な遊びも本書に紹介されています。

感動する:物語を楽しむ(読書、アニメ、映画)、ライブ、アート鑑賞、

没入する:能動的娯楽(読書、ボードゲーム、スポーツ)

工夫する:いつもと違うことをする

お金をかけない:ガーデニング

集う:コミュニティに参加

制限する:スマホ、ゲームなどの時間を制限

歳をとっても遊ぶ:運動、アウトプット、社会と繋がりを持つ

収入を得る:ネットビジネス

感想

毎日を楽しむ方法ってある種自然と生み出されるものであって、意識的に作られるものでは無いという思いがあったのですが、幸福感から逆算して何をしておけば幸福度が高められるのかを知り、それに対して楽しめるものように時間を使っていくという考え方もあるのだなと思いました。

子どもの頃って新しいことにどんどん触れていき好奇心が耐えなかったですし、また上達していくことや成長していくことがわかりやすくあります。人との繋がりも学校というコミュニティがあり何も考えなくても楽しめる要素が生活に詰まっていたのだなと思います。

大人になると何か楽しむことがネガティブな側面があるように捉えられてラクして頑張っていないというような感覚も多くある気がします。仕事で海外とのやりとりが半分ほどに当たるので日々海外のメンバーとコミュニケーションする中では、この感覚は日本特有に近い部分があると思うのでこの本から楽しむことを考えてみるのもよいのではないでしょうか。

 

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