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複利で伸びる1つの習慣 | ジェームズ・クリアー (著), 牛原 眞弓 (翻訳) | 2024年書評73

習慣に関わる本でかなり多く読まれている本書。習慣の力とともに有名なものの1つです。本書は習慣の力をベースとしてその持続効果を複利で表現したものになります。著者のジェームズクリアーは自信のウェブページで習慣に関わる発信を続けてきました。

jamesclear.com

www.youtube.com

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英語でしたらPDFも無料で読めます。

[https://dn790007.ca.archive.org/0/items/atomic-habits-pdfdrive/Atomic habits ( PDFDrive ).pdf](https://dn790007.ca.archive.org/0/items/atomic-habits-pdfdrive/Atomic habits ( PDFDrive ).pdf)

 

📒 Summary + Notes | まとめノート

アトミックハビッツ(小さな習慣)の力

アトミック(最小単位)とハビット(習慣)を組み合わせてアトミックハビッツとジェームズは表現して、この力の重要性をときます。

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引用:https://jamesclear.com/continuous-improvement

1%の改善を繰り返していくと1年で37倍の結果となります。投資の複利効果と似たような概念ですね。

本書で潜在意識のプラトーと呼ばれる結果と時間に関する関係を図式化しています。期待している進歩よりも初期の改善は小さな改善なので結果がわからずに失望を生み出す期間を失望の谷と読んでいます。そのため結果にフォーカスするのではなく日々の習慣づくりにフォーカスすることはモチベーションとして大切です。

良い習慣づくりに人々はなぜ苦労するのでしょうか。本書では行動変化には3つの層があると言います。第一層は結果、第二層はプロセス、第三層はアイデンティティー。行動変化のために第一層から向かうのか、第三層から向かうのかで考え方が変化します。アイデンティティーベースの考えは例えば以下です。

  • 目標は本を読むことではなく、読書家になること
  • 目標はマラソンに出ることではなく、ランナーになること

習慣の力では3つのきっかけ、ルーチン、報酬、というステップを考えましたが本書では4つのステップで考えます。きっかけ、欲求、反応、報酬です。このために良い習慣、悪い習慣の形成のためにすべきことはそれぞれ以下のようになります。

良い習慣

きっかけ:はっきりさせる

欲求:魅力的にする

反応:易しくする

報酬:満足できるものにする

悪い習慣

きっかけ:見えないようにする

欲求:つまらなくする

反応:難しくする

報酬:満足できないものにする

良い習慣形成のために

わたしたちの習慣はそれぞれ結びついています。1つの習慣をしたら別の習慣をするということは協力な習慣形成になります。特に新しく形成したい習慣を、今実行できている習慣に結びつける方法です。

例えば、コーヒーを淹れたら1分間瞑想をする。瞑想したらその日のやることリストを書く。やることリストを書いたら、すぐ最初の作業に取り掛かる。などです。

習慣形成にはモチベーションは過大評価されているものです。本書ではモチベーションに頼らずに環境にフォーカスします。このましい習慣形成はきっかけをはっきりとさせることです。

例えば、ギターの練習をしたければ部屋の真ん中のギターを置く。忘れずに手紙を書きたいなら、レターカードを机に置いておく。などです。

また、新しい環境と新しい習慣を結びつけることも効果的です。何か新しい作業をする時に新しいコーヒーショップに行くなどです。

自制心を保つためには、悪習慣を打破するための見えないようにする方法も有効です。スマートフォンを見えない位置に置く、テレビのリモコンを隠す、などです。

習慣の形成には思ったよりも時間がかかります。半自動的に実行できるまでには小さな成功体験を積み重ねることが大事です。最小努力でできるようにするのも有効です。特に習慣づくりの最初のステップには2分間以内で実行できるような負荷の低い目標を立てることも1つの手です。

習慣の記録をする習慣トラッカーも良い方法です。行動の変化をはっきりさせ、魅力的にし満足できるものにすれば習慣化の手助けになります。子どもの時の朝のラジオ体操参加のシールなど似たような概念に思います。

良い習慣形成のために立ちはだかるのは退屈です。習慣が退屈しないように改善するために以下の質問は時々立ち止まり考えてみることも有効です。

  1. 今年、何がうまくいったか?
  2. 今年、何がうまくいかなかったか?
  3. 何を学んだか?

メモ

  • 願望のまえに気づきがある
  • 幸福とは要するに、願望がない状態である
  • わたしたちが追い求めているのは喜びという考えである
  • 観察したものを問題に変えなければ平和である
  • 大きな理由があれば、どんなことも乗り越えられる
  • 好奇心を持つことは、利口であるよりもいい
  • 感情が行動を起こさせる
  • 感情的になったあとに合理的かつ論理的になれる
  • 反応は感情に従いやすい
  • 苦しみは進歩をもたらす
  • 行動は、どれほど求めているかを表す
  • 報酬は犠牲の向こうにある
  • 自制が難しいのは満足できないからである
  • 期待によって満足がある
  • 失敗の痛みは期待の高さと相関関係にある
  • 行動の前後に感覚がある
  • 願望は行動を起こす。喜びは持続させる
  • 希望は経験とともに小さくなり、受容に置き換わる

引用:https://s3.amazonaws.com/jamesclear/Atomic+Habits/Habits+Cheat+Sheet.pdf

感想

本書で一番印象的かつ引用されている内容に1%の毎日の改善は位置年で37倍という大きな改善になるという概念に思います。毎日少しずつ何か生活や自分に対して良くしていくという行為の重要性を認識できる点で邦題となっている「複利」という言葉が使われている理由も分かります。

モチベーションに頼らずに環境、システムづくりに注意をするという点は仕事にも日常にも活用しやすいでしょう。

今までうまく行った習慣や楽しかった物事を思い返すと習慣化のコツもあると思います。先生の何気ない一言が嬉しくて勉強していたことや、大学受験時に勉強して友達を帰宅する時間が楽しかったこと、夏休みのラジオ体操のスタンプカードを埋めていく楽しさ、図書館に行って本を読んで閉館時間まで居た満足感など様々あります。書評をまとめていくことも一年に何冊読んだのかということをトラックして満足感を得るための方法でもあるかもしれません。

人生の中で何か改善したいことを見つけて改善していく、という地道なものごとを繰り返していければと思います。

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*1:ハヤカワ・ノンフィクション文庫