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サードドア: 精神的資産のふやし方 | アレックス バナヤン (著) | 2025年書評124

ひろゆき推薦のサードドアを読みました。長い事積読になっていたのですが、少し話題になってたのもあり何となく分かる内容でした。

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著者のアレックスバナヤンは本書を書く前は何者でもないと思っているそこらへんに居る大学生(医学部1年生)の時、寮の天井を見て自分がベッドからなかなか起きることができない日々に悶々としていました。

ビル・ゲイツの伝記を読み、彼がしたことの大きさと比べると小さな人間だと感じる。レディーガガは19歳でウェイトレスだったのにどうしてレコード契約に結びつけたのか。図書館に通い詰め本を読むも答えが出ない。そうしたことで、これをミッションとしてビル・ゲイツにインタビューしたらどうだろう、ということでセレブリティの世界を狙いに行きます。

📒 Summary + Notes | まとめノート

始まりはプライスイズライト

図書館から戻ってフェイスブックを見ていると、商品の正しい値段を当てるテレビ番組の無料入場券の話を目にします。客席にいる3000人の中から勝つのは1人、このチャンスを掴みにすぐ近くの会場へと向かいます。

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参加者の選別が行われる中で選別者の注意を引きなんとか会場に入ることに成功。入ると警備員の携帯を取り上げられてしまい何をしてよいかわからず隣の人に話しかけると彼女は勝つためのコツを教えてくれます。そうして次々と周りの人からコツを伝授してもらった後に番組が始まりついには回答者へと選ばれます。

そこに居る人に初心者として沢山話しかけたことにより会場は彼の親戚ばかりといった雰囲気。ルーレットの幸運もあり最後のスーパーヨットを手に入れるところまで行くと、値段の予想を聞かれ「6000ドル」と答えると会場がしーんと静まりかえる。そこで察したアレックスは「2万ドル…かな?もっと高いかな」と言うと会場がイエース!と言い会場の力を借り三万ドルと最終回答を決めます。

回答の価格は3万1188ドル。最後に争ったタニーシャと135ドル差で勝利を勝ち取ります。手に入れたヨットは船舶ディーラーに1万6000ドルで売れ、チポトレで友人全員とお祝いしました。

インタビュー開始

インタビューリストを作ったアレックスは何をすれば良いのかまったくわからずに居ました。

必須課題リストのチェックなんて大嫌いだったのに、いざそういうリストがなくなるとこれまでどれほどそんなリストに頼ってきたのかと痛感してしまう。

多くの場合、夢を叶えようとするときに一番難しいのは、夢をかなえること自体じゃない。計画もないままに未知の不安をくぐり抜けることの方がずっと難しい

全く何をしてよいのかわからなかったので知り合いに片っ端からメール。そうすると大学の事務職員をしている女性から返事があり、2週間後にスティーブン・スピルバーグが映画学部に来ることを知ります。

会ってみると会場にはアシスタントとして入れるがそれ移行はあなた次第と言われ参加を決めます。会場では3メートル前にスピルバーグ。チャンスを伺い近づこうとすると「フリンチ(萎縮)」が発生し足が石のように固くなってしまいます。

スピルバーグが映画会へと潜り込めた理由は、彼が小さい頃にハリウッド近辺のツアーバスから飛び降り、インサイド・マンを見つけ、その中に入れてもらうように頼んだからであった。スピルバーグゲームをしなければ、と決意し彼が会場から車まで歩く際に話しかけることに成功。ミッションを伝えると、「きっと成功がする気がするよ」と言われまずは誰かのインタビューをすること、そしたら来てくれと言われます。スピルバーグがアシスタントに声をかけアレックスの事を聞くように伝え先に車へ戻り、アシスタントに連絡先を伝えようとすると、そこで映画学部の学部長が割り込んできて思いっきり怒られてしまいます。結局連絡先は渡せず仕舞いでした。

次は週四時間働くの著者でもあるティムフェリス。イベントの会場に行くと彼と話せるチャンスを伺いトイレから出た所で会話できメールに返事をくれると約束を得ます。そもそもそのイベント前に彼のアシスタントにメールを連発。「粘り強さこそ成功の鍵」とビジネス書に書いてあったことをそのまま実践していました。会った後にも社交辞令の約束だったがメールを連発、やっと翌日にインタビューを受けて良いと返事を受けます。彼とのインタビューでは「迷惑と粘り強さは紙一重なんだ」と諭され、フェリスの書籍の粘り強さを実践していたと思ったアレックスは間違いに気が付きます。このインタビューでフェリスは信頼を後ろ盾にすることを伝えます。この時、コールドメールの雛形も教えてもらいます。

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その後、インタビューの機会を得られたのは、チーという中国の上海周辺の電気もなかった田舎育ちのマイクロソフトのディレクター。チーは誰しも24時間しかない平等な環境であることに気が付き、人の何倍もの量をこなすチータイムと呼ばれる努力を実施。大学にカーネギーメロン大学の教授が講義に来た所チーの質問が注意を引き付けアメリカに来ないかと誘われます。

運について尋ねると、運はあるとき突然訪れるようなものではないと彼は言った。 「バスみたいなものさ」と彼は言う。「1台逃しても必ず次のバスが来る。でも準備しておかないと、飛び乗ることはできない」

メンターの登場

サミットシリーズを運営するエリオットビズノー(後に出版)を知ります。彼の事を知ってからコールドメールを作成。ネット上にある彼と思える5つのメールアドレスにメールを送ると24時間後彼から返信が来ます。

「すばらしいメールだった。明日か木曜、ロスに来れるかい?」

期末試験があったもののすぐに返事。ロスのホテルのロビーでエリオットと面会します。彼とにした最初の質問はティッピング・ポイントはいつだったのか?ということ。それに彼はそんな転換点なんてなかった、小さなステップの積み重ねだ。と答えます。そこで気に入られたアレックスはその後のミーティングに連れて行かれると、ザッポスの創業者、Gメールを作った人、ユーチューブの創業者、スタートアップウィークエンドの創業者、数々著名人が居ました。エリオットは最高のメンターとなります。

ビル・ゲイツとインタビューする際に、マイクログラッドウェルさえ出版が決まっていた所にインタビューを申し込んでも難しかった。そのため出版社を見つけておかなければビル・ゲイツにたどり着けるはずもありませんでした。そこからエリオットのつてをたどり頼み続ける中で出版社との約束を取り付けます。

サードドア

本書のタイトルになっているサードドア。これはアレックスが度々するそして冒険を伝える最高のたとえとしてインタビューで何回か伝える例え話のことになります。

人生、ビジネス、成功。どれもナイトクラブみたいなものだ。 常に3つの入口が用意されている。

ファーストドア:正面入口だ。 長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア:VIP専用入口だ。 億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。

それから、いつだってそこにあるのに、誰も教えてくれないドアがある。 サードドアだ。

行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先にーーー必ずある。

ザッポスの創業者などインタビューを重ね、ウォーレン・バフェットのインタビューを画策しアシスタントに何回も何回も断られながらメールを送り、ついに株主総会の場で質問のチャンスを得たりします。ついにビル・ゲイツにインタビューを実施し、ピットブルやレディーガガへのインタビューへと成功を収めました。

感想

何者でもないと思っていた医学部の1年生であったアレックスバナヤンが裏道を見つけサードドアを通じてインタビュープロジェクトを実施し、ビル・ゲイツやレディーガガにインタビューをした実話を元に書かれたドキュメンタリー本でした。 時折インタビュー相手の成功ストーリーも交えてくれてあり、各人の物語も知ることができます。誰もがサードドアを通じて成功へのチャンスを掴んでいることも紹介されています。特にメンターとなったエリオットがどのようにサミットシリーズの実施にこぎつけたのか、時にはオーバーコミットをして信頼できる実績を作ることの大切さを教えてくれました。

この手の何者でもない人達が何かになろうとする物語、というか試みはSNSでよく見かけ自分が大学生の時も学生起業家やそこに運営として入り込む人たちを見てきました。アレックスバナヤンについてよく理解していないこともあるのですが、このインタビューは素晴らしいプロジェクトだったとしてその後にどうなったのか、を調べても彼がサードドアを出版した後、VCとして活動しているといった話までしか見つけることができず何者かになったのかが分からない所は少しモヤッとします。

もう一つ気になる点と言えば、彼は優秀な医学部学生であり、何者でもない若者でもなかった点です。もちろんお金もコネもないのはそうですが、授業に気が乗らないだけで勉強がしっかりできる人であったということ。類まれな根気強さに、考えを表現するスマートさがあり、サードドアという表現を全てに今の地位を築いています。彼が今後、講演家といったようなポジションだけでなく二冊目を出版するのか、何かプロダクトを作るのか活躍を期待したいです。

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