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コスト削減と再エネ導入を成功させる 最強の電力調達 完全ガイド | 久保 欣也 (著), 三宅 成也 (著), 山根 小雪 (著) | 2022年書評#45

電力調達に関わる本を読みました

📒 Summary + Notes | まとめノート

仕事の場面でもすっかりとおなじみになってきた脱炭素やエコの話題。CO2排出量を抑えようという目標に応じてどの会社も排出量を計測することが増えてきているように思います。

その中で大きなビジネスが生まれそうなのが再生エネルギーによる電力需要です。CO2排出に向けてカーボンニュートラルなオフィス、製造ライン、輸送ラインを目指す中で電力はお金で解決できるポイントになり、大きなビジネスチャンスが蠢いているように思います。

電力の基本

電力は4ステップで構成されております。

  • 電力をつくる
  • 電力を送る
  • 電力を売る
  • 電力を使う

電力自由化に伴い、作る、送る、売るを一貫して担っていたのは東電などの電力会社でしたが、その業界構造が変化しました。

電力自由化で新電力が登場しましたが、基本的に送る部分は今までと変わらず、主に売る部分が大きく民主化され、つくる部分について部分的に新電力が入り込んでいます。(太陽光など)

なぜ自由化が起きたかというと、公平な競争環境を整えて消費者が安く使えるようにということが狙いです。その背景には原料費高騰の影響もありますが電気料金が値上がりし続けているということがあります。

電気料金

電気料金の基本構成は4つです。

  • 基本料金(固定料金)
  • 電力量料金(従量料金)
  • 燃料費調整額
  • 再エネ賦課金

電力自由化に伴い利用者に電力会社を選ぶ自由が生まれましたがどのように選べば安全にコスト削減へ繋がるのでしょうか。

本書にある大きな区分けは使用電力量が低い部分では新電力が、大きい部分では大手電力に理があることが多いと言います。

負荷率や需要カーブを見ながら工場やオフィスの電力消費のパターンを認識することで最適な選択をできるでしょう。

アプローチとしては10の項目でまとめられています。

  1. 電力調達改革の方針決め
  2. 電力データの収集・整理
  3. 電力会社への見積もり依頼
  4. 見積もり提案の評価
  5. 価格協議・契約条件協議
  6. 切り替えに関する社内承認
  7. 申し込み手続き・契約切り替え
  8. 実績モニタリング・評価
  9. 契約更新・切り替え
  10. 契約・実績データ管理

本書内でコスト改善効果の例がいくつか示されているのですが、数千万レベルでの改善効果も多く書かれております。

個人における携帯料金じゃないですが、常にかかるコストを見直すことの大切さを感じます。

再エネに関して

本書の後半部分は再エネに関してです。

今では二酸化炭素の排出に関して、一定規模以上の事業者に対してCO2排出量の報告を義務づける温対法やNGO団体のCDPによる監視の目も生まれてきました。

そのため、電力のマネジメントは企業に対して重要性が日に日に増しています。アウトソースや一括見積もりサービスなど台頭してきておりさまざまな企業があります。

見積もり依頼・提案受付

集約支払い事業

コスト削減コンサル

  • ディーコープ
  • プロレドパートナーズ

調達支援BPO会社

  • 日本省電

欧米のサービス

  • Flipper
  • Enervee

CO2排出を減らす方法

CO2排出を減らすためには3つ方法があり、3つめが再エネで大きく改善できます。

  1. エネルギーの消費量そのものを減らす
  2. 排出したCO2を回収・貯蔵する
  3. 単位エネルギーあたりに含まれるCO2を減らす

日本では再エネ普及のためにFIT:固定価格買取制度が始まり再エネの比率は21%までに上昇しました。(原子力は非再エネ)

再エネのFIT電源には太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などが含まれ、非FIT発電には水力発電、ごみ焼却発電などがあります。

再エネに関しては電力+環境価値となり、通常の電力より高価格になってしまいますが、一方で海外燃料依存である化石燃料を用いた発電からお金の流れを変えることができるのも事実です。

再エネを利用しているということは証明しないといけないために、3つの認証制度があります。(グリーン電力証明、Jクレジット、非化石照明)

これらの認証に関して、電力をトラッキングしなければならないケースもあるために、そこに対してブロックチェーンを用いたシステムを開発するみんな電力などの企業もあります。

今、さまざまな企業が出てきておりかつプラットフォームが整いつつあるために今後どのようなビジネスチャンスが生まれていくのか楽しみです。

感想

電力という誰しもが必要なインフラに対して、再エネ推進の大きな波やCO2排出を阻止しなければいけないモチベーションが拡大してきている昨今ですが、それに伴う多くのビジネスが生まれていることが知れる本でした。

アマゾンやアップルなどサプライチェーンも含めてCO2削減を求めているケースも増えてきているために、今後ビジネスの流れに注目していきたいと共に、どこかで関連した株なども購入して見たいなと思いました。

📚 Relating Books | 関連本・Web

  1. https://japan.cdp.net/ CDP
  2. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC0000000117 地球温暖化対策の推進に関する法律
  3. https://www.nies.go.jp/gio/ 温室効果ガスインベストリオフィス
  4. http://www.natural-e.co.jp/green/about.html グリーン電力証明
  5. https://japancredit.go.jp/ Jクレジット
  6. https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/hikasekishousho_jirei.html 非化石証明
  7. https://minden.co.jp/ みんな電力