インターネット社会になり公開データが世の中に増えてきており、一時期ビックデータなどバズワードになったようにデータの活用をいかにできるかという事は長らく注目を浴びています。
大阪ガスなど社内のデータ活用から地道に始まり今ではデータサイエンスの模範事例のように取り上げられていますが、データを活用しきるという観点でうまくいっていないケースもよく見られます。
今回の本は博報堂生活総合研究所がまとめるデータ活用の事例からどのようなインサイトが見えるかというまとめ集のようなものです。
📒 Summary + Notes | まとめノート
ビッグデータの観察技法
本書では10の技法とまとめられています。一般的なデータ分析手法を少しアレンジしてかつ命名をキャッチーにしている感じでしょうか。
デジノグラフィ
エスノグラフィとデジタルを組み合わせた造語になり、生活総研の大事にしている考え方としてデジノグラフィというものをコアに置いているようです。
データ活用サイト
- https://ds.yahoo.co.jp/service/insight/
- https://trends.google.co.jp/trends/
- https://trends.zaim.net/
- https://raida.go.jp/
- https://insight-tech.co.jp/
- https://textmining.userlocal.jp/
- https://fumankaitori.com/
- https://deepage.net/bigdata/machine_learning/2016/09/02/word2vec_power_of_word_vector.html#word2vecとは
- https://r4d.mercari.com/about/
- https://pj.mercari.com/souken/
データで見えること
本書ではOK waveの世代間の投稿分析をして年代によりどのような話題が気になっているのかをいうものを考察したり、コロナ禍において検索のトレンドがどのように変化したのか、というのを見たり、またメルカリで売られるものを見ておさがり文化の変化などについて解説されています。
エスノグラフィとはもともと訪問観察研究とも呼ばれ、民族の生活に入り込んでその民族を観察しながら研究していくようなアプローチのことを言います。
コンセプトとしてはデータを見て実際のフィールドワークを組み合わせながら入り込んだような感覚でデータ分析から洞察を導いていくことです。
感想
データ分析を通じて意外な発見をみつけていくようなアプローチをわかりやすく書いてくれており読んでいて面白さがある本でした。
特にメルカリの事例は面白く、データとストーリーにまとまりがありとても良い事例だなと思います。
データ分析は中々難しく、まずデータがありそこから何を知ることができるのか、必要なデータは満足か、など見ながら試行錯誤するものだと感じますが、中々業務のプラスα的な部分があり、仕事の現場でうまく活用してるなという人は観測範囲内でみかけていないです。
うまいデータ活用事例を知っていき、同じ手法を真似して解析手法を活用・応用してみる、ということが大事だと思っているので、ツイッターで見かけたデータをストックしたり、Chartrなどのサービスでストーリーテリングとデータの組み合わせの活用事例などみたりはしているのですが、意識的に活用する癖をつけないとなと反省です。
またデータソースのストックも普段から意識するようにしたいもので、白書であったり国や行政が結構貴重なデータを出しているものも多くあります。
分析手法も中々難しいですがセオリーのようなものを覚える癖はつけたいものです。