行動経済学の本を読むにあたり人間の脳の性質を知ることができてきました。脳は間違いを犯すますし、曖昧な判断もしてしまうものなのではあるです。一方、合理性というのは生活や仕事をするうえで必要なものであります。しかし脳の曖昧さを理解した罠は世の中にあふれているのですが、その中で合理性を持てるという事はとても重要なことです。
合理的な人とは、感情のない人ではなくて、感情のコントロールがうまくできる人なのだ
📒 Summary + Notes | まとめノート
ウォッカが凍るのは何度であるか?
人々が何かを考える時に、目に見えたものがアンカー(基準)として考えてしまうことがあります。(アンカリング効果)
アンカリング効果は様々な場で影響を出してきます。あるクイズ番組でアフリカの国連加盟国は?という問いに対して65という数値が目に見えているとその時の平均的答えは45%であり、10という数値が目についていると25%にまで下がる。
ウォッカが何度で凍るのか?という問いに対して多くの人は水が基準となって考えるものです。一方で冬のロシアのことをアンカーとして考えられればマイナス29度という正解により近づいた数値を予測できるかもしれません。
これは何かを買うときのセールの値段もアンカーとなりますし、高いものを見てからやすいものを見た時にお値打ちだと思うのを利用して複数選択肢がある中で高い数値から見ると次の提示されたものが安く感じるものでもあります。
占いはなぜ当たるのか?
アメリカの進学者バートラムフォアラーは星占いの記事を組み合わせた文章を見せて学生に自分にどの程度当てはまるのか5点評価で採点するアンケートをとります。そうしたところ4.26というとても高い評価(自分に当てはまる)という回答が得られました。
それを繰り返した所、4.2という点数がつけられ、同じ文章を様々な学生に見せても当てはまると思う人が多く居る結果でした。
キーワード
- ヒューリスティクス
- 予言の自己成就
- ピーク・エンドの法則
- コンコルドの誤謬
- フレーミング効果
- 基準値の誤り
- 大数の法則
- 小数の法則
- 代表性
- 確実性効果
- 利用可能性
- アンカリング効果
- 注意の焦点化効果
- 帰属のエラー
- 自己奉仕的バイアス
- バーナム効果
- フォールスコンセンサス効果
- 集団思考
- 集団規範
- ハロー効果
- 自信過剰
- 願望的思考
- 後知恵
- 順序効果
- 保有効果
- 公表バイアス
- 損失回避性
- 後悔の理論
感想
脳の罠の事例をまとめてあり、人間の陥る性質を知ることができる本です。行動経済学の本を読んできて見ると感じるのは、一方でマーケティングや広告の本の内容はこの行動経済学を利用(時に悪用)してものやサービスを売れ!のような様子の本も多くあることを感じます。
より良く活用しようという思いよりも、より資本主義的な観点を追求しようというのは現代の社会システム上致し方ない所でもありますし、政治や選挙制度にも同じような思惑を感じるときも多々あります。
こういったその時々の判断や過去を振り返るとその事も実感しやすいでしょうし、そのためにジャーナリング(日記)や過去の振り返り、はたまたはマインドフルネスみたいに一度外部からの意図的な情報を遮断して整理してみるようなものが大切になるのだと思います。
世界は感情で動く。人間らしい非合理的な事も素晴らしいと思いますが、非合理をうまく理解して付き合っていきたいものですね。
📚 Relating Books | 関連本・Web
- https://amzn.to/4aIheJF 脳は意外とおバカである 単行本(ソフトカバー) – 2007/1/31 コーデリア ファイン (著), 渡会 圭子 (翻訳)
- https://amzn.to/4aJy3ni 勝てる意思決定の技術: 最初の決断で正しい答えを導き出すために 単行本 – 2003/2/1 J.エドワード・ルッソ (著), ポール・J.H.ショーメーカー (著), 齊藤 英孝 (著)
- https://amzn.to/4c4fefZ ゲ-デル,エッシャ-,バッハ: あるいは不思議の環 単行本 – 2005/10/1 ダグラス・R. ホフスタッター (著), Douglas R. Hofstadter (原名), 野崎 昭弘 (翻訳), 柳瀬 尚紀 (翻訳), はやし はじめ (翻訳)