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数値化の鬼 ── 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法 | 安藤広大 (著) | 2024年書評14

識学という会社があり株式でも気になっていたので、銘柄勉強も兼ねて読んでみたら最初のイメージよりもとても良い内容の本だったので内容をまとめていきたいと思います。

識学はコンサル会社でありなかなか結果の評価が難しい分野の会社であり、不景気の煽りは受けやすそうな事業形態ではあると思うのですが、ビジョナリーやパーパスなどのモチベーション的なキラキラストーリーが華やかなのとは逆で、無骨に地味な部分ながら会社の問題点を解決する方法を紹介されています。

数値化の鬼、リーダーの仮面、とにかく仕組み化と三部作すべて読んでみました。

著者の安藤さんはログミーのインタビュー記事なども多くあり、本を読む前に知りたい人にとってはこちらの記事を見てみるのも良いと思います。

logmi.jp

タイトルに数値化という事が書かれていますが、会社に入りたてのプレイヤー側の人にとって数値化がまずは基本であり、それだけがすべてでは無いですが数値化を無視してはいけないということで「守破離」的な要素が数値化にあるという内容の本です。

📒 Summary + Notes | まとめノート

仕事ができる人の5つのステップ

仕事をしていくために5つのステップを元に数値化と結びつけながら考えます。

  1. 行動量を増やす
  2. 確率のワナに気をつける
  3. 変数を見つける
  4. 真の変数に絞る
  5. 長い期間から逆算する

悪い数値化の例として会話力が50点なので70点を目指しますなどがあげられます。具体性が少なく、測りずらいものになります。

もっと痩せる→体脂肪率を15%より下げる

詳しくなる→関連の本を3冊読む

早く仕上げる→14時までに終わらせる

などが良い数値化の例になります。

行動量を増やす

仕事ができる人は会社で言えば「評価者から評価を得られる人」になります。言い換えるならば上司と部下の間で認識のズレの無い評価を得られる人です。

これはお客さんと自分とのズレが無いなども同様であり、ベースラインになります。

仕事で上司がやることは目的地の決定であり、そこまでの行き方(やり方)は自由であり、その部分の権限を与える事で成長を促します。

仕事をする上でできる人はPDCA、計画→行動→評価→改善を素早く回す事です。人の気持が高まるのは計画の時が最も高くなりがちなのですが、大事なのは行動を増やすこと。数値化をして具体的な行動の目標を決めておき評価をできる状態にしましょう。

行動が一番大事であるのに、行動までの時間がかかってしまう要因に3つほど考えられます。

  • 何をすれば明確ではない
  • 失敗したくない
  • 上司やリーダーの事が納得できない

プレイヤーレベルの人で事業にクリティカルな失敗はなかなか無いと思われるため、言い訳を考えずにまずとにかくやる事が大事です。

行動を増やすためによく使われるものはKPI。日々の行動レベルのものはKPIに落とし込みます。KPIの方向性を確認するために「目標」が必要です。目標は目的地までの方向を導くものであるため、いつでも簡単に思い出せる、意識できる目標設定をする事は忘れないようにしましょう。

確率の話

基本的に行動を増やして行けば成長に繋がりますが、成長を止める要因に確率によるワナです。

例えば、達成率、契約率、成功率など確率で評価を始めると母数の意識が薄れます。例えば、5回やって1回成功した場合と、50回やり9回成功した場合では後者の方が行動量が多いですが確率は低くなります。

特に仕事を開始したプレイヤーの段階では行動量を上げるべきなのに質だけを意識してしまいなかなか行動量が増えないという事は避けたいことです。

確率で目標設定や評価をするとふわっとしたものになってしまいます。

できる限り具体的に評価できるように確立を使うにしても母数を意識、行動量を増やすように意識しましょう。

変数の話

仕事をする上で大事なのは「考えるべきこと」「考えても無駄なこと」の棲み分けです。言い換えるならば「変えられること」と「変えられないこと」の見極めです。

工夫のすべき場所、「変えられること」を見つけ出しそこに自分なりの工夫をすることでアウトプットの変化を評価しましょう。

変数を見つけ出すためには仕事を細かく細分化していくことから始まります。アポからの契約までの過程で例えば①アポ②お試し③契約、などに理由、アポを増やし契約の数を見る、上手く行かないと思うのであればお試しの際にフォローするなどの工夫を実施できます。

人の習慣としてやったことに意味を見出して心を安らげる事がありますが、結果がすべてであるために、変数の部分はどうだったのかしっかり確認し意味があったのかどうかを振り返り冷静に判断をする。変数ではない工夫できなかった部分や運の要素が高い部分には固執しない。

変数を見つける、変数の評価をする、よりよい変数がなかったか探す、という癖を忘れないようにしたいです。

真の変数の話

変数の話で注意するべきなのは、変数の量はどんどんと増えていき、どれも大事だという状態になることです。個人やチームの中で変数に無駄なものが無いか確認する時間が大事になります。

そこにたどり着く方法のヒントとなるのは、「売上が上がっていない」「利益に影響していない」などの数値目標との乖離が気づきに繋がります。

目標になる真の変数をできる限り1つに絞る事が大事です。これはマネージャーの仕事でもあります。全体を把握できる立場であれば、プレイヤーが複数のKPIを回してる中で上手く舵取りをする必要があります。間違った努力をさせない事がマネージャーの役割です。

長い期間の話

これまでの行動量、確率のワナ、変数は短期的な視点の話です。ここから大事なのは長期的な視点です。ある種目標と同じ役割をできるものが長期的な視点であり、長期的に正しい方向であるのかというのはある一定期間で見直してみましょう。

例えば、行動量がKPIを達成しているけれども結果が出ない時に長期的に考えて、方向性は正しいのかを見直すと、自身の行動量を信じれば良いと安心することができます。

迷いが生まれる、不安が生まれると行動量が減る要因になりかねません。

感想

仕事をするうえで大事な事は「成長しているという実感を得る」ことです。やりがいなどは成長の実感のあとについてくるものです。

感情豊かな人間で居る事はとても大事なのですが、仕事では数値化により迷わず行動量を増やす事を考える事が大事です。

短期的な視点

  • 数値化を元にKPIを立てる
  • PDCAの量をこなす
  • 正しいフィードバックを得る、または自分で評価できるようにする
  • 物事を細分化して変数を探す
  • 変数の評価を常に実施する

長期的な視点

  • 目標を立てる
  • 迷いや不安で行動量を減らさない
  • 変えられること、変えられないことを切り分ける

会社や学校などで結果がついて来ない原因は行動量が少ないというのはまさに読んでて感じるものです。そもそも行動量を増やすモチベーションが湧かないのであれば、いる場所が悪いという考え方もあります。

目の前の事に集中できる状態を作り出す環境に見を置くことの大切さもあると思いますし、同時に目の前の事を集中した後に愛着ややりがいが見えてくるという側面も理解するべきでしょう。