ライフイズビューティフル

訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 | デビッド・アレン (著), 田口 元 (その他) | 2024年書評71

最近Notionの活用動画を見ることが多いのですが本書を読むきっかけとなったのはつぶらやさんというYoutuberの方です。

www.youtube.com

GTD(Getting things Done)と呼ばれる手法を用いて頭に散漫しているものを頭の中から追い出して、本当に大事なことに集中しようという考えと理解しています。

生産性系のコンテンツによく出てくるGTDですが、歴史もありウェブページもしっかりしています。

gettingthingsdone.com

Tiago ForteもGTDに大きく影響を受けてSecond Brainといようなコンセプトの類似系のものを語っています。

ohtanao.hatenablog.com

 

普段生活していると自分自身でもそうですが、頭によぎったどうでも良い事や些細なことに気を取られてしまい頭の中がスッキリしないというような場面がありますがそのようなケースを限りなく減らしていきたいと思っています。

📒 Summary + Notes | まとめノート

GTDとは?

Getting Things Doneの頭文字を取ったGTD。溜まりに溜まったすべてのやるべきことを把握し、とるべき行動を見極めて整理する手法です。GTDの柱は3つ。

  1. やるべきことや気になることのすべてを把握すること
  2. 人生において常に降り掛かってくるあらゆるインプットにその場で対処できるようにすること
  3. いついかなるときでも正しい判断を下せるようにすること

現代社会は仕事のおわりが曖昧になり、仕事の量も増え続けています。「いつどこで何をどれだけすべきか」がはっきりわからなくなるほど忙しい時代です。仕事においてもプライベートにおいてもゆったりとした心持ち、つまり武道で言うところの「水のような心」を実現すること、アスリートで言う「ゾーン」「フロー」といった没頭する状態にすることの重要性が高まっています。

「気になること」を頭の中から排除する重要性が分かります。気になることがなぜ気になるままになっているのか?それは何をしたら良いのか(行動)がわかっていないからです。どういう行動をすべきかが決まっていれば気になることは、単純なすることになります。

GTDのステップは5つあります。

引用:https://www.alexweblog.com/2011/01/chart-of-getting-things-done.html

  1. 気になるすべてのことを「把握する」

    • すべての気になることを把握し頭の外に出す
    • インボックスの数は必要最小限にする
    • インボックスは定期的に空にする
  2. それぞれが何を意味するか、どのような対応をすべきかを「見極める」

    行動を起こす必要があるかどうか?

    • 現時点では無価値で、もう必要のないもの(ゴミ)
    • 今やる必要はないが、いつか行動する必要が出てくるかもしれないもの(いつかやる/多分やる)
    • あとで必要になるかもしれない情報(資料)
  3. ②のステップのよって明らかになった内容を「整理する」

    • 求めている結果は何か
    • 次にとるべき具体的な行動は何か

    上記が明確にされてから3つに区分します。

    • 今すぐやる(2分以内でできること)

    • 誰かに任せる(2分以上かかり、自分でやらない方がよいこと)

    • あとでやる(2分以上かかり、自分がやるべきこと。やるべきことリストに入れ適切なタイミングで見直せるようにする)

      → 週次レビュー、カレンダー記入など

  4. 行動の選択肢を「更新する」

    週次レビュー

    • やらなければならないことを把握し見極める
    • システム全体を見渡す
    • リストを更新する
    • 済んだものは処分し、情報を更新する
  5. 何をすべきかを「選択する」

    行動を選択するための3つのモデル

    1. 4つの基準で現在の行動を選ぶモデル
      • そのときの状況
      • 使える時間
      • 使えるエネルギー
      • 優先度
    2. 日々の仕事を3つのカテゴリーで評価するモデル
      • あらかじめ決まっている仕事
      • 予定外の仕事
      • 仕事を見極めるための仕事
    3. 6つのレベルで仕事を評価するモデル
      • Horizonレベル5:人生の目的とその在り方
      • Horizonレベル4:長期的な構想
      • Horizonレベル3:1〜2年後の目標
      • Horizonレベル2:重点的に取り組み分野
      • Horizonレベル1:現在のプロジェクト
      • 地面レベル:現在の行動

GTDをするために

GTDを実行していくために仕組みづくりは基本となります。次の日に忘れてはいけないものを玄関に置いておくことで忘れるのを防止するように、GTDを日常の習慣にするために何をすれば良いでしょうか。

時間を確保

把握する作業をするためには6時間以上かかることが殆どです。その後の見極める、作業もするためにはしっかりと時間が確保できるタイミングではじめましょう。

場所を確保

GTDをするためには物理的な場所が必要になります。郵便物やメモ、ファイルなど。今ではデジタルでできる側面が多いものもあります。

  • 移動時の作業空間を確保する
  • 空間の共有は避ける
  • ツールの確保
  • 年に1回はファイルの大掃除をする

把握する

最初にやるのは、実態のある身の回りのもので、あるべき場所やあるべき状態にないものを探し、インボックスにいれること。備品、資料、装飾品、設備なども含まれます。少しコンマリの整理方法と似てますね。

不用品処分ではなく、保管スペースが十分にあり、関連するプロジェクトやとるべき行動の足を引っ張らないように適切な分類ができていさえいれば、何をとっておいてもよい。

頭の中の整理のために

トリガーリストを活用する:気になることを思い出すためにトリガーとなることをメモする

見極める

一時保管であったインボックスを空にしていく作業です。見極める作業はリストの優先度は関係なく網羅的にしていくことになります。上述したように3つに分けていきます。

  • ゴミ
  • 保留にするもの
  • 資料

保留されたものは①いつかやる/多分やるリスト②カレンダーに記入③忘備録ファイルにいれる、となります。

行動の必要があるものは次にとるべき行動を整理していきます。決断に至るための物理的な行動にしましょう。(会議をセットする✗→◯◯に電話して意見を聞く、など)

行動ステップが決まったら3つに振り分けます。

  • 実行する
  • 誰かに任せる
  • あとでやる

1年以内に達成できる事柄はプロジェクトとして1つ以上の行動ステップのものを振り分けます。

保管場所を分散させすぎない。プロジェクトリストは週次レビューする。資料整理の場合は①行動の必要があるものとそうでないものがきちんとわけられているかどうか②その情報をどう使うかを考慮し、どこでどのように保存すればよいかを判断できるようにすること。チェックリストを活用するのも◯。

更新する

システムを維持して更新していくこともGTDの基本になります。著者のおすすめは週次レビューです。雑多なものを1週間ごとに集めてインボックスに入れさばいていく。頭の中にあるものを出すなどを実施して最新の状態にしていきます。

行動が必要なものに関してはカレンダー、連絡待ちリスト、プレジェクトリスト、チェックリストを見直していきます。

週次レビューのタイミングでおすすめされているのは金曜日の就業時間の終わり2時間です。まだその週のことを覚えている状態で行動を明確化しておくことは週末を存分に楽しめる状況にもできます。

メリット

組織で行う場合は①具体的な行動が増える②責任の所在がはっきりする、などが良い点です。GTDを行うことで①求めている結果がわかるのにどうすればいいかが分からない②求めている結果が何か分からない、といったような人生で起きる問題を解決していけます。

GTDの効果を見る研究結果も列挙されています。

  1. ポジティブ心理学
  2. 分散認知ー外部の脳の価値
  3. 済んでいないことによって生じる負荷の軽減
  4. フロー
  5. セルフリーダーシップ論
  6. 実行の意図を通じての目標達成
  7. ポジティブ心理資本

感想

溜まった整理・生産性本一気読みということで整理本であれば誰もが知っているであろうアレンのGTDを読みました。色々なところで目をすることは多かったものの初めて読みましたがとても面白かったです。

頭の中を空にして、本来頭を使うべき創造性のあることに費やそうとする考えはとても共感できます。暗記や物事を覚えておくことに頭というのがいかに適切でないかということを理解して、ではどうすれば良いのかというステップバイステップがありがたいです。

個人的にあまりツールや課金制度に依存が要らないものが良いと感じるのでNotionはとても良いツールだと感じます。考えをリストしておき、定期的に見直せる仕組みづくり、習慣づくりをする事は今年後半の目標にしたいです。部屋の整理やファイルの整理などの物理的な物事ついてもGTDのアプローチが重要に感じます。定期的に見直して判断していけるように物事を整理しておく仕組みづくりを実践すれば部屋の整理やものの購買・消費の基準になったりして、変な物事に頭のリソースを使わなくても良いと感じます。

旅行時のチェックリスト、1ヶ月ごとに見直しした方がよいこと、1年毎に見直した方が良いことなど定期的にイベントがあるのに毎回ドタバタするようなイベントも、慣れでこなすよりも規範を作りたいです。

ジャーナルや頭の考え事の整理についても定期的に見直したい物事があります。季節ごとに何を考えていたのかなど見直せるように保管しておきたい気持ちがありましたが、今年の後半にかけて実践してみるようにしたいです。

旅行やイベントのパンフレットやレシートなどについても管理フローをしっかりとしたい気持ちがありましたが、毎度毎度部屋が汚くなってしまっています。旅行時にテンションが上って買ってしまったものの活用しきれないなんてものも増えてしまってます。物理的な思い出をどうアーカイブしていけるかも考えないといけないなという感じです。物理的なモノを増やすと処理が大変になるのでいつ死んでしまっても良いように、物理もデジタルも身軽な状態に整理しておくことを目標にしたいと思います。