日頃からビジネスや生産性みたいな本を読んでいると、いかに効率よく生きるのか、のような考えが頭の片隅にあるように思います。
心を意図的に落ち着かせられる空間である(と聞く)茶道に関して興味を持ち本書を読んでみました。
📒 Summary + Notes | まとめノート
日本の文化や歴史、物事の背景などに書かれている本をために読むことがあり、今回は茶道に関わる本を見かけたので読んでみました。
著者の竹田さんはJFK空港などで茶道を披露したらり、さまざまな国の王室などでも披露する世界中で作動を拡めている方です。
外国人が知りたい日本の文化・世界が憧れる日本のおもてなし
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抹茶と煎茶の違い
抹茶は新芽が伸びる茶摘みの2週間ほど前からは直射日光が当たらないように黒い覆いをかける覆下栽培という手法が用いられ、タンニンを減らし、テアニンの多い成分になる。葉を揉む作業もなし。
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一座建立
主・客が一体をなって座を盛り上げ、お互いを思いやる心持ち、双方の息が合ってこそ茶会が成立するという意味
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和敬清寂
和やかな心、敬い合う心、清らかな心、動じない心
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戦国時代に千利休が広めた茶道は、武将が心を整えるだけではなく、武道同様の嗜みで、お茶室は密談する格好の場隣、男性の必須のビジネスツールでした。
なぜエリートは茶道の虜になるのか
- 秀吉は今まで限られた人だけに許されていたお茶会に対し、一般庶民も招いた北野大茶会を開催
- 外の殺伐とした世界とはかけ離れた異空間、静寂で平和なお茶室の中、一碗のお抹茶を心静かに喫する。その中で、自分自身と静かに向き合い、心を整え、平常心を取り戻していたのでしょう。
- 素直な心を一言でいえば、囚われない心。
- 禅とは掃き清めること。自らの執着を掃き清めて、空っぽにする。
これだけは知っておきたい日本の伝統文化茶道
- お茶は薬として飲まれたことから始まり、平安時代に中国から留学僧がお茶を持ち帰ってきたのが始まりと言われている。
- 栄西が中国に渡っていた時代、丁度、中国ではお茶の粉末をかき混ぜる抹茶法によってお茶が飲まれていましたが、その後、中国ではこの飲み方は廃れました。
- わび茶の祖、村田珠光は「月も雲間の泣きは嫌にて候」と言い、雲ひとつない完璧な月より、雲がかかった自然な趣のある月の方が好きだと意味した。
- 利休の弟子である山上宗二による山上宗二記によると、利休は60歳までは先人の茶を継承していましたが、本能寺の変以降から独自の茶の湯を始めたと言われます。
- 切腹を伝えにきた使者に、利休は静かに「茶室にてお茶の支度ができております」と伝え、お茶を点てました。そして、利休は一呼吸つき、湯が沸く音を聞きながら切腹したのです。最後までわび茶の信念を貫き、70年の生涯を終えました。
- 人生七十、力囲希咄
- さびは時間の経過とともに古くなり、色合わせ、錆びて劣化していきますが、逆に古くなることで出てくる味わいや枯れたものの趣ある美しさを表しています。わびは錆を美しいと思う心や内面的な豊かさを表しています。
- 茶道の根本は、不完全なものを敬う心にあり
- 一期一会は、茶道の心得を表した言葉となり、お茶会に臨む際には、今後、お茶会を開く機会があったとしても、全く同じものを繰り返すことはできないので、常に人生で一度きりと心得て、相手に対して精一杯の誠意を尽くしましょう。と言われています。
ビジネスや日常に活かしたい千利休の7つの教え(利休七則)
- 茶は服のよきように点て
- 炭は湯の沸くように置き
- 花は野にあるように生け
- 夏は涼しく冬暖かに
- 刻限は早めに
- 降らずとも傘の用意
- 相客に心せよ
知っていると一目置かれる、日本人としての品格
- 本来無一物
- 明珠在掌
- 白珪尚可磨
知っていると自信が持てるお茶会の作法
- 最低限の持ち物として、白い靴下を用意
- 吾唯知足:足ることを知っている人は不平不満がなく、心豊かな生活を送ることができる
- 小さな躙り口から入ったその先に広がるお茶室の中は、日常とはかけ離れた、刀のない平和で、上下関係のない平等な世界
- 照顧脚下
- 日日是好日
- 行雲流水
- 春来草自生
- 和顔愛語
- 白雲自去来
- 直心是道場
- 知足安分
感想
お茶室という空間がいかに日本文化がパックされた空間であるのか、またその文化がどのような心で作り上げられてきたのかということを知ることができました。
おもてなしの心や、日常から離れ何も考えずに心を落ち着けられる空間として生活の一部としてお茶という文化があるというのは、忙しい日々から一息つけるいい文化であるように思います。
最近ではお茶を試せる場所がいくつかあると聞くので体験してみたいと思いました。
📚 Relating Books | 関連本・Web
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- https://amzn.to/3dgw6HH もしも利休があなたを招いたら 茶の湯に学ぶ”逆説”のもてなし (角川oneテーマ21) 新書 – 2011/5/10 千 宗屋 (著)
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