ラグジュアリービジネスの勉強に何冊か読んだ本の一冊です。昨年読んだLVMH本がとてもおもしろく成長を続けていくラグジュアリーブランドに興味がありました。
シャネルは創業者のココ・シャネルの物語の魅力もあり、創業者が亡くなってからも止まらず成長を続けておりラグジュアリーブランドとしても力を持ち続けているブランドの一つです。
📒 Summary + Notes | まとめノート
成り立ち
シャネルの成り立ちは1909年、パトロンであるバルザンの援助によりマルゼルブ大通りに帽子のアトリエから始まります。バルザンと別れカペルと関係を持ち彼の援助により帽子専門店「シャネルモード」を開店しました。
1916年には帽子専門店からオートクチュールの店へと変化します。戦争の勃発しフランスがドイツ支配下へと変わると、ドイツ軍将校と愛人関係になり、1944年の解放後にはスイスへ脱出し亡命生活を送ります。
1954年に70歳となったココはカムバックし、戦後活発的になった女性活動のアイコンとしてブランド地位を確立していきます。
ココの死後、シャネルのデザイナーにはラガーフェルドがつきます。ラガーフェルドにより会社は大きく成長していきます。
シャネルは女性の活躍のアイコンとなり、マリリン・モンローが「寝る時につけるのはシャネルの5番だけ」という発言などもあり人気となります。
日本市場
シャネルの繁栄には日本市場が絡んでいます。シャネルの日本社長としてはフランスと日本便の就航時、エールフランスのパイロットとして活躍した父を持つコラス社長が就きます。
日本での戦略は右往左往あり。1990年代なかばにシャネルを前進に纏う「シャネラー」という人種が現れ、高校生や大学生に人気となりましたが店舗は高級ブランドに似つかわしくないハイティーンの客層がフエてしまいブランド戦略を整理します。
恵比寿ガーデンプレイスでのファッションショーなど高級ブランドとしての戦略を実施し、路面店では自社ビルを建てます。日本の地場産業とも協業することで、ローカライズした経営も実施しました。
香水
シャネルのブランド認知として大きな柱は前述したマリリン・モンローも愛した香水No.5です。シャネルの香水事業はココ・シャネルがエルネスト・ボーを訪れた所から始まります。南仏は香水の都として有名であり、女性の香りをイメージできるものをエルネスト・ボーに依頼し作成しました。
当時技術として課題だった部分を合成香料アルデヒドを用いてココ・シャネルが理想とする香りを実現します。
感想
ココ・シャネルの物語からシャネルのアイコニック商品である、香水No.5やチェーンバッグの物語などまとめられている内容の本になります。日本市場へのフィットなども書かれておりグローバル化による発展の歴史も知ることができます。
アルノー本にあった、ブランド力を一から作り上げるのはとても難しくルイヴィトンのようなブランド力のある企業を手に入れる事が重要という点についてシャネルは大きなブランド力を持つ企業の代表です。
時代も変わり、様々なブランドが生まれては消えていく現代の中でこのようにブランド価値が継続されている企業はとても価値が高いものだと思います。これからの時代シャネルのようなブランドが生まれるのかという点に興味がありますが、シャネルの歴史を知ると、その土地を活かした職人作業であったり、時代に合致した女性の活躍という時流に乗った側面も感じ取れます。非常にアート的な側面もあり意識して作れるものでもないのがブランドだと思います。
フランスやイタリアのようにブランド価値の高い企業や文化を見ると、日本というブランド価値や老舗企業の発展はまだまだチャンスが多い分野に感じます。
京都には100年以上続く企業が多く、時に潰せない日本などのようにネガティブな側面が語られますが、その価値を活かす側面ももっと生まれてきていいのかなとも思います。
📚 Relating Books | 関連本・Web
- https://amzn.to/3Uuztx5 男と女 人生最良の日々 [DVD] アヌーク・エーメ (出演), ジャン=ルイ・トランティニャン (出演), クロード・ルルーシュ (監督)
- https://amzn.to/4eIpf44 ココ・シャネルの真実 (講談社+アルファ文庫 E 56-1) 文庫 – 2016/5/20 山口 昌子 (著)
- https://amzn.to/4eAFEHI フランス香水の旅: 香りを創る男たち 単行本 – 1993/6/1 松井 孝司 (著)