マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット
「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうそちないかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」
マネージャーが部下の生産性を向上できる方法は、2つしかないと述べる。それはモチベーションと訓練だ。マネージャーが訓練を軽視するなら、自分の仕事の半分は怠けていることになるのだ。
無秩序に対する、より高度の受容力と許容性
注意すべきことは、ごくあたり前のルールであるが、どのような問題にしても、生産プロセスの中で、できるかぎり”価値が最低”の段階で問題を発見し解決すべきだということである。
スタッガーチャート
note.mu予測が難しい物事に対して過去の記録をつけて未来を予測しようとするというのはPythonを勉強していた株売買のアルゴリズム取引の手法でも同じでありバックテストにより未来の変動を予想していた。過去の行動履歴を取得しユーザーの欲しいものを予測するレコメンデーションのアルゴリズムも近いものがあるように思える。ohtanao.hatenablog.com
生産性を上げる方法
生産性を上げるひとつの方法については”もっと速くやること”であるとされている。
”速くする”というのはとても価値のある事で、速く移動する・速く学ぶ・速く取得する・速く読む、など言われなくてもわかるような事出るかもしれない。じゃあ、速くするために何をするかというと、作業の流れを再編成するという事とされている。効率を上げることです。速く移動しましょう、となった時には、”自転車を使いましょう”、”車を使いましょう”、”飛行機を使いましょう”となるかもしれないですし、速く学びましょうとなった時は、”勉強の方法を変えましょう”、”先生を変えましょう”、となるかもしれない。簡素化(効率化)するために、それぞれのフローチャートを書き、なぜ各工程を実施するのかを考えることが重要だと本書で書かれている。
社内の情報収集と提供
アンディさんのマネージャーの仕事は情報収集と提供が大部分である。そのために情報収集能力を上げる必要があり、そのためには立ち話での、会議でのなど情報伝達方法の特徴を理解して最適な方法でコミュニケーションをすることが大事とされる。
そのために、会議室に部下を呼び出して部下にとって快適で無い環境で情報を収集するのではなく、社内をぶらぶらと周り、部下が最適な状態・現場の状況を感じながら情報を集めるということが大切とされている。
これらの情報収集を行う事で、マネージャーのもう一つの大事な仕事である意思決定、するための材料を正確に集め判断をするようである。
本内で度々数式化で簡素化している点も理解に役立つ。
マネージャーのアウトプット/時間=L(レバレッジ)x遂行した活動/時間
仕事の優先順位付けに関して、印象的な文に以下のようなものがあった。
仕事が仕上がらなければ何も言わなくても結局は「ノー」と言うことになるので、はっきりと、あるいはそれとなく、「ノー」ということが大切である。時間は人間にとって有限の資源なのであり、あることに対して「イエス」と言ったら、必然的に他のことには「ノー」と言っていることを忘れてはならない。
何かを取れば何か他の事を諦める必要があるということは限られた時間の中で仕方が無いことかもれいない。
他にもパターン化の大切さ、
マネジャーの問題の処理の仕方にひとつの”型”を設けることである。かつては不規則だったものを規則的にするのが、基本的な生産の原則であり、この原則がマネジャーを悩ます中断をいかに処理するか教えてくれる。
ミーティングの方法、
2種類のミーティングが基本的にある。ひとつは”プロセス中心”のミーティングと呼ばれ、そこでは知識の共有化と、情報交換が行われる。こうした会合は定期的に開催される。もうひとつのミーティングの目的は、具体的な問題の解決である。”使命中心”と呼ばれるこの種のミーティングでは”意思決定”をすることが多い。特別な目的のために随時開かれるミーティングである。
ワンオンワンミーティング、スタッフミーティングの区別などについても書かれている。
プランニングについては、1環境が要求するもの、2現状把握、3ギャップを埋めるためになすべきこと、が実例を踏まえ書かれている。
環境を構成する要件を見極めたら、2つの時間枠でもってそれを検討しなければならない。つまり、現在と将来の時点ー1年後といっておこうーの2つである。…顧客は現在何を要求しているか。自分は顧客を満足させているか。今日から1年経ったら、何を期待するであろうか。必要なのは、環境が現在要求するものと、今日から1年後に要求すると思われるものとの差異を浮き彫りにさせることである。このような”差異判断”は不可欠である。
部下のモチベーションを上げるための方法に関して、行動を決定する方式の説明もされている。行動決定に対しては、3つの方法により決まっており、自由市場原理の力、契約上の義務、文化的価値から人は行動を決定するとしている。(下記本書から参照)
チームに例えたモチベーション解説において、恐怖に的を絞ったアプローチから人間主義的なアプローチに変化してきていることが書かれていおり、恐怖によるモチベーションアップが時代にそぐわない方法でないかということが理由を元に解説してある点はなるほどという感じであった。
この本の最後に行動指針チェックリストがあり実際にマネジメントする際に簡単にチェックできるようにしてある点も、いかに本書が丁寧に作り込まれているか感動する点である。
どんな人が読むべきか
マネジメント層にいる人達にとってはとてもわかり易いかつ網羅的に書かれてある教科書的な存在であると思う。
内容は製造業に合致していると思うが、その他業界にも通ずるところは山程あるため、管理職につく人たちや、団体をまとめる立場にある人達には必読と言っても良い気がした。
名著と呼ばれているものには理由があると思うし、さらに世界中で読まれているには理由があると思うので、現代のすべての管理職におすすめであると思う。
また、誰しも自分で自分を管理する必要があることを考えると日々の過ごし方を改善したかったり、なにかに向けた勉強などをする人にとっても非常に参考になる内容になっているのではないでしょうか。