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AIってそういうことか! ビジネスの現場で使えるPFN式活用法 | 西川徹 (著), 岡野原大輔 ほか (著) | 2023年書評#16

最近はChatGPTの話でもちきりで、AIへの関心がより高まってきているのではないでしょうか。

今までのAIというとレコメンド機能などが多く、どこか人に時間を使わせる・消費を促すみたいな側面がありこんな世界を望んでいたのかな、と思えることが多くありました。

2022年あたりからその潮目は変化し始め、AIが絵を描いたり、ChatGPTで検索のあり方が変わりそうであると言うことでよりクリエイティブ方面への活用も提示されてきました。

そんな中、AIの活用事例を多くもつPFNによるAI紹介本である本書を読んでみました。

anatomy.preferred.jp

以前のLearn or Dieは会社の成りたちなどの物語が多くこちらもおすすめです!

ohtanao.hatenablog.com

📒 Summary + Notes | まとめノート

 

AIというよりも「機械学習」「深層学習」「強化学習

AIというとマジックワードのようになっていますが、本書ではAIという用語はタイトルだけで、本書内では機械学習、深層学習、強化学習という表現を用いて紹介されています。

ここ最近のブレークスルーは深層学習にあると本書では始まります。機械学習ではインプットしたデータに応じた学習でしたが、深層学習を活用することで機械学習のようにインプットのデータ量だけでなくさらに応用した事例も学習できるといった仕組みのようです。

深層学習により大きく得られた能力として①認識②生成③制御、があると言います。

認識とは主に、写真から写っているものが何であるかというのを認識する能力で照明や置き方の向きによって認識の精度が中々上がりませんでした。深層学習を用いることで人間が持つ汎化性能を得ることができ、認識の応用が格段にできるようになったようです。

写真や動画、画像からの認識能力が高まることにより、病気の発見や欠品の検査などできますし、リアルタイムの動画解析などで自動運転や防犯の面でも実施できることが増えてきます。

生成に関してはまさしくAIイラストのように、キャラクターや背景の絵を描けるようになりました。なんと背景のイラストが今まで5時間ほどかかっていたものが1/6まで短縮できるなども事例があり、東映アニメーションの現場でも活用されているようです。

制御の代表的なもので言えばドローンなどでしょう。ドローンがプロでなくても活用できる理由にホバリングができたり常にバランスを保てる制御機構がついているからです。

本書で面白いなと思った部分に知能とは何かという話があります。

システム1の無意識下の思考、システム2の意識下での思考があり、システム1は無意識なのでいくらつかっても疲れませんが、システム2の場合意識しないと使えないために疲れたり、並列処理が難しいと言われています。

aihack.aijobcolle.com

ファストアンドスローで詳しくは書かれているのですが、このシステム2の部分に関しては人は集中しないと活用できません。人間はこのシステム1、システム2を絶え間なく切り替えて思考しているようですがAIシステムだとまだそこまではできていないそうです。

AIの活用に関して本書内では①画像認識②最適化③異常検知④創薬、についてPFNの仕事の内容を活用して紹介されております。正直このあたりの技術に明るくないためにすごいのかすごくないのかはよくわからなかったのですが、各事例のアプローチが書かれておりそういった考え方をしてるのかというのが解説されているのは面白かったです。

創薬の部分などは、理系の研究経験あるかたなら分かると思うのですが、試作や研究の方向性に関して教授の感と経験がかなり重要な部分を占めており、中々集合知的な研究ができていないためにフラストレーションがたまることもあると思います。そういった中でAIに力を借りて化学合成の方向性のアドバイスをもらって研究のスピードを促進させたり無駄を少なくできる可能性というのは、いい時代になったなと思いますし、後の世代が同じフラストレーションを感じないというのがとてもうれしく思います。

AIの必要性やAIの未来について語られている部分も面白く、シミュレーションや大規模学習に活用することでデータの活用や予測の正確性が増す話など希望が持てる話でした。

感想

最近の残念な思いとして人の叡智をつぎ込んだ結果が広告や人の時間を奪う動画が次々に表示されるレコメンド機能なのかとがっかりしていた所がありました。

ただ、その中でも確かに物事の進化は進んでおりChatGPTなどのパワフルな証明は希望が持てるものでここ最近の一番の感動でありました。

もちろん人間と同じで嘘をついたりすることもあるため、出力を判断する能力は必要であるものの文章もかなり自然ですし何より人に聞くよりストレスレスでかなり正確な回答が得られます。

今後レポートなども正直ChatGPTを元に少し手を加えていくだけで十分でしょうし、文章作成の面の応用がかなり効くためにサポートセンターなどにも十分に応用できる印象です。

このようなテクノロジーの進化を見た時に、ああもう少し長く生きていたいなと思えとても幸せな時代に居るのだと実感でき嬉しく思いました。

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