日本でも世界でも大成功を収めているLVMHの看板ブランドのルイヴィトンについての本になります。
www.lvmh.comたまにアトリエの紹介動画を見るのですが、職人が手作りしている様子が映し出されており、驚くほど機械化の少ない現場です。
📒 Summary + Notes | まとめノート
コングロマリット企業
LVMH含め世界のラグジュアリーブランドは大きく4つほどに別れます。
LVMH:ルイヴィトン、クリスチャン・ディオールなど
グッチグループ:グッチ、サンローラン、ボッテガなど
先日ルイヴィトンジャパンの決算が官報で公開されていましたが、日本でもものすごい利益率を叩き出しています。
ルイ・ヴィトンジャパン 決算公告(第44期)https://t.co/g7NhUq4oXw
— 官報ブログ (@kanpo_blog) 2024年10月5日
強い
第44期 決算公告
売上高:3483億9600万円
売上総利益:1775億6600万円
営業利益:930億4800万円
経常利益:963億5800万円
当期純利益:677億2400万円
利益剰余金:1483億700万円
LVMHのポートフォリオは大きく分けて5つあり幅広くカバーをしています。
引用:https://www.bscapitalmarkets.com/lvmh-you-never-stop-growing.html
製品
多くのブランドと同様贋物との対策はルイヴィトンの歴史にあります。全開読んだシャネルはどちらかというと贋物歓迎の姿勢であったのですがルイヴィトンは贋物を許さない方針でした。
その対策の一貫としてライセンスは1商品1企業であったり、アウトレット販売を行わない方針などあります。
価格
1970年代、ルイヴィトンが日本に進出した頃は並行輸入業者が大量にパリで買い付けて日本で価格を吊り上げて販売する業態が見られました。日本人の買付騒ぎはパリのショップで問題となり日本人客に対して制限も行われます。
ルイヴィトン日本進出にあたり、フランスの1.4倍の価格設定を行い、乱高く寝付けられていた並行輸入業者の押さえつけを行いました。
値引きセールを実施しないのもルイヴィトンの特徴です。値引きに等しいオマケセット販売も行わず、価格改定も不意打ちで行わないという値付けに真摯な姿勢をみせます。
流通
流通網も整備されており、日本では表参道にあるLVビルを中心に正規店を整備します。その中で修理網も整理し自社製品の修理がすぐに実行できる体制も整えます。
プロモーション
ルイヴィトンはTVでのCMは打たずに、日常にあふれるコモディティ製品から非日常感を重視しました。一方で雑誌などでは特集を組んで貰えるように出版社と良好な関係を築きブランドイメージの崩れない広告を行いました。
感想
同じヴィトンに関する本でならば以前読んだアルノー本の方が読んでいて面白いものがありましたが、ヴィトンの戦略について知ることができるという側面では本書も面白い内容でした。
個人的な偏見ですが、日本でルイ・ヴィトンというとキャバクラ嬢やホストが好き好んで使用しており美しさを感じるというよりも富と権威の象徴というような印象があります。お金持ちが好んで買いたいという製品なのは分かるのですが、ブランド価値として所有欲が上がる製品かという言えばそうではなくその人気は少し謎に感じているものです。
欧米ブランドであることでアジア圏のお金持ちのアイコンとなり日本そして中国へとグローバル化による新たな富が生まれた土地の富裕層が手に入れていくという意味では経済活動ど真ん中の製品になります。
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