セイラー教授の本を2冊ほど読んでみて行動経済学について少し知ったところで他の人の本も読んでみようということでモッテルリーニの本も読んでみました。
タイトルの経済は感情で動くとあるように、何か買い物をする時の行動についていかに感情が寄与してときにあやふやに、気ままな判断をしているのか、という事例をまとめられています。
📒 Summary + Notes | まとめノート
人々が何かを買うとき
あるものを買おうとしたとき、9000円のものを買おうとした時に近くのお店で8000円で売っていると知るとそちらに行くのに、19000円のものが18000円で近くで売っているとしっても人々はあまり行動に移さないというアンケートが出ています。
同じ1000円の価値なのに時に違う判断になるのは面白いですよね。
さらに選択肢が増えると人はより迷うので、2択であれば簡単に決められるのに3択以上になるとその中に同じ2択があってもより違う判断も考慮します。
また、3種類の特上・上・中の選択があると真ん中を選びがちになるということで、たまに価格がとても高い弁当などが売っているのはそういった効果でしょうか。
給与交渉にあたっても、インフレが4%上がって給与が2%上がるのを選ぶか、インフレ0%で給与を2%下げられるのを嫌うのか、というとどちらも実質同じであるのに給与を下げる方が嫌われるのは印象的にもそうでしょう。
同じ仕事をしている同僚の給与が高いと知れば損をした気分になりますし、人々の感情は難しいですよね。
人の性質
人の考え方にも非合理的なものがたくさんあります。成功は自分のものにしたがることや、自分の都合のいい面だけを見たがるのは人の声質です。
投資をするにしても身近な知っている企業のほうがうまい投資ができるというのは「なじみの感覚」があるから勘違いしてしまうことでもあるようです。
キーワード
- 選考の逆転
- 保有効果
- コンコルドの誤謬
- サンクコストの過大視
- アンカリング効果
- ヒューリスティクス
- 代表性
- 利用可能性
- 小数の法則
- 平均値への回帰
- 後知恵
- フレーミング効果
- 損失回避性
- 省略の誤り
- 後悔回避
- プロスペクト理論
- 確実性効果
- ポートフォリオ理論
- ピーク・エンドの法則
- ゲーム理論
- ソマティック・マーカー仮説
- 時間的な選考の逆転
- 神経経済学
感想
行動経済学や合理性についての本を読むといかに人間の判断が曖昧であり、言い方や雰囲気によって判断を変えてしまうのか、という事が分かってきます。
そう考えると、自身の消費行動や考えの形成に自分が時間をかけているツールや人の影響を大いにうけるという事もわかりますし、生きてきた背景で判断も影響がでるでしょう。
自分の昔の書評を見ていたりすると、合理的な判断をする難しさや意味合いを見直すこともできました。
話はそれますが、当時の書評を見ると結構気合入れて本の内容を書いており時間をかけていていい仕事してたなと関心するとともに最近の書評の書き方について反省です。
さらに話はされますが、上の書評時に引用していた方の書評ブログを見ていると著者の方から直接コメントを頂き議論しているのを見つけました。
最後にコメントの意見が著者のNoteにまとめられているのも面白い点です。
理解を深めたり、表現の方法や説明について意図を伝えるために適切な表現を探求していく様子がとても興味深かったです。
誰かの目に届いており、書評を読んでくれる方が居るというのはパソコンに文字を打ち込んでいる部屋からは中々感じにくいだけにそういった感覚も持っておきたいと思います。