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Ideaflow スタンフォードの人気教授が教える 「使える」アイデアを「無限に」生み出す方法 | ジェレミー・アトリー (著), ペリー・クレバーン (著), 小金 輝彦 (翻訳) | 2024年書評64

イデア系の本は色々と読んできましたが、今回は本家とも言えるd.schoolのJeremy Utelyの著書アイデアフローになります。

イデアというと何かしらひらめきのようなものが鍵になると思われがちかもしれませんが、本書ではシンプルに量が大事ということが述べられています。

イデアフローという呼び方をしていますが、一定時間でのアイデア数を増やしてそのサイクルをうまく回すにはどのようにすれば良いのか解説されています。

イデアフロー=アイデア/時間

https://techblitz.com/expert-insight/d-school_mr-jeremy-utley/

hbr.org

ssir.org

著者のリンクトインから著者の別記事を見てみる事もできます。https://www.linkedin.com/in/jeremyutley

📒 Summary + Notes | まとめノート

イデアフロー

脳はまったくのゼロから何かをつくり出すわけではないもので、経験という材料を使って機能しています。

本書で言われているアイデアフローというのは単純に量をどこまで効率的に出し続けられるのか、という考えです。

質を考えてしまうとアイデアを生み出す意欲すら削がれるために、まず発想については質を考えずに量を出すことが求められます。

イデアフローを育てる方法も提案されています。

毎朝10個のアイデアを書き出す

  • 種まき:問題を選んで研究する
  • 睡眠:潜在意識で問題を処理する
  • 解決:問題をアイデアで満たす

イデアフローの障壁はアイデアの不足ではなく、内的センサーだと説明があり、つまり脳のアイデアを拾い上げる訓練をすることを勧められています

書き留める訓練

dスクールでは形あるものに記録しなければ、なかったのと同じという考えの元に、アイデアを書き出す事も重要と考えています。記録の仕方としては、アナログでノートに書く事がアイデアの生み出し意欲としても良いとされています。

厳密な見直し

ノートに書き出したアイデアを定期的に見直して精錬していくことも重要です。アイデアはタイミングが重要のために過去のアイデアを今活用できることにもなります。

スケジュールをやりくりする(暇をもつ)

普段の仕事の中にもバッファーを持ち、例えば金曜日の午後は空き時間などと設定しておくことで情報収集のような時間を意識的に持つことが勧められています。

ジェレミー氏が考える十分と思えるアイデアの量は1つの物事に対して2000個です。IDEOが携わる案件でも4000個のアイデアを検討し200個の詩作モデルを作りその中で成功したのは2、3個程度でした。

最近懐疑論も多くあるブレインストーミングの有効性も書かれています。

イデアが集まったら実験

イデアが集まったらそれをテストする事、実験効率の大切性についても述べられています。正しい検証プロセスを持ち、アイデアの意見を聞いて練り上げていくよりも可能な限りデータで判断していく仕組みが大事です。

重要なのは追求すべきアイデアを選ぶことではなく、小さな賭けをたくさんすること

意見や仮説にもとづいた予測よりもテスト結果のほうが信頼できることがわかると、会社としてのヒット率が劇的に改善した

試験の方法もとても大事です。

  • 仮説を構築する
  • データを収集する:基準値の設定
  • フォローアップする:データの検証

イデアの育て方

視点を多様にするための方法として7つのツールが挙げられています。

  • 学習サークル:他者と話す
  • ペンパル:手紙を書く(誰かと話を書いたり聞いたりする)
  • 顧客評議会:顧客の意見を聞く
  • 異花受粉:異分野の人と交流する(食事、ランチMTGなどが良い)
  • 未経験者に聞く:未経験は新しい視点を見つける武器
  • 補完的な協力者:コラボレーションは新しい視点をもたらす
  • 率直である事由:心理的安全性を保つ(心理的安全性があると良いアイデアを生まれやすい。心理的安全性を下げる要因にレイオフなどがある)

その他にも挙げられています

  • 共感してインタビューする
  • 長めに観察する

好奇心がイノベーションを育てる

HMW(How might we)の質問はよくアイデア出しで語られる方法です。わたしたちはどうしたら良いのか?と考えてみる方法ですが、本書では少し抽象度が高いために具体的なフレームワークにしてみる重要性を提示しています。

  • スケールを変えて見る:対象を絞ったり、対象を拡げたりする
  • 品質:品質をよくする、悪くする
  • 感情:喜びや幸福、悲しみなどの感情を想像する
  • 利害関係:効果の範囲を拡げたり、狭めたりして考える
  • 期待:機能がどうあるべきか、もっとこうなれば良いのにと考える
  • 類似性:

創造性を高める気晴らし

偉大な創造者たちは空き時間の使い方も上手でした。本書では創造的になれない時のアイデアも提示してくれています。

  • 水:濡れてみる
  • タスクスイッチング:行き詰まった時は他のタスクに注意を向ける
  • 趣味に目を向ける:他の事をして意識を休ませる
  • 昼寝をする:
  • クールメディアを探す:本を読む、ポットキャストを聴く、アートを見る
  • 話す:好奇心を満たす会話を定期的にする
  • 動く:ランニングや移動してSNSから離れる

リーダーとして

組織をまとめるリーダーとしてのアドバイスもあります。

  • チームや組織にイノベーションに関連した指標があるのか
  • 創造的な行動の模範を示しているか
  • 新しいアイデアの必要性を認識しているのか
  • 部下のためにアイデアを探求できる時間を提供できているか
  • 失敗したことをキャリアに影響させないようにしているか
  • 従業員があなたに答えを求めてしまっていないか

怖い顔して会議に集まりホワイトボードに向かってさえないアイデアを上げる作業をしていないか注意しましょう。

数少ないアイデアでスタートして上司が最も気に入ったものに落ち着くことが最も危険なアプローチとして書かれています。

感想

イデア創造について訓練だと捉えてその量にフォーカスする視点をもたらしてくれる、「私クリエイティブじゃないよ」勢に勇気を与えてくれるような本かなと思います。

毎日10個書き出す訓練をして、それを抽出して見直し、そのために物事を解像度高く見たりいろんな方向から見てみようという、アイデアの出し方のブレークダウンをしてくれているということで、実践すれば誰でも訓練していけると思います。

特に勉強になるのはアイデアを選定・磨いていく過程で変な過程や意見よりも小さい実験を実施してフィードバックループを回していく事でした。仕事でもとりあえずやってみて変に練り込みや合理性を極めて見る必要ないものが多い気がしており、物事のスピードを上げるという側面の重要性も感じます。

毎年100冊読みたいなという思いも1つは頭を柔らかくしたいという思いもあったため、アイデアフローを意識して生活する実践もしていきたいと感じます。

📚 Relating Books | 関連本・Web

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  3. https://amzn.to/4cOmtZN 世界の技術を支配する ベル研究所の興亡 単行本 – 2013/6/28 ジョン・ガートナー (著), 土方 奈美 (翻訳)
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  6. https://amzn.to/4eQs8Ah アイデアのつくり方 単行本 – 1988/4/8 ジェームス W.ヤング (著), 竹内 均 (解説), 今井 茂雄 (翻訳)
  7. https://amzn.to/4eShSYa ある広告人の告白[新版] 単行本 – 2006/6/15 デイヴィッド・オグルヴィ (著), 山内 あゆ子 (翻訳)
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