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レア力で生きる「競争のない世界」を楽しむための学びの習慣 | 小宮山 利恵子 (著) | 2022年書評#16

スタディサプリAI教育研究所所長、小宮山さんの本を読みました。

 

 

📒 Summary + Notes | まとめノート

レア力で生きる

著者はスタディサプリAI教育研究所所長の小宮山さん。

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レア力で生きる、というキャッチーなタイトルですが書かれている内容は、今の変化の激しい時代にその時毎に自分を振り返り、必要な物事を学び、変化していくには、というためにどうすればよいのか?という事を小宮山さんの経験を通じて書かれています。

本書の話から一旦外れて、レア力、という意味だけでいくと最近経済学がとてもおもしろいなと思っています。日経テレ東大学のYoutubeに出られていた小島武仁さんは数学が難しすぎたために、模索した中で経済学を数学的アプローチで解き明かすマッチング理論を研究し、東大のマーケットデザインセンター所長として働かれています。数学と経済学をかけ合わせたレア力でもあると思います。

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「レア力」というとキャッチーさから、ただ「レアであれば」よい印象を持つ方もいるかも知れませんが、しっかり磨いきあげレアにしないといけない、というのはこの手の本を読むときに自身でも気をつけたいことです。

新しい物事へ触れ合う

著者の幼少期、父親は暴力的でありお酒が好きという環境で育ち、離婚した母親に育てられることになります。母親が言っていた「教育は機会を与えてくれる。学べば学ぶほど人生の選択肢が増える」という言葉を胸に一生懸命勉強したようです。

母子家庭でぶつかりがちな壁は資金面ですが、小宮山さんは高校から大学院まで奨学金を獲得し教育の期間を勝ち取ります。

そんな小宮山さんは大学院時代、韓国へ留学する機会を持ち現地での体験の大切さを実体験しました。旅行が好きなのもその理由で、トム・ソーヤーの冒険著のマーク・トウェインが「旅することは先入観や偏見を壊してくれる」とい言葉も大切にしているようです。

本書でリストされている方法は7つ。

  • 旅をする
  • 留学する
  • 仕事を選ぶ
  • 転職する
  • 新たな活動をする
  • 副業する
  • 扉をたたく

ついつい変化に臆病になり、仕事は慣れた職務や環境にしがみつき、休日は家でダラダラするような怠惰をしてしまいがちですが、この7つを意識して1年毎に振り返るだけでも新しい物事への触れるきっかけになりそうですね。

自分との向き合い方

新しい物事へ触れ合うために必要なのはきっと動機です。自分は何をしたかったか、30歳までにやっておきたかったことは、などこのままで良いのか、新しい事をすべきか、どの新しい物事をすべきか、という自分の心の整理の方法はとても大切に思います。

  • 振り返る
  • 自分の個性を知る
  • さらけ出す
  • 自己開放する
  • 協働する
  • 仲間を増やす
  • 得意、不得意を知る
  • 資質を知る
  • アップデートする

具体的なツールとしては、リバーオブライフと呼ばれる年齢とともにある人生の幸福度などの起伏を書くものや、「自分に元気を与えてくれるもの」「エネルギーを奪うもの」リスト、いろんな人とのコラボレーション、4象限のグラフ化、1年毎の振り返り、です。

最近はNotionやEvernoteなどありますので、自分でテンプレートを作っておき隔週や1年毎でも良いので振り返りする習慣なども有効そうですね。

使える英語を身につける

英語は非英語圏の人に取って一つの壁となり、日本のようなある程度経済規模のある国ですと必要性もかなり希薄のように思います。ただし英語を使えることがコスパの良いレア力の鍛え方のようにも感じています。

著者はTOEICで900点で上位3%のスコアだそうです。最初におすすめされているのは語学留学、TOEIC。そこから毎日英語にふれる習慣を作り、外国人と話す機会を見つけ、人前で話す機会を増やし、英語を使って情報収集するようにする。

情報収集はTEDや英書が良く、英語の情報をリアルタイムで得る習慣は良いと言います。

大人になっても学び続ける

全国就業実態パネル調査(リクルートワークス研究所)によると大人になると学ばない人が殆どであるとされています。これだけ変化の大きな時代で学ばないという選択肢を取り始めると知識が化石化していくのは自然です。

  • 学びの蓄積を知る
  • 好きを究める
  • リアルな情報を得る
  • 本を読む
  • モノより体験
  • 想定外を楽しむ
  • メモをとる

面白かったのは各地方に言ったときには地元の銭湯に行き様子を見たり話をするようで、その土地の雰囲気を掴むにはとても良さそうです。タクシー運転手と話をすることも多いようで、地元の政治や学校の事をとの土地に住む人から聞くのは感情も乗ってきて思いを知ることができそうですよね。

チャンスの掴み方

最後の章はチャンスを掴むアプローチです。

  • 発信する
  • 反論を受け止める
  • 個と個でつながる
  • コミュニティに参加する
  • 弱いつながりを大事にする
  • レア力の高い人と知り合う
  • 掛け算する

チャンスを掴むためにはアウトプットする必要がありますよね。そのためには発信して、発信したときのフィードバックを見ます。個人がメディア化できる時代なので、どのプラットフォームでも良いので発信するというのはとても良い気がします。またその際にレスポンスが多い方が良いのでどうやってオーディエンスを獲得していくか、というのも学ぶのは良さそうですね。

発信の先にあるのは誰かとのコラボレーションで、自分の力を活かし誰かの手助けになれることがあれば積極的にコラボレーションすると、さらなる学びの機会が得られますよね。

コラボレーション相手はSNSでも良いですし、コミュニティでも良いですが、接点を持つということが大事だと思われます。

この本を読んで

少しキャッチーなタイトルなのですが、人生100年時代学び続けるって意識しておいたほうが良いよね、と感じました。そのときにレアさを活用すると学びにレバレッジがかけられるので、存在意義も生まれますし、何より物事を前進できる気がします。

一方で、レア力を高めることを阻害する「怠惰な感情」や「マイノリティで居ることの居心地の悪さ」「出る杭は打たれる」あたりの要素に対してどのようにしてモチベーションや感情をコントロールする、というのも気をつけていきたいと思います。

📚 Relating Books | 関連本・Web

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