今回読んだのはイッセイミヤケのルールという本で、川島蓉子さんがインタビューを通してイッセイミヤケについてまとめた内容になっています。
エルトプテップ
大阪の船場にELTTOPB TEP(エルトプテップ)というブティックがあります。
デザイナーの佐藤卓さんがデザインを手掛けており、新しい服の発信地を創りたいという事をコンセプトにお店の設計をしたそうです。
当時、前衛的だった考え方は、お店の中に他のブランドの服を置くことだったようで、若手のクリエイターを育てたいという考えをお店の中に展開しました。
その一つにmatohuがあるようです。とても良いブランドですよね。
他にはMIKIO SAKABEなどもその一つのようです。お店の中が流動して変化していく過程も含め、ここにこれば何か新しい発見があり、取り扱っている物が流行りに左右されずものづくりとして洗練させたものがある。
そういった感覚をお客さんと共有したいという思いがあったようです。
プリーツプリーズ
イッセイミヤケの代表的なブランドといえばプリーツプリーズです。
イッセイミヤケのシグネチャー的なブランドだと思いますし、プリーツのラインが綺麗で他に無いスタイルが特徴的です。
どうやら、江東区の工場とかなり密にコミュニケーションを取って作成してこのプリーツ形状の布が量産化できたようです。
1本の糸から素材を開発し、服の形に縫製した後にプリーツをかける独自の「製品プリーツ」手法による、プロダクトとしての衣服です。ISSEY MIYAKEで1988年に発表した「プリーツ」を発展させ、1994年春夏コレクションから単独ブランドとしてスタートしました。
軽くてシワにならず、水洗いができ、コンパクトに収納や持ち運びができる機能性、日常のあらゆる場面で使える汎用性、着心地の良さ、そして美しさを兼ね備え、現代女性の日常に深く溶け込んでいます。「暮らしの中で生きてこそ、デザインの存在価値がある」という三宅一生の考えを実現させたこのブランドは、現在も進化を続けています。
服のこれから
今回のCOVID-19騒動で、グローバル化の影響によるものづくりについて少し考えさせられる事がありました。
マスクが代表的ですが、流通網が発達した現在で安い人件費の土地で生産し輸送してコストを抑えるということが多くの業界で行われています。
フライト数が削減されることで輸送量も減ってきた今ですと輸送は時間が遅れるリスクがあります。また、中国国内の消費が優先されることで中国生産のマスクが日本市場まで周ってこないなどの弊害もありました。
もはや仕方のないことなのですが、このリスクを認識しながらグローバル化と付き合わないと消費行動がパニックになり、極度の品薄状態などが発生してしまいます。
イッセイミヤケのプリーツプリーズの物語でもあるのですが、このようなハイブランドのものづくりはかなりの職人仕事です。グローバル化したものづくりとは大きくかけ離れた世界であり、高コストで、生産性は度外視、さらには生地は繊細で取り扱いが難しく、寿命が短いものが多いように思います。
コンセプトやストーリーが重要視されすぎて、あまりに身近でない商品であるのも問題かもしれませんが、このグローバル化した衣類産業でハイブランドのような物語のあるものづくりが結構大切な位置づけになるのではないかとも思います。
気仙沼ニッティングは一つの良い例だと思います。気仙沼の文化を活かし、その地域の意思を受け継ぎつつも価値のあるものづくりをしとても高価ながらも消費者に選ばられるものづくりをしています。
以前読んだパタゴニアもとても良いものづくりをしている印象です。
環境に最大限配慮しながら、製品価値としてもとても高いものを作っています。
一方で、グローバル化を最大限活かしたユニクロのものづくりは消費者に取ってとても価値が高いように思います。 ただし、大量生産のものづくりは環境への影響を考えて減って欲しいような気もします。
いずれにせよ、今回のCOVID-19で価値観の変化があったので、世の中は思ったより変わらなくても自分自身の身の回りで生活スタイルは変えていけたらなと思います。