未邦訳の英文を読もうと気軽に始めた英語の読書。AI Superpowersを読み進めるに連れてとてもKai-Fu Leeさんの動画に注目し始めてしまった。
本を読み進めて気になっていた部分をこの動画の40分前後の部分で詳しく説明していた。
Kai-Fu Leeさんの主張で行くと、中国は多くのデータを要するために最初はCopycatとして模倣していただけだったのだが、もはや中国版Facebook、中国版Twitterなどのネーミングの枠を外れた拡がりを見せ、本家よりも大きな会社になっている。
そうすると中国企業の多くが所有する膨大なデータがAI開発にとってとても有利に働くことになるだろうと主張する。
AIはサンプル数が多ければ多いほど学ぶリソースが多く(本の中では燃料と時折表現)、中国のWechatなどではMini-appが多く存在し、送金や支払いの記録、タクシーの利用記録、など多くの行動パターンを燃料としてAIの学習リソースとすることができる。
AIも学習リソースの癖を持つとしたら、中国のAIは中国的な視点を多く持ち、アメリカのAIはアメリカ的な視点を多く持つのかなと思う。
ポイントは、さあ、今後どうやって中国企業がアメリカ企業と戦っていくのか、という点。英語圏や日本はおそらくアメリカをフォローしていくだろう、東南アジア、インド、中東、アフリカは中国企業が進出していくのではないか、と予想している。中国がいかに自分たちのデータベースに少ない地域の海外に対して進出していくのかがとても気になるところである。
その点、政府のサポートや導入の先行者利益などを利用して進めていくのだろうか。
完璧でなくても失敗をある程度許容できる中国の文化、膨大に集まる資金力、燃料と称されるデータ量、ハードワークや良い意味での成り上がり精神、中国に様々な要素が組み合わさり中国が爆発的にAIでリードする条件が整っているように思う。
Q&AのセッションでAIが何か人に害を加えるのでは、恐れになるのではないか、AIが自分たちの言語で話し始めたということについて、バグだから問題ないと笑って話している部分は面白かった。
未来がとても楽しみである。