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87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え  資産18億円を築いた「投資術」 | 藤本 茂 (著) | 2024年書評34

87歳のトレーダーとしてテレ東に取り上げられたシゲルさんこと藤本茂さんの著書を読みました。バリバリにトレーダーをしておりデイを主にしながらも決算プレイやスイング気味のトレードも実施し、含み損のものは基本的に損切りしないため塩漬け銘柄も2億円分ほど損を抱えているということでした。

売買記録を毎日つけ反省し、日経新聞四季報を読む、日経CNBCを聞きながら過ごしているという勉強する姿勢はとても勉強になりました。

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📒 Summary + Notes | まとめノート

生まれ

生まれは1936年と2.26事件が起こった年で、農家の裕福でない家庭で生まれました。大学に行く人は1,2人ぐらいだったということで高校を卒業してから親戚の紹介でペットショップで働く事に。ペットショップのお客さんに居た石野証券の人を通じて株の話を聞き自分でもやってみようと言うことで早川電気、日本石油、大隈鐵工所を購入したのが最初でした。

その後ペットショップの給与が5000円、交通費が1500円で手残り3500円のみの安さと同世代の友人たちは10000円を超える給与をもらっていることを知りペットショップを辞めて自身で独立します。神戸駅の近くで店舗を借り順調に店を続け最後は都市開発で土地の評価額の3倍1500万円で買い上げてもらえるということで喜んで売ります。

その後麻雀が好きだった事もあり雀荘を開始。大繁盛し3店舗までにも増えました。当時転換社債が流行っており取得したことや、村上ファンド阪神電鉄の株を買うなど面白さを再確認し雀荘をすべて売り払い6500万円を元手に株式取引を開始しました。

バブル崩壊や神戸大震災で家のものをすべて失い、10億あった資産も2億まで減ったことから一時期株から離れていましたが、ネット証券の存在をしりすぐにパソコンを購入し開始します。

デイトレード

シゲルさんはデイトレードを主にするのですがその面白さが紹介されています。

  1. 自分の腕を試せる
  2. 長期投資より利益を得られる
  3. 中長期保有のリスクを避けられる
  4. 相場の動向に左右されない

信用や空売りもバリバリに使いこなしているようです。コスモ証券によると個人投資家の株取引の実に7割以上が信用取引ということのようです。(取引額比だと思いますし、信用を使う人は高額を扱うからだとは思いますが…?)

シゲルさんは午前2時に起きてマーケットチェックをし、4時頃に来る日経新聞に目を通して取引の準備をします。7時頃には散歩をし一番勝負の9時〜10時は集中して取引をします。

デイトレードなので板の状態は注意深く見るようです。

注文は指値注文が殆どでものに依っては刺さらない時もあるようです。デイトレード主体なのですが決算も注意深く見ているようで最近はDOE(株主資本配当率)を注意しています。

ポイント

銘柄選定では「増収増益増配」に注目しています。デイトレードであっても成長性がある株を狙いたいため決算には気を配っています。良さそうな株があれば打診買いをし、さらに良さそうであると思えば追加、明確にいけると思ったらさらに追加と1:2:6の割合で買っていくスタイル。

PERの目安は15倍、中小型株で機関投資家があまり手を出さないものが好きです。

テクニカルはRSI、MACD一目均衡表など様々語られていますが、キーはRSIが70%以上では売り、30%以下であれば買いとの目安を付けています。

機関投資家の取引制限

  1. すぐに結果を出す必要がある
  2. 内部ルールを決めている
  3. 小型株の回転売買はしない
  4. 本当のことは公開しない

個人投資家の強み

  1. 休める
  2. 小回りが効く
  3. 自由がある

感想

まず18億資産ということでとてつもない実績の持ち主であるのが単純にすごいですよね。若い頃の生い立ちを見ると世界の情勢を掴みペットと生活すること、神戸に外国船舶が来る時に小遣い稼ぎに海外から動物を連れてきて日本で売る船員がいることなどからペットショップで成功して、その後潔く辞めて雀荘で成功します。

投資は元手が肝心ということでその雀荘を全部売り払っての当時6500万円で株取引を初めたというストーリーはどこかリー・クアンユーシンガポールで若い頃生き抜いた世の中の流れを読み取って動くという事を思い出しました。

ohtanao.hatenablog.com

取引や書いてある事はとても基本的なことが多いのですが、勉強量がものすごく、日系を読んでCNBCを聞いて、散歩しながら街の雰囲気を見て相場感をつけて、決算を見て、さらには四季報を読むという事をしています。シンプルに87歳でここまで勉強してる人ってあまり聞かないですし、社会人になってから勉強してる人ってかなり少ないので、自分ひとりの時間が多いトレーダーという立場で自制しながら勉強を続けられるのは尊敬します。

基本的には成長性(増収増益増配)のありRSIが低いポイントで入り、利が出たら割と早いタイミングで手仕舞うスタイルのようで、おそらくデイトレードなのでそのような形なのでしょうね。先日読んだ清原本では2,3倍まで引っ張れる銘柄を選べとありましたがトレードスタイルの違いから来るのでしょう。株が楽しいと言いそれにのめり込む姿とても素敵ですね。