タイトルが気になり読んでみました。
思ったよりサクッと読めたのと、幅広くキャッシュレスや金融市場に関するDX化について知ることができるので、金融業界に興味がある方にはおすすめかもしれません。
📒 Summary + Notes | まとめノート
アマゾン関連の本かと思いきやDXに関わるケーススタディのまとめ本のような印象でした。
本書の言及点の一つにキャッシュレス化に関わる話があります。
アマゾンのアマゾン・ゴーや中国のキャッシュレス事情などについて描かれており、中国国内の事情に関するとチャイナイノベーションの方がより詳しくビビッドにかかれている印象ではありますが、今の時代の変化をキャッチアップするには良い本でした。
ストーリーは主に1.アマゾンに関わること、2.中国のテック事情(キャッシュレス)、3.世界の銀行事情になります。
アマゾンの取り組み
アマゾンが行っていることは徹底した顧客第一主義です。カスタマーエクスペリエンスを良くするために「使いやすさ」「楽しい」「わかりやすい」が大事であるとマーケティング専門家のパーンド・H・シュミット教授は言いましたが、アマゾンはまさしくすべての体験を使いやすく、わかりやすくしています。
従来ショッピングモールに行って在庫があるのかわからない商品を探しに行ったり、開店前に並んでいたりしましたが今ではアマゾンで探して注文すればその日に家まで運んでくれたりという世界です。様々なフリクションがなくなりました。
エクスポネンシャル企業が実施する6つのDというキーワード(デジタル化、潜行、破壊、非収益化、非物質下、大衆化)に関してすべての始まりはデジタル化です。アマゾンはまさしくデジタル化からスタートして様々な業界に破壊的な影響を与えました。
アマゾンGoやアレクサなどまだまだ今後も発展していきそうな領域とともに、アマゾンは銀行業のようなアマゾンペイ、ギフトカードなど支払い面でも大きく影響力を伸ばしています。
最近ではECサイトの支払いに関してアマゾンでクレジット・住所情報が登録してあればアマゾンペイで入力無く支払える購買体験も増えてきています。
世界の銀行事情
中国に関わる内容はチャイナイノベーションやアフターデジタルなどの方が詳しかったため、世界の銀行事情についてです。
アメリカの銀行に大きな影響を与えたのはペイパルです。その後ペイパルの創業者やペイパルを追い出されたイーロン・マスクは起業家であり投資家であるメンバーなかりになります。
投資銀行はアナリストの職がどんどん減り市場への参加はアルゴが増えていきます。世界で最も稼ぐファンドは以前に読んで本にあるルネサステクノロジーのジムシモンズであり、彼らも膨大なデータから市場分析し一人も金融街のバックグラウンドが無いメンバーで構成されています。
JPモルガンやGサックスも同様に投資部門含めIT化を推し進めました。
本書で一番印象的だったのはシンガポールのDBS銀行の話でした。世界一のデジタルバンクとされるシンガポールの銀行はIT化を実施しました。APIを公開しており開発環境も整えているようです。デジタルトランスフォーメーションを気に顧客は20%以上増え、売上高も55%アップと大きな躍進を遂げています。
一方で日本はといいますと、振興のSBIや楽天などは比較的うまく立ち回っているものの、既存の銀行はみずほ銀行のシステム障害などを筆頭にDXに対応できているとは言い難いように思います。
最近ではPaypay、メルカリなど金融業に近い役割を果たす企業も増えてきており、今後銀行業の役割については考え直す必要が出てきそうです。
📚 Relating Books | 関連本・Web
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