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予算獲得率100%の企画のプロが教える必ず通る資料作成 | 大野泰敬 (著) | 2023年書評66

資料作成は社会人のコミュニケーションツールの一つですが自社内での型がすでにあるがゆえに型からずらすと社内での視認が悪くなったりなどと工夫したいけどどうしたら良いのかわかりにくアイテムです。一方で、会社の外を出ると良いと言われるスライドはビジョンを伝えるものが多くどこかふわっとしがち。結局は適材適所の資料作成が必要なのですが、その中でもどういったポイントを改めて抑えるべきかという理解に良い本でした。

本書で言うイマイチな資料には①準備が不十分②質問に回答できない③感情論に走る、という要素があることがありこれらを解決するためには①ストーリー②数字的根拠③シンプルであることが大事と言います。

ohtanao.hatenablog.com

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📒 Summary + Notes | まとめノート

ストーリー

起承転結が大切

舞台や紙芝居でも起承転結があるために面白いと思えたり受けての集中が阻害されないケースが多くプレゼン資料も同様にあります。

起:問題提起、なぜそれをするのか?

①市場調査:市場の概要、市場の規模、市場の課題

②顧客動向:デジタル分析、アンケート調査、ヒアリング

③他者状況:ニュース情報、IR情報、特許情報

④課題:自社の現状、課題

承:解決方法、どんなことするのか?

⑤サービス概要

⑥サービスの特徴

⑦ビジネスフロー図

⑧競合優位性:

転:結果、どうなるのか?

⑨事業計画:どれくらい儲かるか?黒字化はいつか?いつ回収できるか?

⑩KPI:販売量、ユーザー獲得数、顧客単価

⑪販売・獲得プラン

⑫スケジュール:いつまでに何をするのか?

結:夢・目標、どんな未来が待っているのか?

⑬ビジョン

⑭2〜3年後の未来

⑮サービスイメージ

⑯動画

これらの16項目をケースにより引き算して短いプレゼンでは起承転結から各1ポイントずつなどの構成に応用します。

数字的根拠のためのツール

ネタ探し

イデア探しは何気ない所にある情報を効率よく収集する必要があります。また触れた情報を記録することも大切だと言います(忘却曲線)。そのため情報を獲得→記録する→整理する→発信するというフローを実践していたようです。

情報入手ツール

感想

仕事でお客さんと会話することも多くあり、フローが決まった資料作りは問題が少なくなってきたのですが、提案系の案件を見ていると単純にお客さんに刺さってないなと思う機会が多くありました。

  • 外国人的視点と日本人的視点の違い
  • 社内共通認識と社外共通認識の違い
  • お客さん側が選択する理由(わかりやすいメリット)が顕在化されていない
  • ストーリーになっていない
  • お客さん側での状況や理解を加味した内容になっていない
  • シンプルにわかりにくい
  • 数字的根拠が少ない

外資系になると日本側のファンクションが資料の翻訳的になりがちなのですが、見ていると不満として本社側のスライドが悪いから要点が伝わらない、のような感覚の同僚が多く見られています。日本側の顧客と接する窓口側にしか分からない顧客側の要望を見込んで本社側の資料を資料作りの材料と扱い日本側で組み立てた資料にしない限り中々解決されない面があるように思います。

同じように、顧客側の要望を踏まえたビューをまとめて本社側にフィードバックや提案しないと戦略策定が雑なものになるケースもあります。責任区分の話もあり、積極的に責任や負荷を伴いゴリゴリと進められる人は見ている限りかなり少数ですし、バランス感覚がある人材というのはもしかしたら希少なのかなと感じることもあります。

本書であるようなポイントを重視しながら社内・社外的資料の作成を意識して少しでも伝わりやすい資料、もしくは情報整理ができるようになればなと思いました。